Pilea peperomioides (Pilea peperomioides, Diels 1912)

Pilea peperomioides Diels は、中国の四川省南西部と雲南省西部を原産とするイラクサ科の多年草または亜低木です。長い葉柄の先につくほぼ円形の楯状の葉と、株元から子株を出して分けやすい性質で見分けられます。

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学名Pilea peperomioides
属Pilea
科Urticaceae
目Rosales

ピレア, Chinese money plant, Coin plant, Pancake plant, UFO plant と Missionary plant

基本情報
毒性
犬・猫には無毒とされる。人が食用以外で口にする場合は注意要確認 : 人 と 馬 · 注意 : 子ども · 無毒 : 猫 と 犬
管理の難易度
低い
植物タイプ
草本性 · 亜低木 · 室内植物
葉の性質
常緑
寿命
多年草
原産国
四川省南西部雲南省西部
自生環境
山地林の湿った日陰の岩場。栽培では主に室内の鉢植え
季節性
開花期
春
生育
生活環
多年草
休眠
休眠しない
生育速度
6/10
成熟までの期間
根づいた株では子株が出ることがある
樹冠径
20–50 cm
増やし方
子株分け, 茎挿し
気候と水やり
温度
耐寒性
耐風性
鉢植えでは弱い。冷たいすきま風を避ける
湿度
40–70 %
水やり
ごく少量
少なめ
普通
多め
非常に多い
耐乾性
いいえ
用土
土壌pH
土壌タイプ
室内植物用培養土, 水はけのよい培養土
塩類土壌
耐えられない
光と置き場所
日照条件

葉に直射日光が当たらない、明るい場所に置きます。

光について
明るい間接光
室内
リビング, オフィス, 明るいキッチン
屋外
温室, 風よけのあるパティオ
鉢
底穴のある鉢, 小型コンテナ
形態
高さ20–40 cm株張り20–50 cm
葉
緑
花
白ピンク
樹形・草姿
Pilea peperomioides:原産地と利用法 — 樹形・草姿 1
樹皮
緑茶

世界の分布

POWO と参照した WCVP のデータでは、自生域は中国の四川省南西部と雲南省西部に限られています。Trefle はこの範囲を China South-Central としてまとめ、ベルギーへの導入を記録していますが、フランスでの侵略的外来種としての扱いは公表されていません。

  • 原産2
  • 移入1
  • 四川省南西部
  • 雲南省西部
  • ベルギー

六角形:資料に基づく地域。緑の点:原産分布域。分布状況の出典 POWO(キュー王立植物園).

基本情報

Pilea peperomioides Diels は、イラクサ科ピレア属の受理された種です。1912年に Notes from the Royal Botanic Garden Edinburgh で発表され、POWO では温帯域に分布する多年草または亜低木として扱われています。1

科名を聞いて意外に思う方もいるかもしれません。イラクサ科にはイラクサそのものも含まれますが、Urtica dioica で知られる刺毛はピレアにはありません。ここでいうピレアは、触れても痛くない葉を楽しむ植物です。2 3

呼び名の多くは葉の形から来ています。「Chinese money plant」「coin plant」「pancake plant」「UFO plant」は、どれも長い葉柄の先についたほぼ円形の葉を、小さな硬貨や円盤に見立てたものです。4 5

見分け方

決め手になるのは楯状の葉です。Pilea peperomioides では、葉柄が葉の縁ではなく葉身の裏側の中心近くにつきます。そのため葉は丸く、少し浮いたように見え、付け根のまわりに葉脈の網目がはっきり現れます。4 6

株はコンパクトにまとまります。NC State によれば、栽培下での高さと幅はおよそ20〜30 cm、RHS はこの種を0.1〜0.5 mの範囲に分類しています。成葉は光沢のある濃い緑色で厚みがあり、円形で、室内の鉢植えでは直径10 cm前後になるのが普通です。4 5

茎は直立し、枝分かれしないか、してもわずかです。株が古くなったり光が足りなかったりすると、下のほうの葉が落ちて茎が見えてきます。一方、株元から出る子株は親株のまわりに小さな株をつくり、人に分けやすい植物として広まった理由にもなっています。2 4

網状脈を扱った最近の研究では、Pilea peperomioides がモデルとして用いられました。丸い葉に排水組織と葉脈が閉じた模様をつくって並ぶためです。園芸店で種を確かめるのに必要な知識ではありませんが、ピレアの葉身が植物形態学の分野でも注目されている理由がわかります。7

知っておきたい分類

観葉植物のなかでは、分類はすっきりしているほうです。参照した資料には、Pilea peperomioides について園芸上の込み入ったシノニムは挙げられていません。受理名、属、科、命名者は、POWO/WCVP と Trefle のあいだで一致しています。1

ただし「ピレア」という言葉は、この種だけを指すものではありません。属には数百種が含まれ、Pilea cadierei、Pilea involucrata、Pilea nummulariifolia、Pilea depressa のように、見た目のまったく異なる観葉植物もあります。「Pilea」とだけ書かれたラベルでは、Chinese money plant かどうかは判断できません。2 3

特に気をつけたいのが、「raindrop peperomia」の名で売られることの多い Peperomia polybotrya です。丸葉から心形の葉を長い葉柄につける点は似ていますが、こちらはイラクサ科ではなくコショウ科の植物です。もっとも確かな手がかりは、省略のない学名です。4

生育環境と分布

POWO が示す自生域は狭く、中国の四川省南西部と雲南省西部に限られます。参照した Trefle のデータではこの分布を「China South-Central」とまとめ、導入地としてはベルギーのみを挙げています。侵略的とする扱いは、参照した資料では確認されていません。1

