アネモネ (Anemone coronaria, )
アネモネ(Anemone coronaria)は、地中海沿岸原産のキンポウゲ科の塊茎性多年草です。春に暗色の中心をもつ鮮紅色、青紫色、白色の大きな花を一輪ずつ咲かせます。De Caen系とSt Brigid系の選抜品種があり、花壇や切り花に利用されますが、作業中に汁液で刺激を受けることがあります。
続きを読むアネモネ, ボタンイチゲ, ハナイチゲ, ベニバナオキナグサ, Poppy anemone と Windflower






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Taken Apr 10, 2021 by Roberta Visconti (cc-by-sa)
Taken Apr 21, 2014 by Tela Botanica − Liliane Roubaudi (cc-by-sa)
Taken Feb 26, 2016 by Tela Botanica − Liliane ROUBAUDI (cc-by-sa)
Taken Mar 20, 2022 by Annemarie Ahrens-Stehle (cc-by-sa)
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世界の分布
Anemone coronariaの自生域は、北アフリカから南ヨーロッパ、西アジア、イラン西部・南西部までの地中海周辺です。切り花や花壇用に広く栽培され、自生域外でも局地的に逸出・帰化しています。導入された地域と本来の自生域は区別されます。
基本情報
アネモネ(Anemone coronaria L.、1753)は、キンポウゲ科イチリンソウ属の塊茎性多年草です。ボタンイチゲ、ハナイチゲ、ベニバナオキナグサとも呼ばれます。種小名のcoronariaはラテン語のcoronaに由来し、花のすぐ下で茎を囲む、細かく裂けた苞の輪を冠に見立てたものです。 1 4
庭や花店で親しまれているのは、春に咲く鮮やかな赤、青紫、白の大きな単生花です。園芸品種は主にDe Caen系とSt Brigid系に分かれ、切り花に使われる代表的なアネモネとなっています。 2 3
見分け方
黒っぽく不規則な形の小さな塊茎から毎年芽を出し、草丈は15〜45 cmになります。濃緑色の葉は細い裂片に深く分かれ、株元にロゼット状に集まります。 3 2
特に目立つのは直径4〜7 cmの大きな一輪の花です。直立する花茎には、深く切れ込む苞が襟のようにつきます。通常は5〜8枚の色づいた花被片が暗色の雄しべの中心を囲み、ヒナゲシに似た印象を与えます。 2 3
一重咲きと八重咲きがあり、系統ごとに鮮やかな色の幅があります。花後は葉が黄変して地上部がなくなり、塊茎は夏の休眠に入ります。 4 5
分類のポイント
カール・フォン・リンネは1753年にAnemone coronaria L.として記載しました。イチリンソウ属には多くの種があり、地中海地域の変種や型に由来する古い学名も文献に残っています。主な異名には次のものがあります。
- Anemone coronaria var. cyanea (Risso) Ardoino:異名。
- Anemone coronaria var. coccinea (Jord.) Nyman:異名。
- Anemone coronaria var. alba Burnat:異名。
- Anemone coronaria var. parviflora (Boiss.) Sinno:異名。
- Anemone coronaria subsp. ventreana (Hanry) Arcang.:異名。
学名を確認する基準は、受容名のAnemone coronariaです。De CaenやSt Brigidは園芸選抜品種の集まりを示す系統名であり、別種や植物分類上の変種を意味しません。 1 7
生息地と分布
北アフリカ、南ヨーロッパ、西アジアからイラン西部・南西部に至る地中海周辺が、アネモネの本来の分布域です。水はけのよいガリグ、乾燥草地、オリーブ畑、岩場に生えます。 1 3
地中海性のほかの地中植物と同じく、夏が乾く気候に適応しています。秋冬の雨を利用して育ち、花を咲かせた後は夏の乾燥期を休んで過ごします。庭でも、排水のよい土と乾燥した夏の条件が栽培の基礎になります。 2 5
