オトギリソウ属 (Hypericum, )
オトギリソウ属(Hypericum)はオトギリソウ科の植物群です。黄色い花をつけ、地面を覆う種類、低木、野生の多年草、薬用にされる種類を含みます。Hypericum calycinumのような園芸種と、薬物相互作用が知られるセイヨウオトギリは区別する必要があります。
続きを読むオトギリソウ属, ハイペリカム, ヒペリカム と St John's wort




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基本情報
オトギリソウ属(Hypericum Tourn. ex L.)は、オトギリソウ科に属します。黄色い花を庭で楽しむ植物群として知られ、代表的な園芸種にHypericum calycinumがあります。ひとつの種名ではなく、さまざまな姿や性質をもつ植物をまとめる属名です。 1 2 8
KewのPOWOでは、この属は世界の広い範囲に分布するとされています。同じ属でも、斜面を覆う地被植物、実をつける低木、野生の多年草、利用に専門的な配慮が必要な薬用植物など、性質は大きく異なります。 1 4
庭で目印になるのは、5枚の黄色い花弁と、よく目立つ多数の雄しべです。低木の花壇、自然な形の生垣、地面を覆う植栽などに使われ、黄色を中心に構成する庭にも取り入れられます。 8 4
属全体をセイヨウオトギリ(H. perforatum)と同一視することはできません。また、すべてを無条件に安全な観賞植物と考えることも適切ではありません。属名で植物群を把握した後に、種を確かめることが大切です。 1 5
見分け方
星形に開く黄色い花の中央には、多数の雄しべが束のように集まります。多くの種で葉が対生し、光を通す腺点や暗色の腺点が見られます。花だけでなく、こうした葉の特徴も見分ける助けになります。 4 8
Hypericum calycinumは、大きな花をつける地被植物です。黄色がよく目立ち、比較的速く地面を覆うため、庭の植栽に利用されます。野生種や薬用種とは異なる、園芸植物としての姿が分かりやすい種類です。 8 4
果実をつける低木、常緑の地被植物、セイヨウオトギリは、同じ属でも草姿や利用法が違います。名前の印象だけに頼らず、葉の形、株全体の姿、高さ、生育場所を合わせて確かめる必要があります。 1 5
写真から調べるときは花の中心だけで判断せず、葉の接写、茎、株全体の高さ、果実の有無も記録すると役立ちます。乾いた庭、斜面、草地、荒地、植栽された縁取りといった周囲の環境も手がかりになります。 8 4
分類のポイント
属の受容名はHypericumです。POWO、WFO、IPNIの分類資料では、この属をオトギリソウ科に置いています。学名を用いることで、一般名が複数の植物を指す場合でも分類上のまとまりを確かめられます。 1 2 3
園芸で扱われるオトギリソウ属には、H. calycinumのような地被植物のほか、低木状の種類もあります。黄色い花をもつという共通点だけから、園芸上の扱いまで同じと考えないことが大切です。 8 1
薬用、薬物相互作用、家畜への毒性、一部の国での牧草地への侵入を論じる際には、セイヨウオトギリ(Hypericum perforatum)の種名を明示する必要があります。その性質を属全体へ一律に広げることはできません。 5
オトギリソウ属という名前は、植物群を知る最初の手がかりです。その先で栽培方法、危険性、薬用利用、生態的な位置づけを判断するには、個々の種名まで確かめる必要があります。 1 8
種の一覧を見ると属の多様性が分かりますが、園芸の解説は一般に流通の多い観賞用の種類を中心に扱います。用途を先に決めつけず、まず種を確認することが、選び間違いを減らす基本です。 6 7
栽培
庭で栽培する種類の多くは、日なたから明るい半日陰と、水はけのよい土を好みます。普通の庭土や比較的やせた土に耐えるものもあり、斜面や管理の少ない花壇で役立ちます。 8 4
長く続く過湿は、栽培上の大きな問題になります。重く冷たい土に水がたまると根が傷み、株の姿も乱れます。反対に、水はけのよい斜面や縁取りでは、地被性の種類が旺盛に広がる場合があります。 8
植える前に、低く面を覆う植物が必要なのか、低木が必要なのかを決めます。そのうえで、冬にも排水性を保てるかを確認してください。水が抜けにくい場所では、無理に植えるより、その土に合う別の植物を選ぶ方が適切です。 7
剪定方法は草姿によって違います。低木は冬の終わりに更新したり形を整えたりします。地被植物は茂りが乱れたときに、より強く整理できるものがあります。すべての種を同じ枝ぶりとして扱わず、種類に応じて管理します。 4
黄色い花を中心にした花壇では、ノコギリソウ類、コレオプシス、ラベンダー類、ルドベキア、草丈の低いイネ科植物などと組み合わせられます。多くの一年草に比べて植栽の骨格を作りやすく、自然な景観にもなじみます。 8
利用
明るい植栽の土台として、オトギリソウ属は縁取り、斜面、低い生垣、低木の花壇、多年草と自然な草姿の植物をつなぐ場所に使われます。種に合った場所を選ぶことが、長所を生かす条件になります。 8
黄色い花だけでなく、一部の低木では果実が季節後半の彩りになります。花期が終わっても観賞価値が続くため、切り花や、長く変化を楽しむ植栽にも役立ちます。 4
開いた花と目立つ雄しべは、送粉昆虫にとっても意味があります。観賞植物と自然な草姿の植物を混ぜた庭では、花のある空間を支える一群となります。大輪のヒマワリほど派手でなくても、植栽を安定させる役割があります。 8
利用場所に合う種を選ぶことが必要です。旺盛な地被植物は小さな花壇では管理の負担になり、大きくなる低木は鉢で持て余すことがあります。薬用種の利用についても、専門的な判断が欠かせません。 5
注意点
属全体としての毒性が低く評価される場合でも、種ごとの違いへの配慮は必要です。とくにセイヨウオトギリでは活性成分、薬物相互作用、牧草地での問題が知られており、同じ属だから安全とはいえません。 5
家庭の庭では、食べないこと、専門家の助言なしに薬用の浸出物を作らないこと、剪定枝を家畜のいる場所へ放置しないことが基本です。安全性について判断する前に、どの種なのかを確かめてください。 5 8
黄色を生かした庭の骨格として有用ですが、オトギリソウ属はひとつの種ではありません。一般名だけでは、安全性も薬用としての適否も決まりません。植物の姿を楽しみながら、種名に基づいて扱いを選ぶことが必要です。 1 4
主な参考文献
植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。




