カラタチ (Citrus trifoliata, L. 1763)

カラタチ(Citrus trifoliata)は中国原産のミカン科の落葉低木です。長くPoncirus属に分けられ、三出複葉、長いとげ、冬の落葉によってほかの栽培柑橘と区別できます。卓越した耐寒性から、熱帯以外で柑橘を育てるための代表的な台木となっています。

続きを読む
学名Citrus trifoliata
属Citrus
目Sapindales

カラタチ, Hardy orange と Karatachi

基本情報
毒性
注意 : 人(子どもを含む) · 有毒 : 猫, 犬, 馬 と 動物
管理の難易度
低い
植物タイプ
低木 · 生け垣列
葉の性質
落葉
寿命
多年草
原産国
中国韓国
自生環境
温帯の林縁や農村の生垣。台木や侵入を防ぐ生垣として広く植栽されます
季節性
開花期
春
収穫期
秋
生育
休眠
冬季休眠
生育速度
6/10
成熟までの期間
3–5年で開花することがあり、その後は毎年結実します
増やし方
種子, 挿し木
気候と水やり
温度
耐寒性
耐風性
根づいた後は風によく耐えます
湿度
40–70 %
水やり
ごく少量
少なめ
普通
多め
非常に多い
耐乾性
はい
用土
土壌pH
土壌タイプ
水はけのよい土, 軽い砂質土
塩類土壌
耐えられない
光と置き場所
日照条件

日なた

一日を通して強い直射日光が当たる場所に置きます。

日なた。開花には十分な日照が欠かせません
室内
サンルーム, 温室
屋外
生け垣列, 果樹園
鉢
テラコッタ鉢, 大型コンテナ
形態
高さ200–600 cm株張り200–500 cm
葉
緑黄
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 葉 1
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 葉 2
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 葉 3
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 葉 4
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 葉 5
花
白大きさ3–7 cm
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 花 1
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 花 2
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 花 3
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 花 4
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 花 5
果実
緑黄大きさ3–7 cm
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 果実 1
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 果実 2
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 果実 3
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 果実 4
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 果実 5
樹形・草姿
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 樹形・草姿 1
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 樹形・草姿 2
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 樹形・草姿 3
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 樹形・草姿 4
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 樹形・草姿 5
樹皮
緑
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 樹皮 1
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 樹皮 2
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 樹皮 3
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 樹皮 4
カラタチ(Citrus trifoliata):原産地と利用法 — 樹皮 5

世界の分布

自生域は中国中部と南部で、地域植物誌によっては朝鮮半島も含めます。日本には古くから導入され、耐寒性を生かして各地に植えられました。米国南東部では帰化し、複数の州で侵入植物に記録されています。

  • 原産2
  • 移入2
  • 侵略的1
  • 中国
  • 朝鮮半島
  • 日本
  • オーストラリア東部
  • 米国南東部

六角形:植物が見られる地域。緑の点:原産分布域。1

基本情報

カラタチ (Citrus trifoliata L., 1763)はミカン科の落葉低木です。長くPoncirus属に分けられてきましたが、現在の分類ではCitrus属に含まれます。鮮やかな緑の枝にとげが密生し、毎秋落葉する姿は、ほかの栽培柑橘とは大きく異なります。 1 2

旧名Poncirus trifoliata (L.) Raf.は、園芸や古い科学文献で今も広く使われます。二つの名前は同じ植物を指しています。 1

中国原産で、何世紀にもわたり林縁や生垣に育ってきました。その後、早くから評価されていた 耐寒性 を背景に、朝鮮半島、さらに日本へと広まりました。 3

見分け方

最初に注目したいのは、翼のある葉柄に三枚の小葉がつく 三出複葉 です。栽培柑橘では独特の構造で、常緑の種が多いCitrusと違って、冬にはすべての葉を落とします。 3 4

角張った鮮緑色の枝には、節ごとに長く硬いとげがつき、強く触れると皮膚を傷つけます。このため通り抜けを防ぐ植栽に使われます。密に茂る樹形となり、高さ 2–6 m 、幅 2–5 m ほどになります。 4 2

白い花は単生し、花弁は四枚か五枚、直径は 最大7 cm です。春、葉が完全に開く前に咲くことがよくあります。丸い果実は細かな毛に覆われ、秋に熟すとくすんだ黄色になります。ざらついて少し毛羽だった果皮は普通の柑橘と手触りが違います。 4 3

分類のポイント

この種の分類は著者によって大きく変わりました。20世紀には落葉性と三出複葉を理由にPoncirus属に分けられ、その後の分類改訂でCitrus属に含められました。 1

知っておきたい主な異名は、次のとおりです。

  • Poncirus trifoliata (L.) Raf.(異名)
  • Citrus trifoliata var. monstrosa T.Itô(異名)
  • Poncirus trifoliata f. monstrosa (T.Itô) H.Hara(異名)

