オオイヌノフグリ (Veronica persica, Poir. 1808)

オオイヌノフグリ(Veronica persica Poir., 1808)はコーカサスとイラン北部原産のオオバコ科の一年草です。現在はほぼ全大陸に帰化し、耕地や芝生の雑草として生育します。白い中心をもつ空色の小花が細長い花柄に1個ずつつき、2裂したV字形の蒴果が特徴です。人やペットで毒性は記録されていません。

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学名Veronica persica
属Veronica
目Lamiales

オオイヌノフグリ, Birdeye speedwell, Persian speedwell, Common field-speedwell と Persischer Ehrenpreis

基本情報
毒性
人やペットで毒性の記録なし
管理の難易度
高い
植物タイプ
一年生草本 · 雑草 · 芝地の植物
葉の性質
落葉
寿命
一年草
原産国
イランジョージア
自生環境
庭、まばらな芝生、畑、道端、荒れ地などの耕作地・攪乱地
季節性
開花期
冬春夏秋
生育
休眠
休眠しない
生育速度
8/10
増やし方
種子
気候と水やり
温度
耐風性
低くはうため、風を受けにくい
湿度
40–70 %
水やり
ごく少量
少なめ
普通
多め
非常に多い
耐乾性
はい
用土
土壌タイプ
撹乱された土壌, 肥沃な土, 水はけのよい土
塩類土壌
耐えられない
光と置き場所
日照条件

日なた

朝か夕方を中心に、1日数時間の直射日光に当てます。

日なたから明るい半日陰
屋外
道端, 花壇, 畑の縁
形態
高さ5–40 cm株張り15–50 cm
葉
緑
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 葉 1
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 葉 2
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 葉 3
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 葉 4
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 葉 5
花
青白大きさ0.8–1.2 cm
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 花 1
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 花 2
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 花 3
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 花 4
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 花 5
果実
大きさ0.4–0.7 cm
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 果実 1
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 果実 2
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 果実 3
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 果実 4
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 果実 5
樹形・草姿
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 樹形・草姿 1
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 樹形・草姿 2
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 樹形・草姿 3
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 樹形・草姿 4
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 樹形・草姿 5
樹皮
緑赤
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 樹皮 1
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 樹皮 2
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 樹皮 3
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 樹皮 4
オオイヌノフグリ (Veronica persica):原産地と利用法 — 樹皮 5

世界の分布

原産域はコーカサスとイラン北部です。その後ほぼ全大陸に帰化し、WSSAの北アメリカ雑草リストにも含まれます。現在はヨーロッパ、東部・南部アフリカ、東アジア、アメリカ大陸、オセアニアで報告されています。

  • 原産2
  • 移入8
  • イラン
  • ジョージア
  • フランス
  • イギリス
  • アメリカ合衆国
  • カナダ
  • 中国
  • 日本
  • オーストラリア
  • ニュージーランド

六角形:植物が見られる地域。緑の点:原産分布域。1

基本情報

オオイヌノフグリ(Veronica persica Poir., 1808)はオオバコ科クワガタソウ属の一年草です。フランスではvéronique de Perseやvéronique communeとも呼ばれます。POWOはこの学名を受容し、原産域の中心をコーカサスとイラン北部としています。 1 3

属名Veronicaは、奇跡にまつわる複数の伝説をもつ聖女の名に由来します。一説では、ハンセン病を治す力をもつキリストの肖像をローマへ運んだとされ、植物の古いフランス名「ハンセン病の人の草」につながりました。種小名persicaはPoiretが記載した原産地域、歴史的なペルシアを指します。 8

遺伝的には交雑起源で、異質四倍体とされています。Veronica politaとVeronica ceratocarpaの交雑後に染色体数が倍加し、両親種の14本に対し本種は28本となりました。 7

見分け方

地面に伏せて広がる低いマットをつくり、草姿全体の高さは10–40 cmです。茎には毛があり、しばしば赤みを帯び、節から根を出して、先端だけが立ち上がります。 3 6

下部の葉は対生、上部の葉は互生し、短い葉柄があります。心形を帯びる卵形で鋸歯が目立ち、長さは約1–2 cmです。実生では、底辺が切り取られたような三角形の子葉が、開花前から識別の手がかりになります。 7

直径約1 cmの花は空色で、濃い筋と白い中心があります。葉腋に1個ずつつき、細く有毛の花柄は葉の1–3倍の長さです。結実時には花柄が弓なりに反り返ります。 3 7

果実は毛のある蒴果で、幅6–7 mm、高さ4–5 mmです。深い切れ込みで2つの扁平な裂片に分かれ、大きく開いた明瞭なV字形となり、各裂片に4–8粒の種子が入ります。近縁種では裂片がV字に開かず平行に近く、この違いが目印になります。 3

