リーキ (Allium porrum, L. 1753)

リーキ(Allium porrum)は、ヒガンバナ科の二年草で、長い白い偽茎と平たい葉を収穫するため一年作で育てる野菜です。地中海・近東の複合群に由来する栽培植物で、ニンニクやタマネギに近縁です。人は食べられますが、猫・犬・馬には有毒です。

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学名Allium porrum
属Allium
目Asparagales

リーキ, Garden leek と Leek

基本情報
毒性
無毒 : 人 · 注意 : 子ども · 有毒 : 猫, 犬 と 馬
管理の難易度
中程度
植物タイプ
葉の性質
半常緑
寿命
二年草
自生環境
菜園や露地畑で栽培。地中海系の複合群に由来し、固有の野生生息地はありません
季節性
開花期
夏
収穫期
夏秋冬
生育
休眠
休眠しない
生育速度
4/10
成熟までの期間
品種により種まきから収穫まで4〜6か月
増やし方
種子, 株分け
気候と水やり
温度
耐寒性
耐風性
良好。株元が固定され、柔らかな葉は風の影響を受けにくい
湿度
40–70 %
水やり
ごく少量
少なめ
普通
多め
非常に多い
耐乾性
いいえ
用土
土壌pH
土壌タイプ
肥沃な土, 水はけのよい土, 涼しく湿った土
塩類土壌
耐えられない
光と置き場所
日照条件

日なた

日なたを好み、半日陰にも耐えます
屋外
菜園の畝, 花壇, 地植え
鉢
深鉢, 底穴のある鉢
形態
高さ30–150 cm株張り15–30 cm
葉
緑青
花
白ピンク紫
樹形・草姿
リーキ(Allium porrum):原産地と利用法 — 樹形・草姿 1
樹皮
白緑

世界の分布

リーキは固有の野生分布域を持たない栽培野菜です。POWOは地中海・近東に由来するAllium ampeloprasum複合群の栽培起源植物と位置付けています。主に庭、畑、野菜の生産地で育てられます。

  • 栽培6
  • フランス本土
  • ベルギー
  • 地中海沿岸
  • 近東
  • 北ヨーロッパ
  • 北アメリカ

六角形:植物が見られる地域。緑の点:原産分布域。1

基本情報

リーキ (Allium porrum L., 1753)は、ヒガンバナ科ネギ属の野菜です。本来は 二年草 ですが、葉鞘が重なってできる長い白い偽茎を食べるため、通常は開花前の一年目に収穫します。 1 3

ニンニク、タマネギ、チャイブと同じネギ属でも、リーキは 平たい葉 を持ち、丸い鱗茎を作らない点で異なります。人は食べられますが、ネギ属のほかの植物と同様、猫・犬・馬には 有毒 です。 2 7

見分け方

直立する円筒形の 白い偽茎 と、その上で扇状に広がる幅広く 平たい葉 が特徴です。タマネギのような中空の葉ではなく、株元も丸い鱗茎には膨らみません。基部がやや太くなり、その下から白いひげ根が伸びます。 3 5

葉色は品種によって 緑から青緑 まで変わり、厳しい寒さで紫色を帯びるものもあります。切るとニンニクより穏やかなネギ属の香りがします。菜園では偽茎の長さが通常 30〜50 cm になり、土寄せの程度により、そのうち 15〜25 cm ほどが白くなります。 2 4

収穫せず二年目を迎えると、 1 m を超えることもある直立した 花茎 が伸びます。先端には、白桃色から紫がかった小花が集まる大きな球状の散形花序ができます。開花する頃には偽茎が繊維質になり、食用としての適期を過ぎます。 3 6

分類のポイント

栽培リーキの分類上の位置付けには、見解の違いがあります。POWOはリンネが1753年に発表したAllium porrum L.を 受容名 としながら、Allium ampeloprasumの複合群に由来する 栽培起源植物 と位置付けています。リーキをAllium ampeloprasumの品種群として扱う著者も多く、資料によって二つの学名が現れる理由になっています。 1 5

主な異名と歴史的な学名には、次のものがあります。

  • Allium ampeloprasum subsp. porrum (L.) Hayek:亜種として扱う名称
  • Allium ampeloprasum var. porrum (L.) J.Gay:変種として扱う名称
  • Porrum sativum Mill.:歴史的な異名
  • Porrum commune Rchb.:歴史的な異名
  • Allium porrum var. kurrat (Schweinf. ex K.Krause) Seregin:関連する変種名

資料を照合するときは、Allium porrum、またはAllium ampeloprasumのリーキ品種群という科学的な位置付けを確認すると確実です。 Bleu de Solaise や Monstrueux de Carentan などの品種名は、別の植物種ではなく園芸的な選抜系統を指します。 1 6

生息地と分布

リーキには、この作物だけに固有の 野生の生息地がありません 。地中海から近東にかけての複合群に由来する栽培植物で、POWOも野生の原産域を明確に区切れる種ではなく、栽培起源植物として扱っています。 1 3

