イワブクロ属 (Penstemon, )
イワブクロ属(Penstemon)は、北アメリカを中心に分布するオオバコ科の多年草や亜低木です。筒状の花が花粉を運ぶ動物を引き寄せます。赤花の Penstemon eatonii も含み、乾いた日当たりのよい庭で利用されます。
続きを読むイワブクロ属, ペンステモン と Beardtongue




© 写真
Daniel · cc0
Andrew Tree · cc-by
Michelle W. (鍾偉瑋) · cc-by
© copyright of the Board of Trustees of the Royal Botanic Gardens, Kew.
基本情報
イワブクロ属(Penstemon Schmidel)は、オオバコ科の多年草や亜低木を含む属です。赤い筒状花を咲かせる Penstemon eatonii はその一例ですが、属全体にはさまざまな花色や姿の植物が含まれます。 1 8
POWO、WFO、IPNIはいずれも Penstemon という属名を認めています。庭で育てられるのは赤、桃、青、紫などの花を咲かせる種、交雑種、園芸品種であり、一つの種だけで属全体を説明することはできません。 1 2 3
分布の中心となるのは北アメリカです。筒状の花は花粉を運ぶ動物を引き寄せ、系統によってハチがよく訪れるものと、原産地でハチドリが訪れるものがあります。 4 6
赤い花を庭に取り入れるときには、ペラルゴニウムよりも縦の線が際立ち、乾いた場所に合う表情を見せます。砂利の庭、明るい斜面、日当たりのよい植栽で、野の花のような自然な咲き姿を楽しめます。 8 5
見分け方
葉は対生し、花は筒形で、上唇と下唇に分かれるものが多くあります。英名の Beardtongue は、花の喉に見える仮雄しべに由来し、種によってはそこに毛が生えています。園芸ではペンステモンとも呼ばれます。 4
花色の幅も見分ける際の手掛かりになります。赤花だけでなく、紫、青、桃、白、濃い赤紫の花もあり、一色だけをこの属の特徴と考えないことが大切です。 8 5
株はおおむね直立し、低い位置の葉から高く花茎を伸ばします。乾燥地に育つ種は、花壇用に改良された花数の多い交雑種よりも、控えめな姿になる傾向があります。 4 7
庭で注目したいのは細長い花筒です。乾いた花壇でまっすぐな茎に赤い筒状花が房になって咲く姿は、Penstemon eatonii などに見られる特徴です。 8 6
分類のポイント
分類上の受容名は Penstemon Schmidel です。現在の分類資料ではオオバコ科に置かれますが、以前はゴマノハグサ科に含められたこともあります。 1 4
赤花の代表例である Penstemon eatonii は、赤く細長い筒状花をよく示します。ただし、これはイワブクロ属に含まれる一種であり、属名と種名は区別して扱います。 8 6
売られているペンステモンには、選抜された園芸品種や交雑種も多くあります。それらをすべて一つの種に当てはめることはできず、属名が共通の分類上の目印になります。 5 7
赤いペンステモンも Penstemon 属の植物です。乾いた花壇に合う性質や筒状の花は共通する手掛かりですが、それだけで Penstemon eatonii と断定することはできません。 1 8
栽培
栽培では十分な日照と水はけのよい土を確保します。生育期には元気でも、重く冷たい土が冬に湿り続けると、株が失われることがあります。 5 7
肥沃すぎる土より、やせた土や砂利の多い土が向いています。窒素が多すぎると茎が軟弱になり、株元が長持ちしにくくなります。控えめな施肥が、締まった姿と花つきにつながります。 5
切り戻しの時期と強さは気候に合わせます。冬前に低く刈り込むのは避け、地上部をある程度残して株元を守り、春の芽出しに合わせて整理する方法が一般的です。 5 7
気に入った園芸品種を維持するには挿し木が役立ちます。実生は原種や自然な植栽に向きますが、種子の由来によって結果にばらつきがあります。 7 5
粘土質の庭では、地面より少し高く植えると管理しやすくなります。低い盛り土、表面の砂利、株元周囲の混み合いを減らす工夫で通気性を高めます。活着後に頻繁な水やりを続けるより、植え場所の準備が大切です。 5 7
湿潤な気候では、園芸的に改良されたタイプの寿命が短くなることがあります。その場合は短命な多年草として扱い、挿し木で更新し、弱った株を入れ替えます。乾燥地向きの素朴な種は、庭の乾く場所に配置します。 5
利用法
利用しやすいのは、乾いた花壇に縦の線を添える植栽です。砂利の庭、暖かな縁取り、自然風の庭、広いロックガーデンで、ネペタ、サルビア、ノコギリソウ、イネ科の草と組み合わせられます。 8 5
赤花のタイプは、一年草の赤いサルビアとは異なる軽やかさがあります。水をたっぷり与えるプランターよりも、乾いた庭の景色に自然になじみます。 8
花粉を運ぶ動物にとっても、細い花筒は意味を持ちます。Penstemon eatonii のような赤花の種は、原産地で長いくちばしを持つ鳥の訪花と結びついており、細長い花の形にもその関係が表れています。 6 4
小さな庭なら、一株を孤立させるより、間隔を取って数株を繰り返し植えるとまとまりが出ます。水はけと風通しも確保することで、株元の病気を抑えやすくなります。 5
赤い花の周りには、落ち着いた色を添えるとよいでしょう。灰色の葉、繊細なイネ科の草、青紫の花が強い赤を和らげます。鮮やかな赤ばかりを詰め込むと、花の輪郭が目立ちにくくなります。 8
注意点
毒性は低いとされていますが、一般的な食用植物ではありません。特に子どもや動物が口に入れないようにし、観賞用として扱います。 1
育てるうえで注意したいのは、締まって湿った土です。そのような場所では株が急に失われることがあります。水はけのよい場所なら長持ちしやすく、挿し木での更新もしやすくなります。 5 7
若い芽にはナメクジの食害が見られることがあります。古くなって株元がまばらになった株も観察し、挿し木や小さな株分けで、気に入った系統を維持します。 5
花が少ない原因は、肥料不足とは限りません。日照不足や近隣の植物との競合が原因になることも多く、施肥より先に株元の空間と排水を見直すと改善につながります。 5 7
イワブクロ属という呼び方は、赤花の種だけでなく、多彩な種や交雑種を含む Penstemon 全体を指します。Penstemon eatonii の赤い筒状花を一例として理解すると、属と種の関係が分かりやすくなります。 8 1
主な参考文献
植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。