分類と名前

受容される学名Veronica persica Poir.は、1808年にラマルクのEncyclopédie méthodique, botaniqueで発表されました。文献にはVeronica buxbaumii Ten.(異名)、Veronica tournefortii C.C.Gmel.(異名)、Pocilla persica (Poir.) Fourr.(異名)なども見られます。 3 2

フランス語では、本種だけに結びつくvéronique de Perseと、庭のほかの小型種にも使われるvéronique communeが併用されます。後者は曖昧ですが、Veronica persicaという学名ならPOWOの認める1種を明確に指せます。 3

生息地と分布

コーカサスと西アジアに自生し、その後ほぼ全大陸に帰化しました。WSSA(アメリカ雑草学会)の北アメリカ雑草リストにも含まれています。 5

西ヨーロッパへの導入はよく記録されています。イギリスでの初記録は1825年で、19世紀に急速に広がり、1960年までにはイギリスとアイルランドの低地で広く見られるようになりました。 7

フランスではCosteが、栽培地・非栽培地を問わずフランスのほぼ全域とコルシカ島に点在すると記しています。 3 世界のほかの地域では北アメリカ、東部・南部アフリカ、東アジア、オセアニアにも広がり、農業や園芸の交易によって導入されました。 5

生活環と繁殖

自家受粉する一年草で、多数の種子をつくります。温暖な気候ではほぼ一年中発芽・開花でき、フランスでの盛期は2–6月です。 7 3

種子は長さわずか1–2 mmで、横向きのしわがあります。一部はアリに運ばれ、母株のすぐ近くへの定着を助けます。この散布はアリ散布と呼ばれます。地面をはう茎の各節が土に触れて新しい根を出す栄養繁殖も行い、1回の発芽から速やかに密なマットができる理由になります。 7 7

利用と毒性

人、猫、犬、馬での毒性は記録されておらず、一般的な有毒植物リストにも載っていません。 6

園芸での利用はほぼなく、RHSは雑草として扱っています。自然風の花草地で、早い時期の青い花を許容する程度です。過去の伝統医療では、本種を含む一部のクワガタソウ属が心臓の不調、ヘビの咬傷、出血、炎症性リウマチ、喘息、去痰に用いられました。これらは歴史的用途で、現在の医療相談に代わるものではありません。 4 7

類似種・生態・管理

野外では小型の一年生種と混同しやすくなります。Veronica politaとVeronica agrestisは果実の裂片が平行でV字に開かず、花柄も葉以下の長さです。本種の花柄は葉を明らかに上回ります。Veronica filiformisでは丸い葉が花より小さく、Veronica hederifoliaでは葉の裂片の形が異なります。 7

庭では肥沃で適湿の攪乱土に先に入り込み、花壇、菜園、まばらな芝生、道の縁などに広がります。RHSによれば、アブラムシ、べと病、菌類による斑点病、Phytophthoraによる腐敗、ナラタケ病を宿すこともあります。蒴果ができる前に根ごと抜く方が、花だけを切り、発根済みの節を残す芝刈り単独より再生を抑えます。花を抑える定期的な芝刈りと組み合わせる方法がRHSの推奨です。野外でまず確かめたいのは、幅6–7 mmのV字形の蒴果と、葉より長い花柄です。 6 4 4

主な参考文献

よくある質問

オオイヌノフグリには毒性がありますか?

人、猫、犬、馬で毒性の記録はありません。一般的な有毒植物リストにも含まれていません。

ほかのクワガタソウ属とどう見分けますか?

最も確かな目印は大きく開いたV字形の果実と、葉の1–3倍の長さの花柄です。Veronica politaとVeronica agrestisは果実の裂片が平行で、花柄も短くなります。

原産地はどこですか?

コーカサスとイラン北部です。イギリスでは1825年にすでに記録され、その後100年余りでほぼ全大陸に帰化しました。

なぜ年の早い時期から花が咲くのですか?

温暖な気候ではほぼ一年中発芽・開花でき、フランスでは2–6月に特に多く咲きます。この早い開花が、冬の終わりから活動する昆虫への蜜源となります。

芝生ではどう取り除きますか?

蒴果ができる前に根ごと抜くのが最も確実です。定期的な芝刈りを組み合わせると、開花と新たな種子の生産を抑えられます。

フランス語のvéronique communeは必ずこの種ですか?

そうとは限りません。庭に生えるほかの小型一年生のクワガタソウ属にも使われる呼び名で、曖昧さがあります。学名Veronica persicaなら混同を避けられます。

種小名persicaは何を意味しますか?

1808年に植物学者Jean Louis Marie Poiretが記載した原産地域を指します。当時の歴史的なペルシアに結びつく地域で、現在のコーカサスとイラン北部に当たります。

似ている植物

植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。