セイヨウキランソウ (Ajuga reptans, L. 1753)

セイヨウキランソウ(Ajuga reptans)は、ヨーロッパ原産のシソ科の多年草です。青〜紫の花穂をつけ、低い葉のロゼットと匍匐茎で地面を覆います。グラウンドカバーとして栽培され、半日陰の適度に湿った場所を好みます。キランソウ属全体ではなく、この種特有の広がり方を知って管理することが大切です。

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学名Ajuga reptans
属Ajuga
目Lamiales

セイヨウキランソウ, Bugleweed, Carpet bugle と Blue bugle

基本情報
毒性
注意 : 人(子どもを含む) · 無毒 : 猫 と 犬 · 要確認 : 馬
管理の難易度
低い
葉の性質
半常緑
寿命
多年草
原産国
ヨーロッパイギリスとアイルランドフランス
自生環境
明るい林、湿り気のある草地、林縁、湿った芝地、日陰の花壇縁、庭のグラウンドカバー
環境への効果
春の花にハチや小型の訪花昆虫が集まります半日陰で裸地を覆い、土壌を保護します
季節性
開花期
春夏
生育
休眠
冬季休眠
生育速度
6/10
成熟までの期間
土の湿り気により、1〜2シーズンで地面を覆います
増やし方
株分け, 挿し木, 種子
気候と水やり
温度
耐寒性
耐風性
草丈が低いため比較的強いですが、鉢土が乾き切ると弱ります
湿度
45–80 %
水やり
ごく少量
少なめ
普通
多め
非常に多い
耐乾性
いいえ
用土
土壌pH
土壌タイプ
水はけのよい土, 涼しく湿った土, 肥沃な土
塩類土壌
耐えられない
光と置き場所
日照条件

葉に直射日光が当たらない、明るい場所に置きます。

半日陰、明るい日陰、または土の湿り気を保てる穏やかな日なた
屋外
日陰のボーダー, 林床風ガーデン, コンテナガーデン, 日なたのボーダー
鉢
底穴のある大鉢
形態
高さ8–30 cm株張り30–90 cm
葉
緑紫
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 葉 1
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 葉 2
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 葉 3
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 葉 4
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 葉 5
花
青紫ピンク大きさ1–2 cm
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 花 1
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 花 2
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 花 3
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 花 4
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 花 5
果実
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 果実 1
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 果実 2
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 果実 3
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 果実 4
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 果実 5
樹形・草姿
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 樹形・草姿 1
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 樹形・草姿 2
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 樹形・草姿 3
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 樹形・草姿 4
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 樹形・草姿 5
樹皮
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 樹皮 1
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 樹皮 2
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 樹皮 3
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 樹皮 4
セイヨウキランソウ (Ajuga reptans):原産地と利用法 — 樹皮 5

世界の分布

POWOが採用するシソ科の種です。ヨーロッパ原産で、自生域以外の多くの庭でもグラウンドカバーとして栽培されます。原産地外では、強く広がりすぎないか観察が必要です。

  • 原産3
  • 移入1
  • ヨーロッパ
  • イギリスとアイルランド
  • フランス
  • 北アメリカの庭園

六角形:植物が見られる地域。緑の点:原産分布域。2

基本情報

セイヨウキランソウ(Ajuga reptans L., 1753)は、リンネが記載したシソ科の多年草です。POWO、WFO、IPNI、Wikidataで、この分類群の学名と位置づけを確認できます。紫色の花を集めた記事でも取り上げられるのは、この種そのものです。 2 3 1

地面をはう姿が、本種を知る最初の手掛かりです。匍匐茎が横へ伸びてロゼットをつくり、そこから春に青〜紫色の花穂が立ち上がります。フランス語名bugle rampanteも、この広がり方を表しています。英語ではBugleweed、Carpet bugle、Blue bugleなどと呼ばれます。 5 4

キランソウ属(Ajuga)にはほかにも種があります。本種が庭で示す特徴は、低く半常緑のマット状に広がることです。地面を覆うのに役立つ一方、周囲へ広がりすぎる場合もあります。 6 7

見分け方

株元では対生する葉が低いロゼットをつくります。葉は通常緑色ですが、園芸品種には紫色や斑入りのものもあります。横に伸びる匍匐茎が新たな場所で根を下ろし、株の範囲を広げます。 5 7

春になると、葉のマットより高く花穂が立ち上がります。筒状の花は多くが青紫色で、小型の訪花昆虫を引き寄せます。この青みのある紫色が、紫色の花の記事に本種が含まれる理由です。 5 8

匍匐茎を出さず、一つの独立した株だけになる植物なら、典型的なAjuga reptansではない可能性があります。本種の大きな特徴は、背の高い多年草の間で地表を覆う能力にあります。

冬の様子にも幅があります。暖冬なら葉が半常緑に残りますが、湿った冬や乾燥した夏の後には、ロゼットから葉が更新されます。そのため、数週間ほど葉のマットが弱ったように見えても、株全体が失われたとは限りません。 7