切り花や春の花壇用として広く栽培され、自生域の外でも局地的に逸出したり帰化したりしています。そのような導入地域は、地中海沿岸の本来の自生域とは区別されます。 6 7
生活環と繁殖
涼しい季節に塊茎から葉と花茎を伸ばし、春に開花してから葉を枯らし、夏は塊茎で休む生活環です。温暖地では秋植え、寒冷地では早春植えにすることが多い植物です。 2 3
花には本来の蜜腺がなく、豊富な花粉と鮮やかな色で昆虫を引き寄せます。これは花の少ない早い季節に役立ちます。受粉後には、綿毛のある小さな痩果が集まり、綿のような頭状の実になります。 4 5
増やすには、夏の休眠後に塊茎を分ける方法が簡単です。秋に痩果をまくこともできますが、発芽は遅く不揃いで、園芸品種の実生では花の色や形が親と同じになりません。塊茎は長く維持しにくいため、定期的に更新して一年草に近い扱いで育てる人も多くいます。 2 3
利用と注意点
主な用途は観賞で、春の花壇、水はけのよいロックガーデン、とりわけ切り花に利用されます。市場に出るアネモネの多くはDe Caen系とSt Brigid系です。早い開花とくっきりした花色が、花束で好まれます。 2 3
キンポウゲ科のほかの植物と同様に、アネモネは生の組織を揉んだりかんだりすると、刺激性のプロトアネモニンを生じます。汁液への接触で皮膚の赤みや刺激が起こり、摂取すると口腔の刺激、流涎、消化器症状につながります。猫・犬・馬・人のいずれにも注意が必要で、塊茎や茎は慎重に扱います。 5 6
栽培で問題になりやすいのは塊茎の腐敗です。特に夏の休眠中に水が多いと、養分を蓄える器官が腐ります。排水のよい土、乾いた夏の管理、花後に掘り上げた塊茎の乾燥保管が予防の基本です。 2 5
品種・類似種・近縁種
販売される多様な姿は別々の種ではありません。De Caen系は切り花に多用される単色の大きな一重花、St Brigid系は八重・半八重でより茂った株姿の系統です。Mister Fokker、Hollandia、The Bride、Lord Lieutenantは、各系統内の特定の花色をもつ選抜品種の名前です。 2
見間違えやすい近縁種には、次のものがあります。
- Anemone hortensis:地中海地域に自生し、桃色〜藤色の花をつける近縁種。
- Anemone pavonina:近縁で、長い間混同されてきた種。
- Anemone blanda:より小型で、冬の終わりに小さな星形の花をつける種。
暗色の中心をもつ大きな単生花、深く裂けた苞の輪、塊茎から育つ姿を組み合わせると、花店のアネモネがAnemone coronariaであることを確かめやすくなります。 3 1
主な参考文献
よくある質問
アネモネには毒性がありますか?
はい、取り扱いに注意が必要です。キンポウゲ科のほかの植物と同じく、生の組織から刺激性のプロトアネモニンが生じます。摂取や汁液への接触により、人や動物に口腔・皮膚の刺激や消化器症状が起こることがあります。
アネモネの塊茎はいつ植えますか?
温暖地では秋に植えて春に咲かせます。寒冷地では早春に植え、初夏の開花を目指します。植える前に数時間吸水させ、深さ3〜5 cmに植え付けます。
花が終わると地上部がなくなるのはなぜですか?
自然な生活環によるものです。Anemone coronariaは夏に休眠し、葉が黄変して枯れ、塊茎が休みます。夏の土を乾いた状態に保てば、次の季節に再び芽を出します。
De Caen系とSt Brigid系の違いは何ですか?
De Caen系は単色の大きな一重花で、切り花に適します。St Brigid系は八重・半八重で、よりこんもりした姿です。どちらもAnemone coronariaに由来します。
アネモネは寒さに耐えますか?
根付いた株はおよそ−10〜−15 °Cの適度な凍結に耐え、USDAゾーン7〜10に対応します。それより寒い地域ではマルチングや春植えが勧められます。
アネモネは鉢でも育てられますか?
はい。深さがあり排水性のよい鉢に、砂質の用土を入れて育てられます。日なたに置き、生育中は水を与え、塊茎が夏に休眠する間は用土を乾かしておきます。
Anemone coronariaと間違えやすい植物は何ですか?
主に、色鮮やかな花をつける地中海地域の近縁種Anemone hortensisとAnemone pavoninaです。深く切れ込む苞の輪と、多数の花被片が見分ける手掛かりになります。
似ている植物
植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。




