オトメギキョウ (Campanula portenschlagiana, Schult. 1819)

オトメギキョウ(Campanula portenschlagiana Schult.)は、バルカン半島北西部原産のキキョウ科の小型多年草です。地面を覆う草本または低い亜低木として育ち、常緑から半常緑のクッション状の株を作ります。石垣やロックガーデン、水はけのよい鉢で、青紫の鐘形花を咲かせます。

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学名Campanula portenschlagiana
属Campanula
目Asterales

オトメギキョウ, ベルフラワー, カンパニュラ・ポルテンシュラギアナ, Wall bellflower, Dalmatian bellflower と Adria bellflower

基本情報
毒性
注意 : 人(子どもを含む) · 無毒 : 猫 と 犬 · 要確認 : 馬
管理の難易度
低い
植物タイプ
葉の性質
常緑
寿命
多年草
原産国
クロアチアボスニア・ヘルツェゴビナ
自生環境
ロックガーデン、石垣の隙間、排水のよい舗装、石の多い斜面、乾きやすい花壇の縁。十分な排水が必要です。
環境への効果
花にハナバチや小型の送粉昆虫が訪れます。大きな根域を必要とせず、石の間を覆います。
季節性
開花期
春夏
生育
休眠
冬季休眠
生育速度
6/10
成熟までの期間
排水がよければ1〜2シーズンで密なクッション状になります。
増やし方
株分け, 茎挿し, 種子
気候と水やり
温度
耐寒性
耐風性
中程度。吊り鉢は乾いた風から守ります。
湿度
35–65 %
水やり
ごく少量
少なめ
普通
多め
非常に多い
耐乾性
はい
用土
土壌pH
土壌タイプ
水はけのよい土, 岩礫質土, やせ地, 砂質土
塩類土壌
耐えられない
光と置き場所
日照条件

日なた

一日を通して強い直射日光が当たる場所に置きます。

日なたから明るい半日陰。数時間の直射日光で花つきがよくなります。
屋外
ロックガーデン, 庭の壁面, 壁際のボーダー, コンテナガーデン
鉢
底穴のある鉢, テラコッタ鉢, 浅型コンテナ
形態
高さ8–15 cm株張り35–60 cm
葉
緑
オトメギキョウ (Campanula portenschlagiana):原産地と利用法 — 葉 1
オトメギキョウ (Campanula portenschlagiana):原産地と利用法 — 葉 2
オトメギキョウ (Campanula portenschlagiana):原産地と利用法 — 葉 3
オトメギキョウ (Campanula portenschlagiana):原産地と利用法 — 葉 4
オトメギキョウ (Campanula portenschlagiana):原産地と利用法 — 葉 5
花
青紫大きさ1.5–2.5 cm
オトメギキョウ (Campanula portenschlagiana):原産地と利用法 — 花 1
オトメギキョウ (Campanula portenschlagiana):原産地と利用法 — 花 2
オトメギキョウ (Campanula portenschlagiana):原産地と利用法 — 花 3
オトメギキョウ (Campanula portenschlagiana):原産地と利用法 — 花 4
オトメギキョウ (Campanula portenschlagiana):原産地と利用法 — 花 5
果実
オトメギキョウ (Campanula portenschlagiana):原産地と利用法 — 果実 1
樹形・草姿
オトメギキョウ (Campanula portenschlagiana):原産地と利用法 — 樹形・草姿 1
オトメギキョウ (Campanula portenschlagiana):原産地と利用法 — 樹形・草姿 2
オトメギキョウ (Campanula portenschlagiana):原産地と利用法 — 樹形・草姿 3
オトメギキョウ (Campanula portenschlagiana):原産地と利用法 — 樹形・草姿 4
オトメギキョウ (Campanula portenschlagiana):原産地と利用法 — 樹形・草姿 5
樹皮
オトメギキョウ (Campanula portenschlagiana):原産地と利用法 — 樹皮 1
オトメギキョウ (Campanula portenschlagiana):原産地と利用法 — 樹皮 2

世界の分布

POWOが確認する自生域はバルカン半島北西部のクロアチアからヘルツェゴビナです。フランスを含むヨーロッパ諸国に導入され、主に庭や石垣の植物として育てられています。

  • 原産2
  • 移入4
  • クロアチア
  • ボスニア・ヘルツェゴビナ
  • フランス本土
  • グレートブリテン島
  • イタリア
  • スペイン

六角形:植物が見られる地域。緑の点:原産分布域。1

基本情報

オトメギキョウ(Campanula portenschlagiana Schult.)は、ホタルブクロ属、キキョウ科の受容種です。POWOは自生域をバルカン半島北西部のクロアチアからヘルツェゴビナとし、IPNIはRoemerとSchultesの体系書における1819年の発表を記録しています。 1 3

石垣の水はけのよい隙間に根づく小型の被覆植物であることから、フランス語では「壁のカンパニュラ」に当たる名で呼ばれます。英名のWall bellflowerも同じ性質を表し、Dalmatian bellflowerはバルカンの原産地に結びつく名です。 5 4

古い園芸ラベルやカタログには、異名のCampanula muralisも残っています。この名の植物を別の種と考える必要はなく、受容名のCampanula portenschlagianaに対応します。 1 2