葉色のある品種は、花壇の印象を大きく変えます。Atropurpureaは暗い紫色、Burgundy Glowはクリーム色や桃色を添え、Chocolate Chipはより低い姿を保ちます。いずれも別種ではなく、セイヨウキランソウから選ばれた園芸品種です。 5 7

栽培と広がりの管理

セイヨウキランソウは半日陰、明るい日陰、または土に湿り気を保てる穏やかな日なたを好みます。さまざまな条件に耐えますが、高温で乾いた土では弱ります。腐植があり、水はけと適度な保水性を備えた土なら、均一に地面を覆いやすくなります。 7 5

低木の下、日陰の花壇の縁、春咲き球根の間、小さな湿り気のある斜面などで役立ちます。裸地を覆い、低い雑草をある程度抑えますが、厚いマルチングの代わりになるものではありません。

よく広がる性質には、管理も伴います。匍匐茎が弱い多年草の株元へ入り込んだり、花壇の縁を越えたりするため、定期的に切り取る、抜く、株分けする作業が必要です。多くの場合はこうした穏やかな管理で足り、土が湿っていれば抜き取りも比較的容易です。

小さな庭では、繊細な多年草の間に細かく混植するより、まとまった区画で使う方が扱いやすくなります。匍匐茎は地表のすき間を通って伸びるため、石の縁取り、通路、やや乾燥したマルチの帯があると、植栽の輪郭を保ちやすくなります。

歩行に対する性質は芝生とは異なります。手入れ時の一時的な踏みつけには耐えても、毎日歩くと花穂がつぶれ、葉のマットが開き、裸地ができやすくなります。日陰の通路では、歩く中央部ではなく両側に植えるのが適しています。 7

花後に枯れた花穂を刈ると、すっきりした姿になります。必須の作業ではありませんが、こぼれ種を抑え、地面を覆う葉を引き立てられます。自然な雰囲気の植栽では、春先の昆虫を支えた花穂を一部残して乾かしても構いません。 5

管理と安全性

採用した資料には、刺激性のあるキンポウゲ科や、動物に有毒なネギ属に匹敵する重大な毒性の記載はありません。ただし、ここでは観賞用として扱い、料理や自己判断での薬用利用には結びつけません。 8

注意したい問題は、特に原産地外での生態的・実用的な広がりです。北アメリカの資料では、密なマット状の群落をつくることが指摘されています。この資料ではフランスの侵略的植物とはされていませんが、庭での広がりは観察しておく必要があります。 5 7

鉢では株が密集しすぎた後に、中央がはげることがあります。その場合は多肥にするより、株分けして用土を更新する方がよい結果につながります。

手入れで注目する場所は、マットの外縁です。ロゼットが密に保たれ、匍匐茎が近くの植物と競合していなければ、作業はほとんどありません。ヒューケラやサクラソウの株に入り込んだら、園芸用の爪などで茎を持ち上げ、別の場所へ植えるか取り除きます。

こうした管理をすれば、半日陰の庭で裸地を早く覆いながら、低い草丈を維持できます。非常に乾いた花壇、やせたロックガーデン、一株ずつ厳密に独立させたい植栽には、あまり向きません。

品種を選ぶときは、かけられる手間も考えます。勢いの強い緑葉や紫葉の型は早く地面を覆う反面、縁の管理が必要です。斑入りの型は成長が穏やかなことが多く、小さな場所にも向きますが、焼けるような直射日光は避けます。

紫色の花としての位置づけ

紫色の花を集めた記事では、セイヨウキランソウは切り花よりも地表を覆う用途に優れた、背の低い多年草として位置づけられます。本種の特徴を知ると、はう性質、半日陰での利用、匍匐茎の管理、踏みつけへの限界を理解できます。 2 5

庭での扱いを調べる際も、キランソウ属全体ではなくAjuga reptansを確認することが大切です。この記事で取り上げる種を明確にすることで、実際の広がり方に合った手入れを選べます。

主な参考文献

よくある質問

花は紫色ですか、青色ですか?

どちらの見方もできます。花は青紫色になることが多く、紫色の花を集めた記事にも取り上げられています。

グラウンドカバーに向いていますか?

はい。適度に湿った半日陰、特に低木の下や球根植物の間に向きます。匍匐茎の広がりは管理してください。

侵略的な植物ですか?

この資料ではフランスの侵略的植物とはされていません。ただし、庭や自生域外では地面を密に覆うほど広がることがあります。

上を歩いても大丈夫ですか?

芝生の代わりにはなりません。手入れ中に時折踏む程度には耐えますが、日常的な踏みつけには向きません。

動物に有毒ですか?

採用した資料には重大な毒性の記載はありません。ここでは食用ではなく、観賞用の植物として扱っています。

キランソウ属全体ではなく、種を知る必要があるのはなぜですか?

紫色の花の記事で紹介されるのはAjuga reptansという種です。属全体の説明だけでは、この種の匍匐茎やグラウンドカバーとしての管理を正確に説明できないためです。

似ている植物

植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。