形態学の文献では、標高およそ1,500〜3,000 mの森林で、湿った日陰の岩場や腐植に覆われた岩塊、岩棚に生える種として記載されています。単に「熱帯植物」とくくるより、この生態のほうが鉢での育て方をよく説明してくれます。葉焼けしない程度の明るさ、水はけ、そして過湿ではない安定した湿り気を好むということです。6 5

観葉植物として広く出回っていることと、自然分布が広いことは別の話です。ピレアは今では流通や挿し穂の交換を通じてヨーロッパをはじめ各地に広まっていますが、こうした園芸上の広がりと、中国に限られた本来の分布域とは分けて考える必要があります。2 1

生活環・開花・繁殖

室内で目にする生長は、ほとんどが栄養生長です。多肉質の茎に次々と葉を出し、やがて株元や脇から子株が生まれます。子株は十分な組織と根ができれば切り分けられます。Penn State と NC State は、子株と茎挿しを実用的な殖やし方として挙げています。2 4

花も咲きますが、この植物の見どころではありません。NC State は、穂状に白からピンクがかった小さな花がつき、室内ではめったに咲かないと記しています。Penn State も、家庭で育てるピレアの花は小さく、咲く機会も少ないと述べています。種を見分けるには、花を待つより楯状の葉を見るほうが確実です。4 2

栽培下では、若い子株ははじめ低い姿のまま育ち、やがて小さな株立ちになります。古い株で茎の下部が裸になっていても、病気とは限りません。株の年齢や光の向き、暗すぎる環境が原因になっていることもあります。4 5

利用と注意点

用途は観賞です。卓上の鉢、オフィスの植物、明るい棚、室内の寄せ植えなどに向きます。参照した資料からは食用や薬用は確認できず、Trefle のデータでも食用の植物としては登録されていません。5 耐寒性の目安はUSDAゾーン9〜11で、関東などでは冬の屋外は厳しいため、日本では室内の鉢植えとして育てるのが基本になります。

毒性については、慎重に考える必要があります。NC State は Pilea peperomioides をペットや子どもにとって安全な植物とし、既存のデータでも猫と犬は安全とされていました。一方、参照した ASPCA のファイルには Pilea peperomioides 本種の項目がありません。食べてよい植物という意味ではなく、馬については不明のままです。4

実際のトラブルの多くは栽培上のものです。鉢皿に水がたまったままだと根腐れを起こし、空気がよどんだところで葉が濡れると斑点が出ます。光が足りなければ、茎は間延びして軟弱になります。種そのものが変わるわけではありませんが、株の姿は大きく崩れます。4 5 梅雨から夏にかけて蒸し暑くなる日本では、水はけと風通しにとりわけ気を配りたいところです。

流通名・園芸品種・混同しやすい種

参照した資料からは、確かな園芸品種の一覧をまとめることはできません。資料によく出てくる「Chinese money plant」「missionary plant」「pancake plant」「UFO plant」といった名前は、植物学上の変種ではなく、流通名や形にちなんだ愛称として扱っています。4 5

購入や交換の前に確かめたい点はシンプルです。丸い楯状の葉、多肉質の茎、子株あるいは茎の組織がついた挿し穂、そして Pilea peperomioides という正式な学名です。葉だけでもしばらくは飾って楽しめますが、確実に殖やすには、根と新芽を出せる子株か茎の一部が欠かせません。2 4

よく混同される植物は次のとおりです。

  • Peperomia polybotrya:葉は丸いが、科が異なる(コショウ科)
  • Pilea cadierei:細長い葉に銀色の模様が入る
  • Pilea involucrata:葉に凹凸があり、銅色を帯びることが多い
  • Hydrocotyle などの楯状葉をもつ植物:観葉のピレアとして売られることはまれ

まとめると、このピレアは次の特徴の組み合わせで見分けられます。刺毛のないイラクサ科の植物で、中国の限られた地域が原産、円形の楯状葉をもつ小型種であり、子株で殖やしやすく、葉を楽しむ観葉植物として扱われています。1 3

主な参考文献

よくある質問

ピレアはペペロミアの仲間ですか?

いいえ。Pilea peperomioides はイラクサ科に属し、ペペロミアはコショウ科の植物です。Peperomia polybotrya など、丸い葉をもつ一部の種と見た目が似ているために混同されます。

なぜ Chinese money plant と呼ばれるのですか?

丸くて緑色の楯状の葉を硬貨に見立てた呼び名です。儀礼や金運にかかわる特別な用途があったことを示すものではありません。

ピレアは猫にとって有毒ですか?

NC State の情報とこれまでのデータにもとづき、猫と犬については安全と分類されています。ただし ASPCA に本種の個別の項目がないため、大量に食べた場合は注意が必要です。

ピレアが株元から子株を出すのはなぜですか?

株元から出る子株は、栽培下でよく見られるこの種の性質です。十分な組織と根ができてから切り分ければ、新しい株として育ちます。

室内でも花は咲きますか?

穂状に白からピンクがかった小さな花をつけることはありますが、園芸関係の資料によれば、室内の鉢植えで咲くことはまれです。

ピレアは侵略的な外来種とされていますか?

参照した資料には、侵略的とする根拠は見当たりません。室内で栽培される植物として扱われています。

似ている植物

植物学上の情報は、RHS、Kew Gardens、POWOなどの信頼できる資料を基にまとめています。本ページは参考情報です。毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。