シノノメギク (Symphyotrichum novi-belgii, )
シノノメギク(Symphyotrichum novi-belgii)は、ニューファンドランドからジョージアにかけての北米東岸原産のキク科の多年草です。横に伸びる地下茎で群落をつくり、8–10月に黄色い中心をもつ紫色の頭花を咲かせます。欧州ではMichaelmas daisyの名で広く栽培され、帰化も進み、複数の国で中程度の侵入性をもつとされています。
続きを読むシノノメギク, ユウゼンギク, メリケンコギク, New York aster と Michaelmas daisy






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Taken Oct 29, 2022 by Jim Knopf (cc-by-sa)
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世界の分布
Symphyotrichum novi-belgiiの自生域は北米東岸沿いで、ニューファンドランドとノバスコシアからジョージア、アラバマまで続きます。18世紀には観賞植物として欧州へ導入され、広く帰化しました。特にポーランドなど一部では中程度の侵入性をもつとされるため、導入や規制上の扱いと、本来の自生域は区別する必要があります。
基本情報
シノノメギク(Symphyotrichum novi-belgii (L.) G.L.Nesom, 1995)は、北米東岸原産のキク科の多年草です。英語ではNew York asterやMichaelmas daisyとも呼ばれます。海岸から川や泥炭地の縁まで、湿った環境に自生します。 2 3
米国の植物学者Guy L. Nesomは1995年、本種をAster属からSymphyotrichum属へ移しました。一つの属にまとめるには異質すぎるとされた北米の数十種のアスターの分類を変える改訂です。庭では季節の終わりを彩る多年草で、夏の花壇の多くが咲き終わる8–10月に紫の頭花を開きます。 1 4
見分け方
直立する株の高さは90 cm–1.5 mで、滑らかな茎はときに紫色を帯びます。披針形の葉には葉柄がなく、広がった基部の小さな耳状部が茎を抱きます。多くの他の園芸アスターにはない特徴です。 3 4
花序を構成する頭花は品種により直径2.5–3 cmで、茎の先に密な散房状につきます。黄色い中心部は咲き終わりに橙色へ変わることが多く、その周囲に15–25枚の紫・桃・白の舌状花が開きます。開花期は8–10月、最盛期は9月です。 4 3
一定の位置にコンパクトな株を保つAster amellusに比べ、シノノメギクは横走する地下茎で広がります。株分けしなければ年ごとに範囲が増すため、庭ではこの広がる性質が両者を見分ける最も確かな目印になります。 2 5
分類のポイント
記載の出発点はCarl von Linnéが1753年に発表したAster novi-belgii L.です。Guy L. Nesomは、広義のAster属には同じ属に置くには異なりすぎる系統が含まれることを示し、本種を北米の数十種とともにSymphyotrichum属へ移しました。主な異名と種内分類群には次があります。
- Aster novi-belgii L.(基礎異名、1753年)
- Aster novi-belgii var. laevigatus (Lam.) A.Gray(変種)
- Aster novi-belgii subsp. laevigatus (Lam.) Thell.(亜種)
- Aster novi-belgii var. floribundus (Willd.) DC.(変種)
- Symphyotrichum novi-belgii var. crenifolium (Fernald) Labrecque & Brouillet(変種)
- Symphyotrichum novi-belgii var. elodes (Torr. & A.Gray) G.L.Nesom(変種)
これらの植物学上の変種と、Marie BallardやPeter Harrisonなどの園芸品種名は別のものです。後者は園芸的な選抜を表し、植物分類上の分類群ではありません。POWOのような植物データベースで「Marie Ballard」を検索しても結果が出ないのは、この販売名が受容学名Symphyotrichum novi-belgiiに代わるものではないためです。 1 7
生息地と分布
生まれ故郷は北米東岸で、ニューファンドランドとノバスコシアからジョージア、アラバマまで、とりわけ海岸に近い場所です。汽水湿地、湿った草原、川岸、湖岸、泥炭地や林縁に生育します。 3 4
欧州にはすでに18世紀に観賞植物として導入され、庭から広く帰化しました。冠毛のある種子は風で運ばれ、十分に堆肥化されていない植物ごみに混じった地下茎の断片からも分布を広げます。 6 2
ポーランドでは、中程度の侵略的外来種に分類されています。広く分布し、侵入先の河川の谷や市街地の湿地で植物の多様性を低下させます。フランスではINPNが帰化を記録しており、個体群の規模は地域により異なります。 6 7
生活環と繁殖
冬に休む草本性の多年草で、開花後には地上部が枯れ、翌春に株元から再び伸びます。春に種をまくと2年目から咲き、定着後は毎年秋に開花します。 4 5
晩秋に向かう時期の頭花は、ハチ、チョウ、この属を専門に利用する複数の野生ハナバチに蜜を供給します。シノノメギクはチョウのPhyciodes tharos(Pearl crescent)の幼虫の食草でもあり、冬には種子を食べる鳥の餌にもなります。 3 4
