カナダアキノキリンソウ (Solidago canadensis, )
カナダアキノキリンソウ(Solidago canadensis L.)は、北米原産のキク科の多年草で、観賞用としてヨーロッパに導入された後、広く帰化しました。まず見分け方と管理を知っておきたい植物です。遅い時期の花は多くの送粉昆虫を養いますが、地下茎による密な群落は地域の植物相を貧弱にします。
続きを読むカナダアキノキリンソウ, Canada goldenrod と Canadian goldenrod






© 写真
(c) Lyudmila Ivanova, some rights reserved (CC BY-NC), uploaded by Lyudmila Ivanova · cc-by-nc
Силаева Татьяна Борисовна · cc0
Darius Regnier · cc0
Taken Jul 26, 2021 by Boumlik Messaïli (cc-by-sa)
Taken Sep 2, 2022 by Jim Knopf (cc-by-sa)
Taken Aug 16, 2021 by Valentin Wjst (cc-by-sa)
Taken Jul 26, 2019 by pascal dorchies (cc-by-sa)
Taken Sep 25, 2021 by Pietro Brignoli (cc-by-sa)
© copyright of the Board of Trustees of the Royal Botanic Gardens, Kew.
世界の分布
POWOとINPNはSolidago canadensisを北米原産としています。17–18世紀に観賞用としてヨーロッパに導入され、庭から逸出しました。フランスの国立植物保全機関は、湿地や草地の侵略的外来種に分類しています。
基本情報
カナダアキノキリンソウ(Solidago canadensis L., 1753)は、キク科アキノキリンソウ属の受容されている種です。POWOとINPNは学名をリンネに結びつけています。カナダとアメリカ合衆国東部が原産で、観賞用としてヨーロッパやアジアに導入され、その後に帰化しました。 1 2
フランス語の呼び名にはverge d’or du Canadaやsolidage du Canadaがあり、Tela Botanicaはgerbe-d’orも記録しています。北米やイギリスの資料では、同じ種をCanada goldenrodやCanadian goldenrodと呼びます。 4 5
本種の二つの側面は、遅い開花期に原産地の送粉昆虫を養うことと、フランスへの導入後に地下茎で群落をつくり、地域の植物相を貧弱にすることです。 3
見分け方
草丈0.6–2.5 mの直立する株をつくり、茎の上部にはしばしば毛があります。一株の広がりは0.5–1.5 mです。葉は互生する披針形で、細かい鋸歯があり、主要な3本の葉脈がよく目立ちます。 5 6
花序は、野外での重要な手がかりです。弓なりに曲がるピラミッド形の円錐花序に、ミリ単位の黄色い頭花が数百個集まり、主に枝の片側につきます。開花は8–10月で、多くの多年草がすでに生育の一巡を終えるころです。 6 5
晩夏の花粉症を本種のせいにすることがありますが、花粉は重く粘り、主に昆虫が運びます。一方、ブタクサは風媒の花粉を空中に放ち、こうしたアレルギーの実際の原因となります。 7
分類のポイント
変種としてPOWOが認めるのは、自動名のSolidago canadensis var. canadensisと、カナダ南部からアメリカ中東部に分布するSolidago canadensis var. hargeri Fernaldです。Solidago glabra subsp. canadensis (L.) Bonnierは、同じ分類群の同タイプ異名です。 1
近縁種の扱いにも注意が必要です。古い文献でSolidago canadensisの変種や亜種とされたSolidago altissimaを、POWOは現在、独立種として扱います。ヨーロッパでSolidago canadensisとされた集団には、この広い複合群に属するものが含まれる場合があります。 1
野外の判定は慎重に行います。Solidago giganteaの茎は滑らかで粉白色を帯び、毛の多いSolidago altissimaとは主に毛の有無で区別できます。頭花が黄色いことだけでは決められません。 9
生息地と分布
自生する範囲はカナダとアメリカ合衆国の東半分で、湿った草地、放棄された牧草地、荒れ地、道端に生えます。17–18世紀に観賞用としてヨーロッパに導入され、庭から自然環境へ逸出しました。 2 9
中国には20世紀初めに観賞用として導入され、その後、東部と中部に広く帰化しました。近年の総説は、中央・東ヨーロッパでの拡大を年約741 km²と記録しています。地下茎と大量の種子生産の両方が、その拡大を支えています。 9
フランスのCBNBFC-ORIは、本種を日光を好む植物としています。適度に湿り、中性から塩基性で養分の多い土は、草地、湿地、河岸、林縁、人為攪乱地で密なクローンの拡大を促します。 3
生活環と繁殖
増え方には、互いを補う二つの経路があります。地下茎の網が毎年広がり、春に新しい地上茎を出して、しばしばほとんど単一種からなるクローン群落を形成します。 9
一株から1,000–20,000個の痩果をつくることもできます。痩果は軽く冠毛があり、土壌の質に応じた30–75%の発芽率が速い定着を助けます。風、水、人の活動が長距離への散布を担います。 9
