シベナガムラサキ (Echium vulgare, L. 1753)

シベナガムラサキ(Echium vulgare)は、ヨーロッパから西・中央アジア原産のムラサキ科の二年草です。現在は複数の大陸で帰化しています。粗い毛と紫色の斑点がある硬い茎に、青紫色の漏斗形の花を密につけ、赤い雄しべが外へ突き出します。日当たりのよいやせ地を好み、ハナバチを集めますが、繰り返し食べると家畜に毒性を示します。

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学名Echium vulgare
属Echium
目Boraginales

シベナガムラサキ, Viper's bugloss と Blueweed

基本情報
毒性
家畜に有毒なピロリジジンアルカロイドを含み、接触でも皮膚を刺激
管理の難易度
低い
植物タイプ
草本性 · ロゼット · 野草
葉の性質
落葉
寿命
二年草
原産国
フランススペインイギリスドイツ中央・東ヨーロッパ西・中央アジア
自生環境
乾いた石灰質・礫質土壌の法面、採石場、砂利採取地、道端、荒地、やせた牧草地
季節性
開花期
夏
生育
休眠
冬季休眠
生育速度
6/10
成熟までの期間
1年目にロゼット、2年目に開花・結実して枯れる二年草
増やし方
種子
気候と水やり
耐えられる温度
耐風性
深い直根と丈夫な茎により風に強い
水やり
ごく少量
少なめ
普通
多め
非常に多い
耐乾性
はい
用土
土壌タイプ
乾燥した土, 岩礫質土, 石灰質土, 水はけのよい土, やせ地
塩類土壌
耐えられる
光と置き場所
日照条件

日なた

一日を通して強い直射日光が当たる場所に置きます。

十分な日なたが必要
屋外
道端, 法面, 野草の草原, ロックガーデン
形態
高さ30–90 cm株張り30–45 cm
葉
緑
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 葉 1
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 葉 2
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 葉 3
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 葉 4
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 葉 5
花
ピンク青紫大きさ1.5–2 cm
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 花 1
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 花 2
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 花 3
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 花 4
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 花 5
果実
茶
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 果実 1
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 果実 2
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 果実 3
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 果実 4
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 果実 5
樹形・草姿
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 樹形・草姿 1
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 樹形・草姿 2
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 樹形・草姿 3
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 樹形・草姿 4
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 樹形・草姿 5
樹皮
緑紫
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 樹皮 1
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 樹皮 2
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 樹皮 3
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 樹皮 4
シベナガムラサキ(Echium vulgare):原産地と利用法 — 樹皮 5

世界の分布

POWOではヨーロッパから西・中央アジアを経て新疆までを自生域としています。PFAFは、スカンジナビアからイベリア、西アジアに至る乾いた石灰質土壌、特に沿岸の崖を中心的な生育地として挙げます。南北アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアに広く帰化し、牧草地、荒地、道端に生えます。アメリカのワシントン州ではクラスBの有害雑草として防除対象です。

  • 原産6
  • 移入4
  • フランス本土
  • スペイン
  • イギリス
  • ドイツ
  • 中央・東ヨーロッパ
  • 西・中央アジア
  • アメリカ合衆国
  • カナダ
  • ニュージーランド
  • オーストラリア

六角形:植物が見られる地域。緑の点:原産分布域。1

名前と由来

シベナガムラサキ(Echium vulgare L., 1753)は、ムラサキ科Echium属の二年草です。Plants of the World Onlineはこの名を受容名とし、記載から273年を経た現在も使われています。自生域はヨーロッパから中央アジアの新疆まで広がります。 1 10

ギリシャ語のechisはクサリヘビを意味し、属名の由来です。角ばった果実がヘビの頭を思わせ、根が民間療法でヘビの咬傷に使われた歴史とも結びつきます。NC Stateはこの語源を説明するとともに、今日では開花期にハナバチがよく訪れる蜜源雑草として知られることも示しています。 4

英名viper's buglossにもヘビを指すviperが残ります。buglossはギリシャ語の「牛の舌」に由来し、粗い葉の質感を表します。北米で使われるblueweedは、青い花を咲かせる侵略的な雑草としての性質に注目した名です。 3 4