庭で最も確実に増やせる方法は株分けです。春か秋に2–3年ごとに行うと、Marie BallardやRoyal Rubyなどの品種の花色と草姿を保てます。表面にまく播種や晩春の茎の挿し木も可能ですが、園芸品種の種子から育てた株は花色が予測できず、親株とは大きく異なる場合があります。 2 5
利用と注意点
主な用途は観賞で、多年草の花壇、縁取り、レインガーデン、湿った土の花壇に使われます。ルドベキアやキクイモと組み合わせ、季節の終わりを彩る植栽にも利用されます。丈夫な茎をもち、花店でも切り花として好まれます。 4 3
多くの観賞植物とは異なり、シノノメギクには毒性がないとされています。猫、犬、人に危険とされる植物には挙げられておらず、花や若葉のサラダ、ハーブティーへの利用を記す資料もあります。馬については種に特有の情報が足りず、不確かなままです。 5
栽培での主な問題は、健康への害より広がる範囲です。横走する地下茎をもち、定期的な株分けをしないと数シーズンで花壇全体に広がることがあります。同じ勢いが庭外でも見られ、欧州の複数の国では湿地の在来植物と競合する中程度の侵略的外来種とされています。 6 2
品種・類似種・近縁種
園芸品種は独立した種ではなく、Symphyotrichum novi-belgiiから選抜されたものです。Marie Ballardはライラック色のポンポン状の八重花、Professor Anton Kippenbergはうどんこ病に強い矮性の型、Royal Rubyは赤褐色の花、Peter Harrisonは淡い桃色の花が特徴です。購入前には、選ぶ品種の成株の高さとうどんこ病への強さを確認するとよいでしょう。 4
よく混同される近縁植物には、次のものがあります。
- Symphyotrichum novae-angliae、ニューイングランドアスター。葉と茎に毛があります。
- Aster amellus、欧州のアスター。乾いた石灰質の土でコンパクトにまとまり、横走する地下茎をもちません。
- Symphyotrichum lanceolatum、より小さい頭花と、より細い葉をもちます。
横に広がる草姿、耳状部で茎を抱く葉、自然状態で湿地に生える性質は、シノノメギクとして売られる株がSymphyotrichum novi-belgiiであることを確認する最も確かな目印です。 3 1
主な参考文献
- Plants of the World Online / Kew, Symphyotrichum novi-belgii (L.) G.L.Nesom
- Royal Horticultural Society, Symphyotrichum novi-belgii
- NC State Extension Gardener Plant Toolbox, Symphyotrichum novi-belgii
- Missouri Botanical Garden Plant Finder, Symphyotrichum novi-belgii
- Plants For A Future, Aster novi-belgii
- Generalna Dyrekcja Ochrony Środowiska(ポーランド), Aster novi-belgii, aster nowobelgijski
- INPN / MNHN, Symphyotrichum novi-belgii (L.) G.L.Nesom, 1995
- Encyclopaedia Britannica, aster(植物の属)
よくある質問
シノノメギクには毒がありますか?
いいえ。Symphyotrichum novi-belgiiは猫、犬、人に有毒な植物として挙げられていません。馬については、利用可能な獣医学資料では不確かなままです。花をサラダやハーブティーに使う伝統的な用途を記す資料もあります。
シノノメギクはいつ咲きますか?
遅咲きで、気候により8–10月、最盛期は9月です。冬を迎える前の、花粉を運ぶ昆虫にとって季節の終わりの蜜源の一つになります。
株が毎年大きく広がるのはなぜですか?
Aster amellusのようにコンパクトな株を保つ仲間とは違い、横走する地下茎で広がります。2–3年ごとの株分けをしないと、当初の想定よりはるかに広い場所を占めることがあります。
シノノメギクとAster amellusはどう見分けますか?
Aster amellusは乾いた石灰質の土で低くまとまり、横走する地下茎を出しません。一方、Symphyotrichum novi-belgiiは湿った土で高く育ち、地下茎で広がります。葉の基部に耳状の部分があり、茎を抱くことも目印です。
novi-belgiiという名前は何に由来しますか?
「新ベルギーの」という意味で、17世紀のオランダ植民地ニューネーデルラントに与えられたラテン語名に由来します。この植民地は後のニューヨーク州となった地域で、現在のベルギーとは関係ありません。
シノノメギクは欧州では侵入植物ですか?
庭の植物として導入された後、欧州の複数の国で帰化しました。ポーランドでは広く分布する中程度の侵略的外来種とされ、侵入した湿地の植物多様性を低下させる可能性があります。
シノノメギクはどう株分けしますか?
春か秋に2–3年ごとに、株の外周の勢いのよい部分を切り分けます。堆肥を混ぜた適度に湿った土へすぐ植えると、早く根づきます。
似ている植物
植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。








