ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera, Royle 1835)

ロイルツリフネソウ(Impatiens glandulifera Royle, 1835)は西ヒマラヤ原産のツリフネソウ科の一年草です。19世紀に観賞用としてヨーロッパに導入されました。EUでは懸念される侵略的外来種に指定され、植栽、販売、意図的な拡散が禁止されています。識別、生態的影響、防除方法の理解が大切です。

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学名Impatiens glandulifera
属Impatiens
目Ericales

ロイルツリフネソウ, Himalayan balsam, Indian balsam と Policeman's helmet

基本情報
毒性
注意 : 人(子どもを含む) · 無毒 : 猫 と 犬 · 要確認 : 馬
管理の難易度
高い
植物タイプ
一年生草本 · 侵略的雑草
葉の性質
落葉
寿命
一年草
原産国
インドネパールパキスタン
自生環境
川岸、湿った溝、川沿いの林縁、窒素分の多い土壌
季節性
開花期
夏秋
生育
休眠
冬季休眠
生育速度
10/10
成熟までの期間
欧州では7〜10月に開花、開花から約12週間後に蒴果が成熟
増やし方
種子
気候と水やり
耐えられる温度
耐風性
中空で折れやすい茎で、強風への抵抗は低い
水やり
ごく少量
少なめ
普通
多め
非常に多い
耐乾性
いいえ
用土
土壌pH
土壌タイプ
肥沃な土, 湿潤土
塩類土壌
耐えられない
光と置き場所
日照条件

間接光の当たる場所か、日陰になる部屋に置きます。

半日陰から明るい日陰、土が常に湿っていれば強めの日差しにも耐える
屋外
小川の岸, 水路脇, 湿性草地
形態
高さ100–250 cm株張り30–60 cm
葉
緑
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 葉 1
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 葉 2
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 葉 3
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 葉 4
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 葉 5
花
ピンク紫白大きさ3–4 cm
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 花 1
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 花 2
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 花 3
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 花 4
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 花 5
果実
緑
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 果実 1
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 果実 2
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 果実 3
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 果実 4
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 果実 5
樹形・草姿
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 樹形・草姿 1
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 樹形・草姿 2
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 樹形・草姿 3
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 樹形・草姿 4
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 樹形・草姿 5
樹皮
緑赤
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 樹皮 1
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 樹皮 2
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 樹皮 3
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 樹皮 4
ロイルツリフネソウ (Impatiens glandulifera):原産地と利用法 — 樹皮 5

世界の分布

POWOとGISDは、西ヒマラヤのインド、ネパール、パキスタンの標高2,000〜2,500 mを自生域としています。1839年に観賞用として英国へ導入され、1855年には帰化し、その後ヨーロッパの大部分、北アメリカ、ニュージーランドへ広がりました。

  • 原産3
  • 移入3
  • 侵略的4
  • インド
  • ネパール
  • パキスタン
  • カナダ
  • 米国
  • ニュージーランド
  • 英国
  • フランス本土
  • ドイツ
  • ポーランド

六角形:植物が見られる地域。緑の点:原産分布域。1

基本情報

ロイルツリフネソウ(Impatiens glandulifera Royle, 1835)は、ヨーロッパで最も背が高い一年草で、一季に2.5 mまで伸びます。EUでは2017年から植栽が禁止されています。ツリフネソウ科ツリフネソウ属に属し、John Forbes Royleがヒマラヤ産の標本から1835年に記載しました。POWOとGBIFはともにこの名を受容しています。 1 5

種小名glanduliferaは「腺を持つ」という意味で、葉や葉柄の基部の小さな腺を指します。腺は甘く粘る蜜を分泌します。英名のpoliceman's helmetは、丸い花を英国の警察官のヘルメットに見立てています。 2

植栽に関してはEUでの規制が重要です。2017年以降、懸念される侵略的外来種として植栽が禁止されています。この地域では栽培を促すより、野外での識別、生態的影響、利用できる防除法を理解することが優先されます。 9

見分け方

遠くからでも目立つ直立した株を作り、草丈は1〜2.5 mです。茎は中空で多肉質、しばしば赤みを帯び、強風で容易に折れます。一方、根は浅く、深さが15 cmを超えることはまれです。このため、大きな株でも手で抜き取りやすくなっています。 2 6

披針形で鋸歯のある葉は長さ5〜23 cmで、対生するか3枚ずつ輪生します。長さ3〜4 cmの兜形の花は桃色、紫色、ときに白色で、ヨーロッパでは7〜10月に開きます。 2 6

川岸のほかの大型の桃色の植物と区別する際、最も確かな特徴は果実です。長楕円形の蒴果が接触で弾け、種子を5〜7 m先へ飛ばします。爆発的裂開、または自動散布と呼ばれます。1株で一季に2,500粒以上を作ることも、急速な拡大を支えます。 6 8

