センネンボク (Cordyline fruticosa, )



センネンボク(Cordyline fruticosa)は、英語圏でティー(ti plant)とも呼ばれるキジカクシ科の低木で、パプア地域から西太平洋にかけてが原産とされ、現在は東南アジアからオセアニア全域で栽培され、広がっています。葉を落とした溝のある茎の先に披針形の葉が房状に集まり、基本種では緑色ですが、園芸品種では赤、ピンク、斑入りのものがよく見られます。
続きを読むコルジリネ, Ti plant, Palm lily と Cabbage palm
葉に直射日光が当たらない、明るい場所に置きます。

世界の分布
Cordyline fruticosa の厳密な自生域については、今も議論が続いています。Plants of the World Online はパプア地域と西太平洋としていますが、東南アジア大陸部やオーストラリア北部まで含める資料もあります。ハワイや東ポリネシアに至る太平洋での広い分布は、自然に広がった結果ではなく、オーストロネシア系の航海者が意図的に運んだことによるものです。
基本情報
センネンボク(Cordyline fruticosa (L.) A.Chev., 1919)は、キジカクシ科コルジリネ属の常緑低木で、英語圏ではティー(ti plant)の名で知られます。この属は長く別の科に置かれてきました。リュウゼツラン科、次いでラクスマニア科に含められ、キジカクシ科のロマンドラ亜科に移されたのは2009年のことです。1 2
種小名 fruticosa は「低木状の」という意味で、花の特徴ではなく、成株の直立して枝分かれする姿を表しています。呼び名のティー(またはキー)は、再構成されたマレー・ポリネシア祖語の単語にさかのぼり、ハワイ語の kī やマオリ語の tī の元になりました。太平洋全域に人の手で運ばれた、その歴史をそのまま映した名前です。3
見分け方
葉の落ちた茎には縦の溝があり、花が咲くまでは枝分かれしません。開花したり傷ついたりすると、そこから枝を出します。茎の先には長さ30〜60 cmの披針形の葉が房になってつき、どの葉にもはっきりした長い葉柄があります。葉柄が短いかほとんどないドラセナ属とは、この点でまず区別できます。4 5
葉色は品種によって大きく異なります。基本種に近いものは一様な緑ですが、園芸品種には赤、ピンク、紫、クリーム色の斑入りなどがあります。熱帯で地植えにすると4 mを超えることもある一方、鉢植えでは1.5 mに届かないのが普通です。3 6
成株は冬から春にかけて、長さ30〜60 cmの大きな円錐花序を出し、白から薄紫色の香りのよい小花を多数つけます。花のあとには、赤または白の液果が房状に実ります。室内では光や根の張れる空間が限られるため、花を見る機会はあまりありません。4 3
知っておきたい分類
学名の変遷をたどると、園芸の現場に残る混乱の理由がよくわかります。リンネは最初にこの植物を Convallaria fruticosa として記載し、その後も長く Dracaena terminalis や Cordyline terminalis の名で扱われてきました。現在の受理名の組み合わせを定めたのは、1919年のオーギュスト・シュヴァリエです。2 1
購入や同定の前に確認しておきたいシノニムと旧名は次のとおりです。
- Dracaena terminalis L.
- Cordyline terminalis Kunth
- Convallaria fruticosa L.
- Taetsia fruticosa (L.) Merr.
- Dracaena ferrea L.
