トケイソウ (Passiflora caerulea, L. 1753)

トケイソウ(Passiflora caerulea L.)は南米原産のトケイソウ科の多年生つる植物です。巻きひげで登り、掌状の葉と青・白・紫の大きな花をつけます。観賞価値が高く、果実は熟すとオレンジ色になります。

続きを読む
学名Passiflora caerulea
属Passiflora
目Malpighiales

トケイソウ, Blue passionflower, Bluecrown passionflower, Common passion flower と Flower of the five wounds

基本情報
毒性
注意 : 人(子どもを含む) · 有毒 : 猫, 犬 と 馬
管理の難易度
中程度
植物タイプ
木質つる植物 · 宿根草 · 屋外植物 · 鉢植え植物
葉の性質
半常緑
寿命
多年草
原産国
ボリビアブラジルアルゼンチンパラグアイ
自生環境
林縁、生け垣、暖かな荒れ地、柵やトレリス、風を避けられる壁際。生育期に適度な湿り気がある水はけのよい土。
環境への効果
花が送粉昆虫を引き寄せる地域によっては一部のチョウの食草となる
季節性
開花期
夏秋
生育
休眠
冬季休眠
生育速度
9/10
成熟までの期間
十分な養分と日照があれば、1〜2年目の生育期から開花することがあります。
増やし方
種子, 茎挿し, 取り木
気候と水やり
温度
耐寒性
耐風性
中程度。支柱が必要で、冷たい風を避けます。
湿度
45–75 %
水やり
ごく少量
少なめ
普通
多め
非常に多い
耐乾性
いいえ
用土
土壌pH
土壌タイプ
水はけのよい土, 湿った土, 肥沃な土, 砂質土
塩類土壌
耐えられない
光と置き場所
日照条件

日なた

一日を通して強い直射日光が当たる場所に置きます。

日なたから暖かな半日陰。暖かく風を避けられる支柱のある場所で花つきがよくなります。
屋外
トレリス, 風よけのある庭, パティオ用コンテナ, 壁際のボーダー
鉢
底穴のある大鉢, テラコッタ鉢, 深鉢
形態
高さ300–1200 cm株張り90–180 cm
葉
緑
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 葉 1
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 葉 2
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 葉 3
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 葉 4
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 葉 5
花
青白紫大きさ6–10 cm
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 花 1
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 花 2
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 花 3
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 花 4
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 花 5
果実
緑オレンジ大きさ3–6 cm
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 果実 1
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 果実 2
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 果実 3
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 果実 4
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 果実 5
樹形・草姿
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 樹形・草姿 1
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 樹形・草姿 2
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 樹形・草姿 3
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 樹形・草姿 4
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 樹形・草姿 5
樹皮
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 樹皮 1
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 樹皮 2
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 樹皮 3
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 樹皮 4
トケイソウ (Passiflora caerulea):原産地と利用法 — 樹皮 5

世界の分布

POWOによる原産域はボリビアからブラジル、アルゼンチン北部に及び、詳細な分布にはパラグアイも含まれます。スペイン、イタリア、イギリス、カリフォルニア、ハワイなど多くの地域へ導入されています。

  • 原産4
  • 移入3
  • ボリビア
  • ブラジル
  • アルゼンチン
  • パラグアイ
  • スペイン
  • イタリア
  • カリフォルニア

六角形:植物が見られる地域。緑の点:原産分布域。1

基本情報

トケイソウ(Passiflora caerulea L.)はトケイソウ科の受容種です。POWOによる原産域はボリビアからブラジル、アルゼンチン北部に及び、IPNIでは学名の発表を1753年の『Species Plantarum』に結びつけています。 1 3

種小名のcaeruleaは花の糸状部分の青色を表します。フランス語のpassiflore bleue、passiflore bleuâtreは同じ種を指し、英語のBlue passionflowerやBluecrown passionflowerも花の中心にある色鮮やかな冠に着目した名前です。 5 6

つる植物としての特徴を理解する際も、トケイソウは独立した種として扱います。トケイソウ属全体やPassiflora edulis、Passiflora incarnataとは、果実、耐寒性、利用法、毒性が一致しません。 2 7

見分け方

NC Stateによると、旺盛に伸びる多年生のつる植物で、支えによって高さ3〜12 mになります。巻きひげと互生する葉をもち、落葉性から半常緑性です。巻きひげは針金や金網に巻きつき、支えのない壁面に貼りつくことはありません。 4 5

識別の決め手となる花は直径6〜10 cmの大きな杯状です。白からピンクがかった花被片、青・白・濃紫の糸状の副冠、目立つ5本の雄しべと3本の花柱が見られます。この形から、キリストの受難に関係する花の名前が生まれました。 4 6

