イワブクロ属 (Penstemon, Schmidel)

イワブクロ属(Penstemon)は、北アメリカを中心に分布するオオバコ科の多年草や亜低木です。筒状の花が花粉を運ぶ動物を引き寄せます。赤花の Penstemon eatonii も含み、乾いた日当たりのよい庭で利用されます。

続きを読む
学名Penstemon
属Penstemon
目Lamiales

イワブクロ属, ペンステモン と Beardtongue

基本情報
毒性
注意 : 人(子どもを含む) · 要確認 : 猫, 犬 と 馬
管理の難易度
中程度
植物タイプ
宿根草 · 屋外植物 · 送粉者を呼ぶ植物 · 野草
葉の性質
落葉
寿命
多年草
自生環境
乾いた花壇、砂利の庭、草地、ロックガーデン、日当たりと排水のよい縁取りや自然風の植栽
季節性
開花期
春夏
生育
休眠
冬季休眠
増やし方
挿し木, 種子, 株分け
気候と水やり
耐寒性
水やり
ごく少量
少なめ
普通
多め
非常に多い
耐乾性
はい
用土
土壌タイプ
水はけのよい土, 砂質土, 岩礫質土
光と置き場所
日照条件

日なた

屋外
日なたのボーダー, ロックガーデン, 草地, 花壇
形態
高さ25–100 cm株張り30–70 cm
葉
緑
花
赤ピンク紫青白
イワブクロ属 (Penstemon):原産地と利用法 — 花 1
イワブクロ属 (Penstemon):原産地と利用法 — 花 2
イワブクロ属 (Penstemon):原産地と利用法 — 花 3
イワブクロ属 (Penstemon):原産地と利用法 — 花 4
イワブクロ属 (Penstemon):原産地と利用法 — 花 5
果実
イワブクロ属 (Penstemon):原産地と利用法 — 果実 1
樹形・草姿
イワブクロ属 (Penstemon):原産地と利用法 — 樹形・草姿 1
イワブクロ属 (Penstemon):原産地と利用法 — 樹形・草姿 2
イワブクロ属 (Penstemon):原産地と利用法 — 樹形・草姿 3
イワブクロ属 (Penstemon):原産地と利用法 — 樹形・草姿 4
イワブクロ属 (Penstemon):原産地と利用法 — 樹形・草姿 5

基本情報

イワブクロ属(Penstemon Schmidel)は、オオバコ科の多年草や亜低木を含む属です。赤い筒状花を咲かせる Penstemon eatonii はその一例ですが、属全体にはさまざまな花色や姿の植物が含まれます。 1 8

POWO、WFO、IPNIはいずれも Penstemon という属名を認めています。庭で育てられるのは赤、桃、青、紫などの花を咲かせる種、交雑種、園芸品種であり、一つの種だけで属全体を説明することはできません。 1 2 3

分布の中心となるのは北アメリカです。筒状の花は花粉を運ぶ動物を引き寄せ、系統によってハチがよく訪れるものと、原産地でハチドリが訪れるものがあります。 4 6

赤い花を庭に取り入れるときには、ペラルゴニウムよりも縦の線が際立ち、乾いた場所に合う表情を見せます。砂利の庭、明るい斜面、日当たりのよい植栽で、野の花のような自然な咲き姿を楽しめます。 8 5

見分け方

葉は対生し、花は筒形で、上唇と下唇に分かれるものが多くあります。英名の Beardtongue は、花の喉に見える仮雄しべに由来し、種によってはそこに毛が生えています。園芸ではペンステモンとも呼ばれます。 4

花色の幅も見分ける際の手掛かりになります。赤花だけでなく、紫、青、桃、白、濃い赤紫の花もあり、一色だけをこの属の特徴と考えないことが大切です。 8 5

株はおおむね直立し、低い位置の葉から高く花茎を伸ばします。乾燥地に育つ種は、花壇用に改良された花数の多い交雑種よりも、控えめな姿になる傾向があります。 4 7

庭で注目したいのは細長い花筒です。乾いた花壇でまっすぐな茎に赤い筒状花が房になって咲く姿は、Penstemon eatonii などに見られる特徴です。 8 6

分類のポイント

分類上の受容名は Penstemon Schmidel です。現在の分類資料ではオオバコ科に置かれますが、以前はゴマノハグサ科に含められたこともあります。 1 4