枝が曲がる変種monstrosaから、観賞用品種Flying Dragonが生まれました。現在の受容名はCitrus trifoliataですが、園芸流通や台木の資料ではPoncirus trifoliataも引き続き使われます。 1 9

生息地と分布

中国中部と南部が自生域で、地域植物誌には朝鮮半島を加えるものもあります。日本には古くから導入され、「カラタチ」として、とくに畑沿いの防護用の生垣に植えられてきました。 3 1

耐寒性を生かして各地に植えられた後、米国南東部で帰化しました。林縁、農村の生垣、荒地へ広がり、アラバマ、ジョージア、サウスカロライナ、バージニアでは侵入植物として公的に記録されています。各個体が多数の種子をつけ、林冠下でもよく発芽するため、林床や道路沿いへの拡大が進みます。 7 3

フランスでは主に柑橘の台木や観賞用の生垣として栽培され、侵入植物としての記録は確認されていません。 8

生活環と繁殖

春の開花は、気候によって通常 4–5月 に見られます。前年の枝に香りのある花が一つずつつきます。果実は数か月かけて成熟し、秋、多くの場合は落葉が始まった後に落ちます。 4 2

増殖は主に実生で、数週間の低温処理を行ってから播きます。夏に半熟枝を挿し木する方法もあります。実生苗の初開花までは通常 3–5年 かかります。 5

農業上の大きな価値は耐寒性にあります。Citrusの品種をこの根に接ぐと、自根で育てた同じ品種より、数度低い気温での凍結にも耐えられます。そのため、熱帯以外で柑橘を栽培する代表的な台木となっています。 5 9

利用と注意点

東アジアでは乾燥した未熟果を、消化器の不調に用いる伝統薬「枳実(Zhi Shi)」の材料にしてきました。宋代までは主要な原料でしたが、より作用が強いとされたダイダイCitrus aurantiumに置き換わりました。 3

生の果実は非常に酸っぱく苦いため、そのまま食べるのには向きません。主にマーマレードや酸味のある飲料に加工します。 5

多くの柑橘と同様、刺激性の精油とソラレン類を含み、消化器症状の原因になります。強い日差しの下で葉や果皮を扱うと接触皮膚炎が起こる可能性もあります。ASPCAは猫、犬、馬に有毒としています。 6 3

長く硬いとげにも、実際にけがをする危険があります。単独の観賞樹というより、通り抜けられない防護用の生垣として伝統的に使われてきた理由です。 4

品種・類似種・近縁種

Flying Dragonは、枝がねじれ、とげが強く曲がる、最も広く普及した観賞用の選抜系統です。鉢植えの柑橘用の矮化台木にもなります。Rubidouxは生育の強さで選ばれた台木、Pomeroyは柑橘類の線虫の生物型を区別する研究に使われる台木系統です。 9

一般的なCitrusの若木と混同されることがあります。確かな手がかりは、三枚の小葉からなる落葉性の葉です。普通の商業用柑橘には、冬に葉を落とし、この葉の構造をもつものはありません。 4 3

シトレンジやシトルメロなど、ほかのCitrusとの交雑では、とげと耐寒性を受け継ぎ、接ぎ木個体の寒さへの耐性を高める一方、三出葉の親の落葉性は再現されません。

主な参考文献

よくある質問

カラタチも本当の柑橘ですか?

はい。ミカン科に属し、現在の分類ではCitrus属に含まれます。落葉性で三出複葉をもち、ほかのCitrusと大きく異なるため、長くPoncirus属に分けられていました。

カラタチの果実は食べられますか?

生では非常に酸っぱく苦いため、そのまま食べることはほぼできません。主にマーマレードや酸味のある飲料に使われ、乾燥した未熟果は東アジアの伝統的な薬用にも使われます。

カラタチを台木に使うのはなぜですか?

根によって一般的なCitrusより高い耐寒性を与えられるためです。同じ品種でも、自根では耐えられない霜に、カラタチに接いだものは耐えられる場合があります。

カラタチは侵入植物ですか?

米国南東部では林縁や荒地へ広がり、複数の公的な侵入植物リストに載っています。フランスでは主に栽培され、侵入的であるという記録は確認されていません。

カラタチは猫や犬に有毒ですか?

多くの柑橘と同様、刺激性のある精油とソラレン類を含みます。ASPCAは猫、犬、馬に有毒とし、摂取すると消化器症状が起こる可能性があります。

Citrus trifoliataとPoncirus trifoliataの違いは?

同じ植物の二つの名前です。Poncirus trifoliataは園芸で今も広く使う旧名で、Citrus trifoliataは主要な分類データベースが現在採用する植物学名です。

カラタチの生垣はいつ剪定しますか?

開花直後に剪定します。とげがあるため厚手の手袋と長袖を着用してください。年一回の剪定で、翌年の開花を損なわずに広がりを抑えられます。

似ている植物

植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。