光沢のある葉には毛がなく、多くは5裂しますが、3裂、7裂、9裂の場合もあります。NC Stateは、緑色から黄〜オレンジ色に熟す卵形の観賞的な果実と、種子を包む濃色の果肉についても記載しています。 4 5

トレリスでの栽培

栽培では日光、暖かさ、細い支えが必要です。NC Stateは日なたから半日陰、水はけがよく適度に湿る土、USDAゾーン6〜10を示しています。フランスでは暖かな壁際のパーゴラ、金網、トレリスで育ちやすく、寒い場所では株元を保護します。 4 8

植え土には肥沃さと排水性の両方が必要です。地植えは夏の定期的な水やりで開花を支えます。鉢植えは土の量が限られるため、よりこまめな給水が必要です。冬は水を減らし、地際が過湿にならないようにします。 4

巻きひげを働かせるには細い支えが欠かせません。針金、金網、ネット、細い格子はつかめますが、幅広い板では滑り、滑らかな塗り壁には付着できません。壁際に植えるなら、夏の長いつるが伸びる前に誘引する仕組みを整えます。 4 5

剪定によってつるの広がりを管理できます。放任すると急速に支えを覆い、絡まり合って不要な茎も増えます。冬の終わりに切り戻し、寒さで傷んだ枝や弱い枝を除き、新しいつるを誘引すると花を見やすく整えられます。 5 8

冬の寒さが耐寒性の限界に近い場所では、秋の葉だけで常緑と判断できません。穏やかな秋には緑を保っていても、その後の寒さで急に落葉することがあります。株元を保護し、排水によって腐敗を防げていれば、株から再生する可能性があります。 4 5

果実と間違えやすい種

トケイソウの熟した果実は食用とされますが、味は淡白です。この情報を葉や茎に当てはめたり、主にPassiflora edulisから得られる市販のパッションフルーツと同一視したりしないでください。 4 5

薬用ではPassiflora incarnataとの混同が起こります。POWOは本種に環境、薬用、食用の利用を挙げていますが、利用する部位、量、種を互いに置き換えることはできません。 1 4

白花のConstance Elliottはトケイソウに関係する園芸系統です。品種としての特徴を確認して扱う必要があり、種名だけで示されている場合は青花の基本種を基準とします。 4 5

分布と管理上の注意

原産地域の内訳としてPOWOはボリビア、ブラジル、パラグアイ、アルゼンチン北部を挙げています。その後、スペイン、イタリア、イギリス、カリフォルニア、ハワイ、複数の亜熱帯地域などへ導入されました。 1 2

旺盛な生育には継続的な管理が必要です。Wikipediaは暖地の条件次第で侵略的になる可能性を記しています。フランスの庭では、多量のつる、ひこばえ、支えの上での絡まりが日常的な問題になります。 5 8

広がりを抑えるには、最初に支えの位置を決め、別の強健なつる植物と混植することを避けます。巻きひげが複数の植物を結びつける前に剪定します。 4

季節の目隠しには向きますが、土量の少ない小さなプランターには適しません。肥沃な土が必要で、鉢なら深さのある容器を選びます。垂れ幕状、パーゴラ、トレリスなど、どの形に誘引するかを決めて育てます。 4 8

毒性

毒性についてNC Stateは、猫、犬、馬、子ども、人に問題が生じる植物としてトケイソウを挙げ、重症度を中程度としています。葉と茎に含まれる青酸配糖体が毒性成分です。 4

摂取後に報告される症状には、強い吐き気、嘔吐、眠気、不整脈の発作があります。熟した果実は食用とされても、つるをかじる動物が届かない場所で管理する根拠になります。 4

食用としての評価は、熟した果実は淡白ながら食べられる一方、葉や茎は避けるというものです。動物や子どもがいる環境では有毒な観賞用つる植物として扱い、青酸配糖体の存在に注意します。 4 5

主な参考文献

よくある質問

トケイソウは冬も葉を保ちますか?

温暖な地域では半常緑になりますが、寒さで落葉したり、地上部が枯れた後に株元から再生したりします。寒冷地で常緑と決めつけることはできません。

トケイソウは動物に有毒ですか?

注意が必要です。NC Stateは猫、犬、馬への問題を報告し、葉と茎に青酸配糖体があるとしています。

トケイソウの実は食べられますか?

熟した果実は食べられるものの、味は淡白とされます。葉や茎も食用になるわけではありません。

壁にそのまま登らせられますか?

いいえ。巻きひげは細い針金、金網、トレリスに巻きつきます。滑らかな壁には支柱やネットを設けます。

パッションフルーツとはどう違いますか?

Passiflora edulisは主に果実を利用する種です。トケイソウは主に観賞用で、果実の食味は劣ります。

剪定は必要ですか?

特に小さな庭では必要です。冬の終わりに傷んだ枝を取り除き、伸びすぎを抑えます。

似ている植物

植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。