根と地下茎は、脂肪酸、テルペン、ルチンやクロロゲン酸を含むフラボノイドなどのアレロパシー物質も放出します。これらは周囲の複数の植物の発芽と成長を抑え、一部の土壌病原体も抑制します。地下茎の網と土壌中の化学作用が群落の定着を強固にするため、一度だけの抜き取りでは対処しにくくなります。 9
利用と注意点
Perenualの分類では、Solidago canadensisは猫と犬に無毒です。ただし、同資料に馬についての記載はありません。食用に関わる毒性成分の記録はなく、敏感な人で花粉との接触により軽い皮膚刺激が起こる可能性はあります。 8
Plants For A Futureには、若葉、花のついた先端、種子の食用、花や葉の茶という歴史的利用が記されています。また、尿路の不調に使う伝統があり、尿路感染症と腎結石に対してドイツのコミッションEが認めた用途も挙げています。これは過去の利用を記録したもので、現在の摂取を勧めるものではありません。 7
原産地では、遅い時期の花は秋を迎える前の蜜源として評価されます。ただしフランスでは、この価値が密な群落内で確認された植物相と送粉昆虫群集の多様性の低下を埋め合わせるわけではありません。 3
フランスでの管理
CBNBFC-ORIは、フランシュ=コンテの自然・半自然環境で、本種を主要な侵略的外来種に分類しています。開けた環境の植物の多様性を減らし、牧草地の質を下げ、森林の再形成を妨げます。 3
ブタクサと違い、フランスの公衆衛生法による全国的な対処義務の対象ではありません。管理を主に担うのは植物保全機関と自然環境の管理者で、衛生を理由とする県の命令によるものではありません。 3
同機関は、開花前の刈り取りや抜き取りを年2回、数年間繰り返すことを勧めています。地下茎の勢いを弱め、複数の季節をかけて群落を消耗させるためです。ジオテキスタイルの障壁は若い群落の定着を減らします。刈り取った残渣は再生を避けるために搬出し、焼却します。 3
品種・類似種・近縁種
混同しやすい植物には、次のようなものがあります。
- Solidago giganteaは茎が滑らかで粉白色を帯び、目立つ毛がありません。
- Solidago altissimaはPOWOで独立種とされ、毛が多く、より高くなることがよくあります。
- Ambrosia artemisiifoliaは葉が深く切れ込み、風媒の花粉をもつ点で明確に異なります。
管理に着手する前に、茎の毛、葉の切れ込み、開花期を確かめます。これらは、頭花が黄色いという特徴だけよりも信頼できる手がかりです。 9 7
主な参考文献
- Plants of the World Online / Kew, Solidago canadensis L.
- INPN, Solidago canadensis L., 1753
- CBNBFC-ORI, Solidago canadensisの種情報
- Tela Botanica, BDTFX分類目録, Solidago canadensis
- Royal Horticultural Society, Solidago canadensis - Canadian goldenrod
- Missouri Botanical Garden, Plant Finder, Solidago canadensis
- Plants For A Future, Solidago canadensis
- Perenual, Solidago canadensisの園芸特性と毒性
- PMC, Solidago canadensisの帰化に関わるアレロパシーと化学物質
よくある質問
カナダアキノキリンソウは猫や犬に有毒ですか?
いいえ。PerenualはSolidago canadensisを猫と犬に無毒と分類しています。同じ資料には馬についての記載がありません。
花粉症の原因だとよく言われるのはなぜですか?
Solidago canadensisの花粉は重く粘りがあり、主に昆虫が運ぶもので、風によるものではありません。晩夏のアレルギーの原因は、多くの場合、大量の花粉を空中に広げる風媒植物のブタクサです。
フランスの庭に植えてもよいですか?
勧められません。国立植物保全機関は、草地や湿地の侵略的外来種としています。密な群落をつくり、地域の植物相を貧弱にするためです。
ほかのアキノキリンソウ属とはどう見分けますか?
Solidago giganteaは茎が滑らかで粉白色を帯び、目立つ毛がありません。POWOは、以前Solidago canadensisの単なる変種とされたSolidago altissimaを、現在は独立種として扱っています。
広がった群落はどう管理しますか?
植物保全機関は、開花前の刈り取りまたは抜き取りを年2回、数年間繰り返すことを勧めています。再生を防ぐため、残渣は現場から搬出します。
侵略的でも送粉昆虫には役立ちますか?
部分的には役立ちます。遅い時期の花は多くの昆虫を養いますが、密な群落は全体の花の多様性を下げ、地域のほかの送粉昆虫に不利に働きます。
Solidago canadensisという学名の由来は何ですか?
Solidagoは「固める」を意味するラテン語solidareに由来し、傷の治癒に使われた古い薬草利用と結びついています。canadensisは、リンネが1753年に記載した北米の原産地を示します。
似ている植物
植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。