赤花の代表例である Penstemon eatonii は、赤く細長い筒状花をよく示します。ただし、これはイワブクロ属に含まれる一種であり、属名と種名は区別して扱います。 8 6

売られているペンステモンには、選抜された園芸品種や交雑種も多くあります。それらをすべて一つの種に当てはめることはできず、属名が共通の分類上の目印になります。 5 7

赤いペンステモンも Penstemon 属の植物です。乾いた花壇に合う性質や筒状の花は共通する手掛かりですが、それだけで Penstemon eatonii と断定することはできません。 1 8

栽培

栽培では十分な日照と水はけのよい土を確保します。生育期には元気でも、重く冷たい土が冬に湿り続けると、株が失われることがあります。 5 7

肥沃すぎる土より、やせた土や砂利の多い土が向いています。窒素が多すぎると茎が軟弱になり、株元が長持ちしにくくなります。控えめな施肥が、締まった姿と花つきにつながります。 5

切り戻しの時期と強さは気候に合わせます。冬前に低く刈り込むのは避け、地上部をある程度残して株元を守り、春の芽出しに合わせて整理する方法が一般的です。 5 7

気に入った園芸品種を維持するには挿し木が役立ちます。実生は原種や自然な植栽に向きますが、種子の由来によって結果にばらつきがあります。 7 5

粘土質の庭では、地面より少し高く植えると管理しやすくなります。低い盛り土、表面の砂利、株元周囲の混み合いを減らす工夫で通気性を高めます。活着後に頻繁な水やりを続けるより、植え場所の準備が大切です。 5 7

湿潤な気候では、園芸的に改良されたタイプの寿命が短くなることがあります。その場合は短命な多年草として扱い、挿し木で更新し、弱った株を入れ替えます。乾燥地向きの素朴な種は、庭の乾く場所に配置します。 5

利用法

利用しやすいのは、乾いた花壇に縦の線を添える植栽です。砂利の庭、暖かな縁取り、自然風の庭、広いロックガーデンで、ネペタ、サルビア、ノコギリソウ、イネ科の草と組み合わせられます。 8 5

赤花のタイプは、一年草の赤いサルビアとは異なる軽やかさがあります。水をたっぷり与えるプランターよりも、乾いた庭の景色に自然になじみます。 8

花粉を運ぶ動物にとっても、細い花筒は意味を持ちます。Penstemon eatonii のような赤花の種は、原産地で長いくちばしを持つ鳥の訪花と結びついており、細長い花の形にもその関係が表れています。 6 4

小さな庭なら、一株を孤立させるより、間隔を取って数株を繰り返し植えるとまとまりが出ます。水はけと風通しも確保することで、株元の病気を抑えやすくなります。 5

赤い花の周りには、落ち着いた色を添えるとよいでしょう。灰色の葉、繊細なイネ科の草、青紫の花が強い赤を和らげます。鮮やかな赤ばかりを詰め込むと、花の輪郭が目立ちにくくなります。 8

注意点

毒性は低いとされていますが、一般的な食用植物ではありません。特に子どもや動物が口に入れないようにし、観賞用として扱います。 1

育てるうえで注意したいのは、締まって湿った土です。そのような場所では株が急に失われることがあります。水はけのよい場所なら長持ちしやすく、挿し木での更新もしやすくなります。 5 7

若い芽にはナメクジの食害が見られることがあります。古くなって株元がまばらになった株も観察し、挿し木や小さな株分けで、気に入った系統を維持します。 5

花が少ない原因は、肥料不足とは限りません。日照不足や近隣の植物との競合が原因になることも多く、施肥より先に株元の空間と排水を見直すと改善につながります。 5 7

イワブクロ属という呼び方は、赤花の種だけでなく、多彩な種や交雑種を含む Penstemon 全体を指します。Penstemon eatonii の赤い筒状花を一例として理解すると、属と種の関係が分かりやすくなります。 8 1

主な参考文献

植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。