ミヤマシキミ (Skimmia japonica, )
ミヤマシキミ(Skimmia japonica)は、東アジア原産のミカン科の常緑低木です。雌雄異株で、雄花と雌花は別々の株につきます。近くの雄株の花粉で受精した雌株だけが、冬を通して残る赤い実をつけます。日陰の花壇や酸性用土の鉢植えで親しまれています。
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Taken Apr 18, 2021 by Klaus Schmeer (cc-by-sa)
Taken Mar 2, 2020 by Thierry LE COM (cc-by-sa)
Taken May 2, 2020 by Laurent FABRIZY (cc-by-sa)
Taken Feb 4, 2015 by Tela Botanica − Ingrid Archen (cc-by-sa)
Taken Nov 9, 2022 by Jean Marie Munck (cc-by-sa)
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世界の分布
Skimmia japonicaの原産地は東アジアで、日本、台湾から中国、ベトナム、フィリピン、ロシア極東まで広がります。観賞用低木として広く栽培されますが、主に温帯の庭で育てる植物で、フランスでは侵略的とされていません。
基本情報
ミヤマシキミ(Skimmia japonica Thunb., 1783)は、柑橘類と同じミカン科に属する常緑低木です。属名Skimmiaは日本語のミヤマシキミに由来し、種小名japonicaは、東アジアの自生域の中心にある日本を示します。 1 4
温帯の庭では、濃緑の葉、冬の色鮮やかな花芽、長く残る 赤い実 が親しまれ、酸性用土で育てられます。特徴的なのは 雌雄異株 という性質です。雄花と雌花が別々の株につき、受精した雌株だけが実をつけます。 2 6
見分け方
ゆっくり成長し、高さ 約1–2 m、幅も同程度の 丸くコンパクトな茂み になります。革質の葉は表が光沢のある濃緑色で、裏は淡い色です。葉を揉むと芳香が立ちます。 3 6
秋から目立つ花芽がつき、冬の間もよく見えます。雄品種では暗赤色になることが多く、春には枝先の円錐花序に クリーム白色 の小さな香る花が開きます。雄花は雌花よりやや大きく、香りも強くなります。 2 6
結実の有無は、株を見分ける分かりやすい手がかりです。直径 約1 cm の 鮮紅色の実 が密な房となり、秋に熟して翌春まで残ることもよくあります。実をつけるのは受粉した 雌株 だけで、実のない雄株とはすぐに区別できます。 3 4
分類のポイント
Carl Peter Thunbergが 1783年 にSkimmia japonica Thunb.として記載しました。変異に富む種で、園芸文献には変種や近縁種の名が複数残っています。知っておきたい主な名は次のとおりです。
- Skimmia japonica var. intermedia Komatsu(変種名)
- Skimmia japonica var. repens (Nakai) Ohwi(変種名)
- Skimmia fortunei Mast.(関連する学名)
- Skimmia oblata T.Moore ex Carrière(関連する学名)
同定の基準となる受容名はSkimmia japonicaです。Rubella やFragransという流通名は選抜された園芸品種を指し、別の種や植物分類上の変種ではありません。また、しばしば両性花をつけ、1株で結実する別種Skimmia reevesianaとの混同にも注意が必要です。 1 7
生息地と分布
東アジアの温帯林が原産で、日本、台湾から中国、ベトナム、フィリピン、ロシア極東まで分布します。湿り気のある日陰の林床 で、酸性かつ腐植に富む土に生え、標高の高い場所にもみられます。 1 4
林床に生える性質は、庭で好む条件にも表れます。半日陰 から日陰で、乾ききらない酸性から中性の土を必要とします。特に午後の強い日差しは葉の黄化や葉焼けを招き、石灰質の土では顕著なクロロシスが生じます。 3 6
ヨーロッパでは観賞用に広く植えられ、酸性土の花壇や、風を避けたテラスの鉢植えで定番となっています。ヨーロッパのこうした気候下では主に 栽培植物 であり、フランスでは侵略的な種とはされていません。 2 8
生活環と繁殖