分類と名前

ツツジ目ツリフネソウ科における受容名はImpatiens glandulifera Royleです。歴史的なシノニムにはImpatiens roylei Walp.、Balsamina glandulifera (Royle) Ser.、Impatiens glanduligera Lindl.、Impatiens royleana Payerがあり、同じ分類群を指します。 1

フランス語ではTela Botanicaが、ヒマラヤ産、巨大、腺を持つといった特徴に由来する複数の通称を同種の名として挙げています。英語のHimalayan balsam、Indian balsam、policeman's helmetも同じ植物です。 7 2

植物検疫分野でEPPOが本種に用いるコードはIPAGLです。規制や管理の識別子であり、一般向けの文章で完全な学名に代わるものではありません。 4

生息地と分布

西ヒマラヤのカシミールからネパールにかけて、標高2,000〜2,500 mの地域がPOWOとGISDによる自生域です。局所的には標高4,000 mまでの記録もあります。 1 6

英国へはJohn Forbes Royleがカシミールから1839年にキューガーデンへ導入しました。1855年にはハートフォードシャーとミドルセックスで帰化し、その後ヨーロッパの大部分、北アメリカ、ニュージーランドへ広がりました。 3

フランスを含む西・中央ヨーロッパの多くの国で、現在は侵略的外来種です。主に川沿いや湿った溝に定着し、この約20年間は川沿いの林縁にも広がっています。 4 5

生活環・受粉・種子

発芽から枯死まで一季で終える一年草です。種子の休眠解除には約4 °Cで45日を超える長い低温期間が必要で、その後、ヨーロッパでは2〜3月に発芽します。 6

発芽からおよそ13週間で開花します。花1個が1時間に出す蜜は最大0.47 mgで、中央ヨーロッパの在来植物の最大0.3 mgを上回ります。豊富な蜜がマルハナバチやミツバチを引き寄せ、近くの在来種への訪花を減らします。 6

開花の12週間後、成熟した蒴果は接触で弾け、種子を数m先まで飛ばします。最初の霜で株は枯れます。冬に中空の茎が枯死すると川岸が裸地となり、侵食を受けやすくなることも、この一年周期に伴う影響として記録されています。 6

規制と防除

欧州委員会実施規則(EU)2017/1263により、Impatiens glanduliferaはEUで懸念される侵略的外来種のリストに掲載されています。EU内では導入、繁殖、運搬、販売、利用、環境への放出が禁止されています。 9

フランスでは侵略的外来植物に関する2018年2月14日付命令が、この禁止を国内で定めています。英国ではWildlife and Countryside Act 1981の附表9に掲載され、野外で生育させることは禁止ですが、すでに庭にある株を除去する義務までは課していません。 10 2

RHSとGISDは、開花前の手による抜き取りと刈り取りを勧めています。川沿いでの除草剤は推奨されません。英国では2014年から、特異的なさび病菌Puccinia komarovii var. glanduliferaeを生物的防除に試していますが、効果は場所によってまだ異なります。 2 6

利用・毒性・類似種

犬や猫で重大な毒性は記録されていません。人では、生の組織のシュウ酸塩が大量摂取時に下剤作用を起こすことがありますが、若芽の加熱はこのリスクを減らします。成熟種子は生または炒って食べられ、ナッツに似た味と表現されます。ただし採取前に蒴果が弾け、収穫は容易ではありません。 8

補完医療では、バッチフラワーの「Impatiens」として利用され、Rescue Remedyの5成分の一つです。ただし、この利用に認められた臨床的根拠があるわけではありません。 8

野外でよく混同されるのは、ヤナギランなど川岸に育つ大型で桃色の花の植物です。ロイルツリフネソウを識別するには、花色だけでなく、赤みを帯びた中空の茎、兜形の花、葉の基部の腺を組み合わせるほうが確実です。 11 12

主な参考文献

よくある質問

毒性はありますか?

犬や猫で重大な毒性は記録されていません。人では生の組織のシュウ酸塩が大量摂取時に下剤作用を起こすことがあります。加熱はこのリスクを減らします。

なぜ庭に植えないほうがよいのですか?

EUでは2017年から懸念される侵略的外来種のリストに掲載され、栽培、販売、植栽、意図的な運搬が禁止されています。

ロイルツリフネソウはどう見分けますか?

赤みを帯びた中空の多肉質の茎、3枚ずつつく鋸歯のある葉、桃色の兜形の花を併せて見ると、ほかの川岸の植物と区別できます。

若芽や種子は食べられますか?

加熱した若芽と、生または炒った成熟種子には食用の記録があります。ただし、ジャムや油への時折の利用を除き、広く使われてはいません。

群落は自分で抜いてもよいですか?

小面積では開花前の抜き取りや刈り取りが最も有効です。広い繁茂地や影響を受けやすい川岸では、発生を報告し、地域の管理方針に従うほうがよいでしょう。

近くの在来種の花に昆虫が来なくなるのはなぜですか?

多量の蜜がマルハナバチやミツバチを引き寄せ、近くの在来種への訪花を減らします。生態的な影響を生む仕組みの一つとして記録されています。

似ている植物

植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。