見分け方

高さよりも横幅が大きい低いクッション状の株を作り、丸い葉から心形の葉を多数つけます。英語版Wikipediaは草丈約10 cm、好条件では幅50 cm以上になると説明しています。石垣や石鉢の縁からこぼれるように広がっても、背は高くなりません。 5 4

晩春から夏に、青から紫の開いた鐘形花を密につけます。色だけでなく、低いマット状の姿、丸い葉、石や砂利の多い用土でのまとまった開花を併せて見ると、花壇で直立するカンパニュラ類と区別できます。 5 8

ロックガーデン向けの近縁種Campanula poscharskyanaと混同されることがあります。こちらはより這い広がり、花の輪郭が星形に近い傾向があります。青や紫の花という共通点があっても、Campanula portenschlagianaという学名で種を確かめることが大切です。 7 5

生息地と分布

クロアチアからヘルツェゴビナの自生植物としてPOWOに記録され、フランス、イタリア、スペイン、グレートブリテン島、アイルランドなどには導入されています。原産はバルカン半島ですが、温帯の庭では広く親しまれる植物です。 1 2

庭では、自然の石の多い環境に似たロックガーデン、石垣の割れ目、舗装の縁、石鉢、乾きやすい斜面が適します。ただし、砂漠のような極端な乾燥地向けではありません。株元に空気が通り、雨の後に余分な水が抜ける用土を好みます。 5 4

肥沃な土が常によいとは限りません。肥料分が多いと葉が茂り、水が残って株が軟弱になります。やせた砂利質や砂質の土の方が、まとまり、花つき、寿命のバランスがよくなる場合があります。 5

プランターでも、底穴のある浅い容器に鉱物質の多い用土を使い、水を控えめにする考え方が基本です。根づく時期に砂漠の植物のように乾かし切るのではなく、雨の後に根の周りへ空気が戻るようにします。古い石垣で育つ株が重い花壇の土で傷むのは、この違いによります。 4 5

ロックガーデンと石垣での栽培

栽培を左右するのは光と排水です。日なたで最も花つきがよくなりますが、明るい半日陰でも育ちます。暑い気候や日を強く受ける小鉢では、特にこの条件が役立ちます。 5 4

植え付け時は根が定着するだけの水を与え、その後は用土の余分な水が抜けるのを待ちます。石や砂利の多い地面では、冬の過湿より短期間の乾燥に耐えます。鉢は土の量が少ないため、暑い時期にこまめな確認が必要です。 5

開花後の軽い切り戻しで株を密に保てます。強い乾燥ストレスの最中に刈り込むのではなく、花がらや広がり過ぎた茎を除きます。春または初秋の株分けは、古い株の更新にもなります。 4

水はけがよければ耐寒性は高く、英語版WikipediaにはUSDAゾーン3まで耐えるとあります。実際の冬の損傷では、乾いた寒さそのものより、水を含んだ小さな容器が問題になりがちです。 5

混同しやすい種と名前

ホタルブクロ属には多様な種があり、「カンパニュラ」は一年草、二年草、直立する多年草、高山性のもの、地面を覆うものなどを指します。複数のカンパニュラ類を比べる際には、記された学名に沿ってそれぞれの種を区別します。 2 7

切り花向けの背の高いカンパニュラとは異なり、オトメギキョウは石の多い場所の縁取りに向いています。石垣の硬い印象を和らげ、石鉢の縁を覆い、低い鉢から垂れたり、ロックガーデンの手前を彩ったりします。 5 4

旧名Campanula muralisは古いラベルを読み解く助けになりますが、受容名に置き換わるものではありません。POWOとWFOはいずれも、Campanula portenschlagianaの異名として扱っています。 1 2

安全性と利用

オトメギキョウは観賞用に栽培され、食用植物ではありません。通常の栽培情報では、有毒な球根類や青酸配糖体を含むつる植物と同じ水準の警戒対象とはされませんが、子どもや動物が食べるのは避けます。 4 5

庭で起こりやすい問題は、株元の過湿、締まった用土、底穴のない鉢、茎に湿気をためるマルチングです。株の中心が黄変した場合は、栄養不足を考える前に排水を確認します。 5

学名Campanula portenschlagianaが示すのは、この特定の種です。ホタルブクロ属全体や、別の石垣向けカンパニュラを同じものとして扱わず、命名情報と受容名を手がかりに区別できます。 1 3

主な参考文献

よくある質問

Campanula muralisと同じ植物ですか?

POWOはCampanula muralisをCampanula portenschlagianaの異名としています。古い園芸ラベルにはこの名もありますが、受容名はCampanula portenschlagianaです。

日陰でも育ちますか?

明るい半日陰には耐えますが、日が当たる方がよく咲きます。暗い日陰では茎が軟弱になり、花が少なくなりがちです。

石垣に植えられますか?

隙間に少量の排水のよい用土があれば植えられます。いつも水浸しの壁面や、水分をまったく保てない隙間は避けます。

水やりはたくさん必要ですか?

多くは必要ありません。植え付け直後や暑い時期の鉢栽培では水やりが役立ちますが、その後は土の余分な水が抜けるようにします。

フランスでは侵略的な植物ですか?

適した庭では横に広がりますが、フランス本土で侵略的外来植物として扱われているわけではありません。

Campanula poscharskyanaとの違いは何ですか?

Campanula poscharskyanaはより這うように広がり、花は星形に近い傾向があります。オトメギキョウは石垣などで低いクッション状に育ち、青紫の鐘形花をつけます。

似ている植物

植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。