生活環を理解するうえで中心となるのが 雌雄異株 という性質です。雄花と雌花は異なる株につき、自家結実はしません。実を得るには、雌株の近くに少なくとも1株の雄株が必要です。実際には Rubella などの雄株1株が、同じ花壇の複数の雌株に花粉を供給できます。 6 4
花は春、地域によっては4月に開きます。芳香のある花に昆虫が集まり、受粉を担います。受精した雌株は秋に 赤い実 を発達させ、その実は冬のかなりの期間残ります。 3 2
栽培では主に夏の終わりに、半木質化した枝の挿し木 で増やします。湿度を保ち、底面を加温すると6–10週間で発根します。熟した実からの 種まき も可能ですが成長は遅く、雌雄の判別まで数年を要するため、主に選抜向きです。 5 6
利用と注意点
ミヤマシキミの主な用途は 観賞 です。常緑の葉と芳香に加え、冬には花芽と実が彩りとなります。酸性土の日陰の花壇で骨格を作り、ツツジ類やツバキ類に合わせられます。強い日差しを避けたテラスでは鉢でも育てられます。 2 3
安全面では、全草に アルカロイド の スキミアニン が含まれ、赤い実には特に多く含まれます。摂取すると吐き気や消化器症状を起こすことがあり、大量では危険性がはっきり増すとされています。果実は 幼児 や ペット の手が届かない所に置き、剪定後は手を洗うと安心です。 5 6
品種・類似種・近縁種
園芸店の名前は、それぞれ別の種ではなく、雌雄や観賞上の特徴で選ばれた 園芸品種 を示します。Rubella と Fragrans は、色づく花芽や芳香のある花を楽しむ雄品種で、花粉親にもなります。Nymans と Veitchii は、赤い実を豊富につける雌品種です。購入時には雌雄を確認し、雌株には雄株を組み合わせるとよいでしょう。 2
特に混同されやすいのは、次の植物です。
- Skimmia reevesianaは、しばしば両性花をつけ、相手を必要とせず1株で結実する種です。
- Skimmia × confusaは近縁の園芸交雑種で、一部の雄クローンは花粉親にも使われます。
- Skimmia japonica subsp. reevesianaという名も流通上みられますが、その位置づけには議論があります。
香りのある常緑の葉、冬に色づく花芽、そして結実には雄株が必要なことが、Skimmia japonicaを見分ける最も確かな手がかりです。 1 6
主な参考文献
- Plants of the World Online / Kew, Skimmia japonica Thunb.
- Royal Horticultural Society, Skimmia japonica
- Missouri Botanical Garden, Skimmia japonica
- Encyclopaedia Britannica, Japanese skimmia
- Plants For A Future, Skimmia japonica
- North Carolina State Extension, Skimmia japonica
- International Plant Names Index, Skimmia japonica Thunb.
- USDA PLANTS Database, Skimmia japonica Thunb.
よくある質問
ミヤマシキミには毒がありますか?
全草にスキミアニンというアルカロイドが含まれ、特に赤い実に多く含まれます。食べると吐き気や消化器症状を起こすことがあるため、幼児やペットの手が届かない場所に実を置くと安心です。
ミヤマシキミに実がつかないのはなぜですか?
雌雄異株のため、近くの雄株の花粉で受精した雌株だけが実をつけます。Rubellaなどの雄品種1株で、近くに植えた複数の雌株に受粉できます。
ミヤマシキミはどんな日当たりを好みますか?
明るい林床や北側の植え込みなど、半日陰から日陰が適しています。直射日光は葉焼けや見た目を損なう黄化を招きます。
石灰質の土でも育ちますか?
いいえ。腐植に富む酸性から中性の土を必要とします。石灰質の土ではクロロシスを起こしますが、鉢植えなら酸性用土を使うことで対処しやすくなります。
ミヤマシキミは寒さに強いですか?
約−15 °Cまで耐え、一年中葉を保ちます。温帯の庭で育てる低木で、冬の彩りにも魅力があります。
成長するとどのくらいの大きさになりますか?
高さ約1–2 m、幅も同程度の丸い茂みになります。成長が遅く、大きさを管理しやすい低木です。
似ている植物
植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。