園芸カタログでは、習慣的に Cordyline terminalis の名がいまも多く使われています。とはいえ受理名は Cordyline fruticosa であり、主要な分類データベースに載っているのもこちらです。2
生育環境と分布
厳密な自生域がどこまでかは、資料によって見解が分かれています。Plants of the World Online はパプア地域と西太平洋としていますが、東南アジア大陸部やオーストラリア北部まで広げる研究もあります。2 6
ハワイ、ニュージーランド、イースター島にまで分布しているのは偶然ではありません。ヨーロッパ人が太平洋に来るはるか以前に、オーストロネシア系の航海者たちが食用や儀礼に使うため、この植物をカヌーに積んで意図的に運んだのです。1 3
自然の状態では明るい林床や林縁に生え、場所によって海抜0 mから標高約1,200 mまで見られます。太平洋の集落のまわりでは何世紀にもわたって栽培されてきたため、いまでは侵略的な植物というより、ほとんど在来種のように振る舞っています。3
生活環と繁殖
殖やし方の中心は、株元から出る子株の株分けと、節のついた茎挿しです。葉のない茎を切り分けたものは「ティーログ(ti log)」の名で売られており、温かく湿った用土に挿すと3〜6週間で新しい根を出します。6
茎の先に円錐花序をつけると、その茎は枝分かれしやすくなります。開花後、花序の下から1〜2本のわき芽が伸びるためで、古い株が剪定しなくても自然に枝分かれしていくのはこの性質によります。4
根茎には最大**20%**の糖分が蓄えられ、その多くは果糖です。ポリネシアの人々はこれを発酵させて酒(ハワイの okolehao)をつくり、食料が不足したときの救荒食としても利用してきました。1 3
利用と注意点
伝統的な用途は観賞にとどまりません。葉はフラのスカートや雨よけのケープに編まれ、屋根ふきに使われることもあります。発酵させた根からは伝統的な飲み物がつくられ、若い芽は葉物野菜として食べられてきました。太平洋のいくつかの文化では神聖な植物とされ、悪霊を遠ざけるために家のまわりに生け垣として植えられています。3 1
一方、ペットのいる家庭では十分な注意が必要です。ASPCA は、株全体に含まれるステロイドサポニンを理由に、センネンボクを犬と猫に有毒と分類しています。猫、犬、馬が口にすると、血が混じることもある嘔吐、過剰なよだれ、元気消失、食欲不振が見られます。樹液が肌に触れると、かぶれることがあります。7 6
品種・混同しやすい種・近縁の植物
園芸品種は数百にのぼり、葉の色や模様をもとに選抜されています。Tricolor(1枚の葉にピンク、クリーム、緑)、Red Sister や Firebrand(安定した鮮やかな赤)、Black Magic(黒に近い葉)、Kiwi(クリームとピンクの縁取り)などです。光が弱まると斑が薄れることがあるため、購入の前に斑の安定性を確かめておくと安心です。6
もっとも多いのは、コルジリネ属とドラセナ属の取り違えです。どちらも葉を落とした茎の先に葉が房になってつく姿をしていますが、根を見ればはっきり違い、コルジリネは白く繊維質、ドラセナは黄色から鮮やかなオレンジ色です。コルジリネのはっきりした葉柄と、多くのドラセナの短いか目立たない葉柄の差も、判断の裏づけになります。5
ニュージーランド原産のニオイシュロラン(Cordyline australis)も紛らわしい存在です。耐寒性がずっと強く、年とともに幹が太くなる種で、やはり長くドラセナ属に分類されたのち、同じコルジリネ属に移されました。1
主な参考文献
- Plants of the World Online / Kew, Cordyline fruticosa (L.) A.Chev.
- ASPCA、Ti Plant(Cordyline terminalis)の毒性情報
- Missouri Botanical Garden, Plant Finder, Cordyline fruticosa
- NC State Extension、Cordyline fruticosa の植物プロファイル
- National Tropical Botanical Garden, Cordyline fruticosa (Ti)
- Ethnobotany, phytochemistry and biological activities of the genus Cordyline (PMC)
- Au Jardin, Épinard hawaïen, Ti-plant, Cordyline fruticosa
- Succulentes、ドラセナとコルジリネ:よく似ているが別の二属
よくある質問
センネンボクは猫や犬にとって有毒ですか?
はい。ASPCA は、株全体に含まれるステロイドサポニンを理由に、犬、猫、馬に対して有毒と分類しています。口にすると、嘔吐、過剰なよだれ、食欲不振が起こります。
葉先が茶色くなるのはなぜですか?
もっとも多い原因は、水道水に含まれるフッ素や溶け込んだ塩類で、空気の乾燥がそれに拍車をかけます。ろ過した水や雨水を与え、周囲の湿度を上げれば、たいていは改善します。
コルジリネとドラセナはどう違いますか?
いちばん確かな手がかりは根の色で、コルジリネは白からクリーム色、ドラセナは黄色から鮮やかなオレンジ色です。コルジリネにははっきりした葉柄があり、多くのドラセナでは葉柄が短いかほとんどないことも、見分けの裏づけになります。
センネンボクは屋外で冬を越せますか?
保護なしでは難しいでしょう。10 °Cを下回る気温には弱く、-1 °C程度まで一時的に耐えたという報告もありますが、確実ではありません。関東のように冬の気温がこれを下回る地域では、鉢植えにして冬は室内に取り込むのが無難です。
「ティー」という名前はどこから来たのですか?
ティー(またはキー)は、再構成された祖語であるマレー・ポリネシア祖語の単語に由来し、ハワイ語の kī やマオリ語の tī の元になりました。この名前は、ポリネシア各地へ広がる植物とともに伝わっていきました。
斑入りの葉の色があせるのはなぜですか?
光が足りないと、色の美しい品種は葉緑素を多くつくるようになり、赤やピンクの色素が目立たなくなって緑に戻りがちです。明るい窓辺に近づければ、たいていは色のコントラストが戻ります。
似ている植物
植物学上の情報は、RHS、Kew Gardens、POWOなどの信頼できる資料を基にまとめています。本ページは参考情報です。毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。




