ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum, (DC.) Haw. 1829)

ゲッカビジン(Epiphyllum oxypetalum)は、メキシコ中部からニカラグアにかけて原産するサボテン科の着生植物です。平たい茎を伸ばし、一季に一晩から数晩、大きく香りの強い白花を咲かせます。花は夕暮れに開き、翌朝の日の出前にはしぼみます。

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学名Epiphyllum oxypetalum
属Epiphyllum
目Caryophyllales

ゲッカビジン と Queen of the night

基本情報
毒性
注意 : 人(子どもを含む) · 要確認 : 猫, 犬, 馬 と 動物
管理の難易度
中程度
植物タイプ
多肉植物 · 着生性
葉の性質
常緑
寿命
多年草
原産国
メキシコグアテマラベリーズホンジュラスニカラグア
自生環境
乾季のはっきりした熱帯林。樹幹に着生し、日陰の岩壁にも生育します
季節性
開花期
春夏
生育
休眠
冬季休眠
生育速度
5/10
成熟までの期間
開花するまで平均3~5年
増やし方
挿し木, 種子
気候と水やり
温度
耐寒性
耐風性
弱い。茎が折れやすいため風を避けます
湿度
50–70 %
水やり
ごく少量
少なめ
普通
多め
非常に多い
耐乾性
はい
用土
土壌pH
土壌タイプ
サボテン用土, 水はけのよい着生植物用土
塩類土壌
耐えられない
光と置き場所
日照条件

葉に直射日光が当たらない、明るい場所に置きます。

明るい間接光。午後の直射日光は避けます
室内
リビング, 明るい窓台
窓からの距離
直射日光の当たらない明るい窓から20~30 cm
屋外
サンルーム, 日陰のパティオ
鉢
テラコッタ鉢, 吊り鉢
形態
高さ100–300 cm株張り50–150 cm
葉
緑
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 葉 1
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 葉 2
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 葉 3
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 葉 4
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 葉 5
花
白クリーム大きさ20–30 cm
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 花 1
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 花 2
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 花 3
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 花 4
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 花 5
果実
赤紫
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 果実 1
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 果実 2
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 果実 3
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 果実 4
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 果実 5
樹形・草姿
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 樹形・草姿 1
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 樹形・草姿 2
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 樹形・草姿 3
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 樹形・草姿 4
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 樹形・草姿 5
樹皮
緑
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 樹皮 1
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 樹皮 2
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 樹皮 3
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 樹皮 4
ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum):原産地と利用法 — 樹皮 5

世界の分布

メキシコ中部からニカラグアにかけて、乾季のはっきりした熱帯林に自生します。原産地以外でも広く栽培され、とくに東アジアでは、一夜の開花を人々が集まって観賞する習慣があります。

  • 原産5
  • 移入1
  • メキシコ
  • グアテマラ
  • ベリーズ
  • ホンジュラス
  • ニカラグア
  • ハワイ

六角形:植物が見られる地域。緑の点:原産分布域。1

基本情報

ゲッカビジン (Epiphyllum oxypetalum (DC.) Haw., 1829)は、サボテン科の着生サボテンです。英語では Queen of the night とも呼ばれます。種小名のoxypetalumは「先のとがった花弁」を意味し、花被片の細くとがる先端を表しています。 1 7

砂漠のサボテンとは生育環境が異なり、熱帯林の樹幹や岩壁に根を張り、地面に長く根づくことなく育ちます。この着生する性質から、岩場のサボテンに向く強い直射日光や無機質だけの用土は適しません。 5 4

見分け方

葉のように見える部分は、肉厚で縁が波打つ 平たい茎 です。本当の葉はなく、この茎が葉の役割を担います。縁には浅い切れ込みが入ることもあり、節の周囲から伸びる細い気根で支持物につかまります。 5 7

大輪の構造も特徴的です。花筒は 20 cm を超えることがあり、内側の花被片は白く、外側は赤褐色を帯びます。開花時の直径は 30 cm に達し、夕暮れから室内や庭に強い香りを広げ、日の出前にはしぼみます。 7 4

花が咲かなくても、必ずしも病気ではありません。開花にはまず株の成熟が必要で、多くは 3~5年 を要します。水やりの回数だけを増やすより、十分な明るさを確保することが重要です。 5

分類のポイント

分類上の受容名はEpiphyllum oxypetalumです。サボテン科のEpiphyllum属 Haw., 1812に含まれます。園芸流通では、次の基礎異名や異名を見かけることがあります。

  • Cereus oxypetalus DC.:1828年発表の基礎異名
  • Phyllocactus oxypetalus (DC.) Link
  • Epiphyllum acuminatum K.Schum.
  • Epiphyllum latifrons (Zucc.) Pfeiff.
  • Phyllocactus grandis Lem.
1 2 3

一般名が似ていても、 学名全体 を見れば種類を区別できます。フランス語のreine de la nuitやbelle de nuitは、地域によって別属の夜咲き着生サボテン、Selenicereus grandiflorusも指すためです。 8

