Peperomia obtusifolia (Peperomia obtusifolia, (L.) A.Dietr. 1831)

Peperomia obtusifolia は、英語圏でベビーラバープラントとも呼ばれるコショウ科の半多肉性の多年草で、熱帯アメリカが原産です。こんもりとまとまる小型の株に、厚みのある丸い光沢葉をつけます。室内で育てやすい植物の代表格で、猫や犬に対しても無毒とされています。

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学名Peperomia obtusifolia
属Peperomia
科Piperaceae
目Piperales

ペペロミア・オブツシフォリア, Baby rubber plant, American rubber plant と Pepper face

基本情報
毒性
猫や犬に無毒猫, 犬 と 馬
管理の難易度
低い
植物タイプ
室内植物 · 宿根草 · 着生性
葉の性質
常緑
寿命
多年草
原産国
メキシコグアテマラコスタリカパナマコロンビアベネズエラキューバ
自生環境
熱帯の湿潤林。樹幹や切り株、有機質に富む土の上に着生または地生する半多肉性の草本
季節性
開花期
春夏
生育
生活環
多年草
休眠
休眠しない
生育速度
4/10
成熟までの期間
よく管理すれば2〜3年でまとまった株になる
増やし方
節挿し, 挿し木
気候と水やり
温度
耐寒性
耐風性
鉢植えでは弱いため、風の当たらない場所に置く
湿度
40–60 %
耐乾性
いいえ
用土
土壌pH
土壌タイプ
室内植物用培養土, バーク入り排水性用土
塩類土壌
耐えられない
光と置き場所
日照条件
光について
明るい間接光
室内
リビング, オフィス, 明るい部屋
窓からの距離
東向きまたは西向きの窓から約50 cm
屋外
日陰のパティオ, サンルーム
鉢
テラコッタ鉢, 底穴のある鉢
形態
高さ15–30 cm株張り20–30 cm
葉
緑クリーム黄
花
緑白
樹形・草姿
Peperomia obtusifolia:原産地と利用法 — 樹形・草姿 1
樹皮
緑

世界の分布

Peperomia obtusifolia の自生域は、メキシコ南部から中央アメリカ、アンティル諸島、南アメリカ北部にかけてで、フロリダまで含める報告もあります。観葉植物として広く栽培され、この範囲をはるかに超えて流通していますが、導入地域はアメリカ大陸の原産地とは区別して扱う必要があります。

  • 原産7
  • 移入1
  • メキシコ
  • グアテマラ
  • コスタリカ
  • パナマ
  • コロンビア
  • ベネズエラ
  • キューバ
  • アメリカ合衆国(フロリダ州)

六角形:資料に基づく地域。緑の点:原産分布域。分布状況の出典 POWO(キュー王立植物園).

基本情報

Peperomia obtusifolia(Peperomia obtusifolia (L.) A.Dietr.)は、コショウ科ペペロミア属の半多肉性の多年草で、英語圏ではベビーラバープラントの名でも親しまれています。種小名 obtusifolia は「鈍頭の葉をもつ」という意味で、葉先が丸くなる形を表しています。1 2

テーブルやデスクに置く小さな観葉植物として知られ、baby rubber plant や pepper face といった英名で売られることもあります。厚くなめらかでつやの強い葉をもち、育てやすい植物という評価を得てきました。英国王立園芸協会(RHS)のガーデン・メリット賞を受けていることも、その評価を裏づけています。3 4

見分け方

いちばんの手がかりは葉です。肉厚で半多肉質の葉は卵形から楕円形、先端は丸くほとんど尖らず、長さ5〜15 cm、濃い緑色でつやがあります。葉の表面では葉脈がほとんど目立たないため、なめらかな印象がいっそう強まります。4 5

茎も太く水分を多く含み、赤みを帯びることがよくあります。株は低く、密にまとまります。鉢植えで高さ30 cmを超えることはまれで、横への広がりも同じくらいです。このこんもりした姿が、上へ伸びるフィカス類などの観葉植物との違いになります。5 3

花はコショウ科らしい姿で、緑がかった白い細い穂が直立し、長さは12 cm前後になります。尾状の花序は地味で観賞価値は高くありませんが、コショウの仲間であることをよく示しています。4 2

知っておきたい分類

1831年、リンネの基礎異名にもとづいて Peperomia obtusifolia (L.) A.Dietr. として記載されました。ペペロミア属はきわめて大きな属で、古い学名や園芸名がいまも混在しています。確認しておきたい主なシノニムと旧名は次のとおりです。

  • Peperomia obtusifolia var. obtusifolia
  • Peperomia obtusifolia Miq. nom. illeg.
  • Peperomia obtusifolia var. clusiifolia (Jacq.) C.DC.
  • Peperomia obtusifolia var. cuneata (Miq.) Griseb.
  • Peperomia obtusifolia f. pusilla Miq.