主に温帯の 菜園 、家庭菜園、露地の野菜畑で栽培されます。ヨーロッパでは地中海沿岸から北部まで広く作られ、北アメリカなど世界の温帯地域にも栽培が広がっています。 2 5

冬の菜園で重宝される理由は 耐寒性 です。冬採り品種は土中に残して寒い時期にも必要な分を収穫でき、ものによっては −15 °C ほどに耐えます。品種ごとの耐寒性が、冬野菜としての使い方を左右します。 2 4

生活環と繁殖

リーキは 二年草を一年作で利用する野菜 です。一年目に偽茎と葉が育ち、二年目には低温を経験したあとで抽苔し、開花・結実します。偽茎が繊維質になるのを避けるため、菜園では抽苔前に収穫します。 3 5

増やし方の基本は 種まき です。ヨーロッパの温帯栽培では2〜4月に苗床や育苗容器にまき、鉛筆ほどの太さになった苗を5〜7月に 定植 します。深めの定植と成長に合わせた 土寄せ で光を遮ると、長い白い部分ができます。発芽には約2〜3週間、種まきから収穫までは品種により 4〜6か月 かかります。日本では地域と品種に合わせて時期を調整します。 2 4

一部の株を残して咲かせると、 散形花序 に昆虫が訪れ、採種もできます。自家採種する栽培者もいますが、とくに品種の性質を安定して保ちたい場合、選抜された種子を購入する方法より時間がかかり、結果も不確実になります。 6 3

利用と注意点

リーキの主な用途は 料理 です。白い偽茎と葉の下部をスープ、蒸し煮、キッシュ、付け合わせに使い、ポトフやヴィシソワーズにも加えます。味が穏やかで低カロリーの野菜で、収穫時期の異なる品種を組み合わせれば長い期間利用できます。 3 2

人が通常の食品として食べる分には 安全 ですが、 動物 には同じことが当てはまりません。ASPCAはリーキを猫・犬・馬に有毒としています。ネギ属の含硫化合物、とくに チオ硫酸塩 は、これらの動物に嘔吐、元気消失、脱力を伴う 溶血性貧血 を起こすおそれがあります。Merck Veterinary Manualもネギ属中毒による赤血球の障害を説明しています。生でも加熱後でも、ペットには与えないようにしてください。 7 8

品種・類似種・近縁種

リーキの品種は別々の種ではなく、 園芸的に選抜された系統 です。 Bleu de Solaise は青みのある葉を持つ耐寒性の冬採り、 Monstrueux de Carentan は秋採りの短く太い偽茎、 Gros long d’été は早生で知られます。 Électra と Bandit は、それぞれ夏採りと冬採りの比較的新しい商品名です。収穫時期と耐寒性を基準に選びます。 2

見間違いやすい近縁の植物には、次のものがあります。

  • Allium cepa:タマネギ。葉が中空で、丸い鱗茎を作ります。
  • Allium ampeloprasum:広義にはリーキも含む分類群で、野生のリーキやニンニクに近い植物も含まれます。
  • Allium ursinum:ヨーロッパの林床に生える種。野外での採取時にリーキと混同しないよう注意が必要です。

菜園での確認には、円筒形の白い偽茎、扇状に並ぶ平たい葉、丸い鱗茎を作らない株元を合わせて観察するのが確実です。 5 6

主な参考文献

よくある質問

リーキは食べられますか?

はい。広く栽培される野菜で、主に白い偽茎と緑の葉の下部を食べます。細切りなら生でも使えますが、スープ、蒸し煮、付け合わせなど加熱調理が一般的です。

リーキは猫や犬に有毒ですか?

はい。ASPCAはリーキを猫・犬・馬に有毒としています。ネギ属の含硫化合物が溶血性貧血を起こすおそれがあるため、動物には与えないでください。

リーキとタマネギはどう違いますか?

リーキは重なった葉鞘が長い偽茎を作り、丸い鱗茎にはならず、葉は平たい形です。タマネギは膨らんだ鱗茎と中空の葉を持ちます。どちらもネギ属です。

リーキが抽苔するのはなぜですか?

若苗が低温に遭ったり、早くまき過ぎたりすると抽苔することがあります。二年草のため、低温がきっかけで一年目から開花し、偽茎の肥大が止まる場合があります。

白い部分を長くするにはどうしますか?

苗をやや深く定植し、成長に合わせて株元に土寄せします。光の当たらない部分が白く柔らかく育ちます。

リーキは霜に耐えますか?

青みのある葉のタイプなど冬採り品種は、土中で越冬でき、資料によっては約−15 °Cに耐えるとされます。冬の間、必要に応じて収穫できます。

栽培リーキの原産地はどこですか?

固有の野生集団を持たない栽培起源植物です。植物データベースでは、地中海・近東のAllium ampeloprasum複合群に由来し、野生のリーキやニンニクに近い植物と関連付けられます。

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植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。