コーカサスマツムシソウ (Lomelosia caucasica, )
コーカサスマツムシソウ(Lomelosia caucasica)は、Scabiosa caucasicaの名でも広く流通するスイカズラ科の多年草です。コーカサス、トルコ北東部、イラン北西部に自生し、青や淡紫の頭状花を観賞します。
続きを読むコーカサスマツムシソウ, Scabiosa caucasica, Caucasian pincushion flower と Caucasian scabious






© 写真
(c) Quinn Dombrowski, some rights reserved (CC BY-SA) · cc-by-sa
Oleg Kosterin · cc0
Wikimedia Commons · CC BY-SA or Public Domain
© copyright of the Board of Trustees of the Royal Botanic Gardens, Kew.
世界の分布
POWOはLomelosia caucasicaを受容し、トルコ北東部からコーカサス、イラン北西部を原産地としています。Scabiosa caucasicaはその異名です。
受容名と基本情報
コーカサスマツムシソウ(Lomelosia caucasica (M.Bieb.) Greuter & Burdet)は、スイカズラ科に属する多年草です。POWOはこの学名を受容し、Scabiosa caucasicaを異名としています。青から紫の花を咲かせる庭の植物を調べる際には、両方の名が同じ種を指すことを押さえると役立ちます。 2 4
園芸店のラベルには今もScabiosa caucasicaがよく使われます。受容名のLomelosia caucasicaと併せて読むことで、栽培上なじみのある呼び名と現在の分類を結び付けられます。 3 1
分類上の単位は種であり、Lomelosia属全体を指す名ではありません。花壇で育てる株立ちの多年草で、大きなクッション状の花は園芸品種によって青、淡紫、白などになります。 5
フランス語のscabieuseや英語のscabiousは、姿の似た複数の植物に使われます。外見が似ていても同じ種とは限らず、Scabiosa caucasicaと明記された植物は対応する種の学名で確認する必要があります。 7 8
Scabiosa caucasicaという異名
長く親しまれた園芸名は、分類が変わった後も残ることがあります。Scabiosa caucasicaもその例で、ラベルでこの名を見かけても、別の植物が増えたという意味ではありません。受容名のLomelosia caucasicaと照合して扱います。 2
古い名Scabiosa caucasicaを知っておくと、苗の説明や栽培資料を読み比べやすくなります。新旧の名称を同じ種の情報としてつなぐことで、呼び名の違いによる取り違えを減らせます。 3
ただし「スカビオサ」と呼ばれる植物すべてが本種ではありません。一年草の花壇植物、野生の近縁種、種名が書かれていない園芸品種まで一律に同じ植物と考えないことが大切です。
販売名は植物を探す手掛かりとなり、受容名は分類上の同一性を確かめる基準になります。園芸名と学名の役割を分けて読むと、名前が異なっていても同じ種である場合を理解できます。 1 4
見分け方
切れ込みのある灰緑色の葉が集まり、多年生の株をつくります。細く直立する花茎の先にクッション状の頭状花をつけ、英名のCaucasian pincushion flowerやCaucasian scabiousでも知られます。 5
花色はラベンダーブルー、淡紫、濃い青、白などで、園芸品種により異なります。花がらをこまめに摘むと開花が長く続きます。花束では、軽やかな花の質感とすらりとした茎が持ち味です。 5
冬に水を含んだ重い土は苦手です。春にはよく育っていても、株元が冷たく締まった湿土に埋もれると枯れることがあります。水やりの量だけでなく、余分な水が抜けるかどうかも大切です。
目を引く花を支える花茎は細いため、風の強い庭では配置を工夫します。風が直接通り抜ける場所に単独で植えるより、周囲の多年草が自然に支える花壇に組み込むとよいでしょう。 5 6
花壇での栽培
花をよく咲かせる条件は日なたです。暑い地域では夕方の軽い日陰も許容しますが、深い日陰では茎が軟弱になり花数が減ります。ネペタ、サルビア、ノコギリソウ、軽やかなイネ科草本、エキナセアなどと組み合わせられます。 5 6
適した土は水はけがよく、肥沃さが中程度で、中性からやや石灰質です。冬の過湿は株を傷め、生育期の窒素過多は茎を伸ばしすぎます。春に完熟堆肥を少量与える程度で足りることが多い植物です。
花がら摘みは開花を長引かせ、株姿も整えます。数年たって株の中心が開いてきたら、古い株を無理に咲かせるより、慎重に株分けするか若い株に更新する方が効果的です。 5
鉢で育てる場合も、排水できる容器と十分な光が必要です。テラスでも栽培できますが、花茎がほかの多年草と混じり合う日なたの縁取りの方が、自然な姿を楽しめます。
紫系の花を集めた庭では、丸い花の形と軽い質感を添える役割を担います。サルビアのような密な花のかたまりとは異なり、点々と咲く頭状花が花壇にも花束にも変化を加えます。 5 7
利用と注意点
主な用途は観賞用で、乾き気味の花壇、多年草の縁取り、切り花、送粉昆虫を招く庭に向きます。花はミツバチなどの昆虫を引き寄せ、単独の鉢より多様な植栽の中でその役割を発揮します。 5
参照資料には、危険な庭木や草花と同程度の強い毒性は示されていません。それでも食用にはしない植物です。家庭の料理に使わず、子どもや動物が口に入れないようにします。観賞用であることと、食べられることは別です。 2
花束用には咲き始めの茎を切ると長もちします。下葉を取り除くと花瓶の水が濁りにくくなります。庭の花がらは次の開花を促すために摘みますが、種子ができる様子を見たい場合には一部を残すこともできます。
園芸名から植物を確かめる
青から淡紫の軽やかな花を咲かせる多年草として紹介されるScabiosa caucasicaは、コーカサスマツムシソウを指します。この名を目にしたら、受容名Lomelosia caucasicaと結び付けて理解できます。 2 3
呼び名が二つあっても、栽培する植物は一つです。異名を確認したうえで、日当たり、排水、花茎の扱いなど、同じ種に適した手入れを行います。旧属名だけを理由に別種として育て分ける必要はありません。
植物を確かめる際の要点は、明確な異名関係、花壇向きの生育特性、食用にしないという慎重な扱いです。園芸名だけで判断せず、学名を合わせて読むことで、似た姿の草花との混同も減らせます。 1 4
主な参考文献
よくある質問
Scabiosa caucasicaとLomelosia caucasicaは同じ植物ですか?
同じ植物を指します。Scabiosa caucasicaは園芸で広く使われる名で、受容名はLomelosia caucasicaです。
Scabiosa caucasicaを別種として扱わないのはなぜですか?
Lomelosia caucasicaの異名であり、独立した別種ではないためです。古い園芸名と受容名を照合して植物を確かめます。
切り花に向きますか?
はい。細い花茎とクッション状の花が花瓶で映え、咲き始めに切ると長く楽しめます。
どんな場所に植えますか?
日なたで水はけのよい土を選びます。日陰や湿った土では花つきが落ち、株が弱ります。
毒はありますか?
参照資料では強い毒性は報告されていません。ただし食用ではなく、家庭で料理に使わないでください。
毎年咲きますか?
冬の土の水はけがよければ多年草として戻ります。重い土では短命になることがあります。
似ている植物
植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。