拠りどころになるのは受理名の Peperomia obtusifolia です。Variegata や Greengold といった名前は園芸上の選抜品を指すもので、独立した種や植物学上の変種ではありません。1 6

生育環境と分布

原産は熱帯アメリカで、メキシコ南部から中央アメリカ、アンティル諸島、南アメリカ北部に分布します。湿って日陰になる林床に生え、低地から中標高の山地まで、有機質に富む湿った土で見られます。1 4

多くのペペロミアと同じく、半着生の暮らし方をすることがよくあります。樹幹の根元や朽ちた切り株、腐植のたまったくぼみに根を下ろしますが、宿主に寄生するわけではありません。根の量が控えめで、軽く水はけのよい用土を好むのはこのためです。5 7

観葉植物として広く栽培され、本来の分布域を大きく越えて広まっています。フロリダでも記録があり、そこは自然分布の北限にあたります。こうした導入地や栽培地は、アメリカ大陸の原産地とは分けて考える必要があります。2 1

生活環と繁殖

開花すると、緑がかった白い穂が葉の上に1本から数本立ち上がります。コショウ科に特有の密な花序で、花弁のない小さな花が並びます。主に春から夏、よく根づいた株に見られますが、室内ではあまり目立ちません。4 2

栽培上の大きな長所は、殖やすのがとても簡単なことです。節のすぐ下で切った茎は、水にも湿った用土にも無理なく根を出します。葉挿しもでき、葉柄をつけたまま健全な葉を軽い用土に挿せば、新しい株ができることがあります。5 3

どちらの方法でも、暖かさと明るい間接光があれば、3〜6週間で最初の根が出ます。根の量が少ない種なので、用土を過湿にしない限り、若い株は小さめの鉢で長く育てられます。日本では梅雨から夏の蒸し暑い時期に用土が乾きにくくなるため、この時期の水やりはとくに控えめにすると安心です。7 4

利用と注意点

用途はほぼ観賞用に限られます。室内の小さな観葉植物として、また熱帯の気候では日陰の林床を覆うグラウンドカバーとして使われます。肉厚の葉、まとまりのよい株姿、ほどほどの光でも育つ性質から、オフィスや集合住宅の室内でよく見かけます。耐寒性の目安はUSDAゾーン10〜12なので、関東をはじめ冬の気温が10 °Cを下回る日本の多くの地域では、冬は室内で管理するのが基本です。3 4

安全面では貴重な長所があります。ASPCA は本種を猫と犬に対して無毒と分類しています。触れたり口にしたりしても特別な症状は想定されず、ペットや小さな子どものいる家庭でも置きやすい植物です。とはいえ、動物が習慣的に葉をかじらないよう気を配ることは大切です。8 5

品種・混同しやすい種・近縁の植物

斑入りの株も、別の種ではありません。Variegata と Albomarginata はクリーム色や白の縁取りがある葉、Greengold と Golden Gate は黄金色の斑を指し、斑は明るい場所ほど鮮やかになります。購入の際は、品種名、茎がしっかりしているか、株元が黒ずんでいないかを確かめておくと安心です。3

よく取り違えられるのは、次の植物です。

  • Peperomia clusiifolia:葉がより大きく、縁が赤くなることが多い
  • Peperomia caperata:葉にしわと葉脈の凹凸があり、見た目が大きく異なる
  • Peperomia argyreia:スイカペペロミアとも呼ばれ、葉に銀色の縞が入る

葉先の丸み、葉の厚み、赤みを帯びた茎の3点が、ペペロミアとして売られている株が Peperomia obtusifolia かどうかを確かめるうえで、もっとも信頼できる目安です。4 1

主な参考文献

よくある質問

Peperomia obtusifolia は猫や犬にとって有毒ですか?

いいえ。ASPCA は Peperomia obtusifolia を猫と犬に対して無毒と分類しています。ペットのいる家庭でも置きやすい観葉植物のひとつです。

Peperomia obtusifolia の葉がやわらかくなるのはなぜですか?

葉がやわらかくなったり垂れたりするのは、ほとんどの場合、水の与えすぎが原因です。用土を乾かし、鉢の排水を確かめ、水やりの回数を減らして根腐れを防いでください。

Peperomia obtusifolia は多肉植物ですか?

半多肉植物です。厚い葉と茎に水を蓄えますが、本来は湿った林床の植物なので、日なたを好む本当の多肉植物とは違い、強い直射日光を苦手とします。

Peperomia obtusifolia はどうやって挿し木しますか?

挿し木はとても簡単です。節のついた茎、または葉柄つきの葉を切り取り、水か湿った用土に挿します。暖かい環境なら3〜6週間で発根します。

Peperomia obtusifolia に適した光はどのくらいですか?

明るい間接光のもとで、葉がもっとも密に茂ります。半日陰にも耐えますが、株姿は間延びしがちです。直射日光は肉厚の葉を退色させるので避けてください。

Peperomia obtusifolia はどのくらいの大きさになりますか?

鉢植えでは高さ15〜30 cmほどのまとまった株になり、それ以上になることはまれです。テーブルや棚、デスクに置きやすい小型の植物です。

Peperomia obtusifolia と間違えやすい植物はどれですか?

よく混同されるのは Peperomia clusiifolia や、ほかの肉厚の葉をもつペペロミアです。葉先の丸み、赤みを帯びた茎がよい手がかりになります。

似ている植物

植物学上の情報は、RHS、Kew Gardens、POWOなどの信頼できる資料を基にまとめています。本ページは参考情報です。毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。