IUCNの評価は 低懸念(LC) です。広い範囲に分布して栽培も盛んで、自生域では確認された脅威がありません。 6

生息地と分布

野生のゲッカビジンが分布するのは、 メキシコ中部からニカラグア までです。乾季のはっきりした熱帯林で、樹幹に着生したり、日陰の岩壁に根を張ったりして育ちます。 1 5

栽培によって原産地の外へ広まり、とくに東アジアで親しまれています。台湾や中国では曇花(tan hua)の名で知られ、一夜の開花を人々が集まって待ち、観賞する習慣があります。こうした楽しみ方は現代の大衆文化にも見られます。 7

温帯では鉢植えや吊り鉢で育てられます。室内は自生地の低い林冠とは異なりますが、軽い日陰と空気の流れを確保するという基本は同じです。 4

生活環と繁殖

一季の開花は一晩から数晩に集中し、一般に晩春から晩夏に見られます。一つの花は夕暮れに開き、翌朝の夜明け前にはしおれるため、観賞できる時間は短く限られます。 7 4

受粉すると、角張った細長い赤紫色の果実ができ、長さ 12 cm 、幅 8 cm ほどになることがあります。果実は食べられますが、家庭栽培で収穫する機会は少なく、1株が年につける数もわずかです。 7

増殖には主に 茎挿し を用います。切り取った茎を数日乾かしてから植えると、腐敗を抑えられます。種から育てる方法もありますが、生育は遅く、実生株を得るには時間がかかります。 4 5

つぼみが育っている間に鉢を移動したり、水分の過不足で負担をかけたりすると、開く前に落ちることがあります。水やりを安定させるだけでなく、置き場所を変えないことも大切です。 5

利用と注意点

ゲッカビジンを育てる主な目的は、夜に開く花と濃い香りを楽しむことです。鉢植えや吊り鉢のほか、日陰の壁際で支柱に沿わせて観賞します。 4

インド、ベトナム、マレーシアなどアジアの伝統医療では、花や茎を呼吸器の不調、出血、炎症に対する調製物に用いる例があります。これらは伝統的な利用であり、医療機関への相談に代わるものではありません。 7

この属では 有毒成分 は確認されておらず、猫・犬・馬に有毒な植物の主要な一覧にも掲載されていません。ただし、茎を繰り返しかむことは避け、とくに小さな子どもには注意が必要です。 5

剪定は毎年必ず行う作業ではありません。傷んだ茎を除いたり、支持物に対して重くなりすぎた株を軽くしたりする際に行います。清潔で消毒した道具を使うことで、株の間の病気の広がりを抑えられます。 4

品種・類似種・近縁種

「夜の女王」に相当する一般名は、複数のサボテンに使われています。代表例のSelenicereus grandiflorusは別属で、茎は平たくなく角張っています。同じ夜咲きでも別種なので、購入時にはラベルの学名を確認します。 8

同属の近縁種にも似た平たい茎がありますが、花被片や茎の縁に違いが見られます。

  • Epiphyllum crenatumは花被片がより黄色みを帯び、葉状茎の縁が丸みを帯びます。
  • Epiphyllum anguligerは茎に深いのこぎり状の切れ込みがあります。
  • 「エピカクタス」として販売される園芸交配種は、Epiphyllum属の複数種を交配したものが多く、原種にはないピンク、赤、オレンジの花を咲かせます。
1

原種のEpiphyllum oxypetalumを選ぶときは、 学名全体 、平たく波打つ茎、表示された花被片の色を確認します。三角柱状の角張った茎ではないことも、交配種や別属と区別する手がかりになります。 5

主な参考文献

よくある質問

ゲッカビジンは本当にサボテンですか?

はい、サボテン科の植物です。ただし砂漠ではなく熱帯林で樹木などに着生するサボテンで、岩場のサボテンに適した強い日差しや無機質だけの用土は苦手です。

ゲッカビジンが咲かないのはなぜですか?

主に株の年齢と明るさが関係します。開花までには3~5年ほどかかることが多く、十分な明るい間接光も必要です。若い株や暗い場所の株は、健康でもつぼみをつけないことがあります。

ゲッカビジンの花はどのくらい咲いていますか?

一晩だけです。夕暮れに開いて数時間強く香り、翌朝の日の出前にはしぼみます。

ゲッカビジンは猫や犬に有毒ですか?

この属のサボテンでは有毒成分は確認されていません。ただし、茎を繰り返しかませないようにし、とくに小さな子どもには注意してください。

夜咲きのSelenicereus grandiflorusとは何が違いますか?

どちらも夜咲きの着生サボテンですが、属が異なります。Selenicereus grandiflorusには角張った稜のある茎があり、ゲッカビジンの茎は平たく縁が波打ちます。

ゲッカビジンはどうやって増やしますか?

茎を切り取って数日乾かしてから挿す方法が、最も速く確実です。種まきでも増やせますが、最初の開花までにはさらに時間がかかります。

つぼみが開く前に落ちるのはなぜですか?

つぼみの形成中に鉢を動かしたり、水分の過不足が起きたりすることが主な原因です。適切な水やりに加え、置き場所を安定させることも大切です。

似ている植物

植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。