見分け方

やせた土では、硬い毛のある丈夫な茎が直立し、しばしば紫色の斑点を帯びます。草丈は30〜90 cmです。最初は細い披針形でざらついた葉のロゼットを作り、翌年に花茎を伸ばします。 3 2

花の形と色は、荒地に生えるほかのムラサキ科植物との識別に役立ちます。桃色のつぼみが開くと、長さ1.5〜2 cmの鮮やかな青紫色の漏斗形花になり、赤い雄しべが大きく突き出します。さそりの尾のように巻く花序が集まり、密な円柱状の花穂を作ります。原産域の花期は5〜9月です。 3 2

茎や葉の硬い毛に触れると、敏感な人では接触皮膚炎を起こすことがあります。Missouri Botanical GardenとPFAFがともに挙げる注意点です。抜き取りや刈り取りには手袋が役立ちます。 3 6

分類と学名

種として認められるEchium vulgare L.には、POWOが受容する複数の亜種があります。広く分布する基本亜種vulgareに加え、スペイン固有の亜種asturicum、南ヨーロッパの亜種pustulatumなどです。 1

毛や花色の違いをもとに名づけられた古い名称の多くは、現在では異名にまとめられています。Echium vulgare var. hirsutum Wimm. & Grab.、同var. album Gray、同var. violaceum Grayなどがあり、現在は独立した分類上の区別として扱われません。 1

Echium属には数十種があり、化学的な危険性を共有するものもあります。Echium plantagineumもピロリジジンアルカロイドを含み、馬に同様の毒性リスクをもたらします。同属内で本種の位置づけを理解するうえでも役立つ比較です。 5

生育環境と分布

ヨーロッパ、西アジア、中央アジア、新疆へとつながる範囲が、POWOによる本来の分布です。PFAFはスカンジナビアからイベリア、西アジアに及ぶ地域を中心とし、特に乾いた石灰質土壌の海岸の崖、壁、採石場、砂利採取地を挙げています。 1 6

北アメリカ、南アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアには広く帰化しました。Missouri Botanical Gardenによると、アメリカの大半の州で、牧草地、畑、攪乱地、空地、道端に定着しています。 3

定着の容易さは、地域によって規制の理由にもなっています。アメリカのワシントン州ではクラスBの有害雑草として防除対象となり、株や種子の販売と輸送が禁止されています。同州では、やせた攪乱地や過放牧された牧草地で特に広がります。 9

生活環と繁殖

春または秋に発芽した種子は、まず地表にロゼットを作って冬を越します。翌年に花茎を伸ばし、結実すると枯れる、典型的な二年性の生活環です。RHSとMissouri Botanical Gardenは、一度開花・結実して一生を終える性質を記しています。 2 3

豊富な蜜を求めるミツバチやマルハナバチが、開花期の花を訪れます。RHSが送粉昆虫を引きつける植物とするように、受粉は昆虫に大きく依存します。受粉した花からは最大4個の角ばった痩果ができ、その形がヘビの頭にたとえられます。 2 4

こぼれ種による増殖は盛んで、Missouri Botanical Gardenは時に激しく広がると記しています。種子が散る前に花茎を切れば、そこから翌年の新たな実生が生じるのを防げます。荒地や法面で毎年見られるのは、同じ株が長生きするためではなく、この更新によります。 3

毒性と安全性

毒性の中心はピロリジジンアルカロイドです。Merck Veterinary Manualは、Senecio、Crotalaria、Heliotropium、Cynoglossumと並んでEchiumを中毒原因となる属に挙げています。牛、馬、飼育下のシカ、豚が特に感受性の高い動物です。 8

肝臓でアルカロイドが反応性の高いピロールへ変換され、肝細胞のDNAを傷つけます。繰り返し、あるいは大量に摂取すると慢性肝不全を起こし、とくに成長期の若い動物で問題となります。ASPCAも馬の肝毒性を示し、一度の少量摂取より、数週間の反復摂取が懸念されると説明しています。 8 7

人では、食用に関する未確定のリスクよりも、皮膚への刺激が身近な問題です。茎や葉の剛毛が接触皮膚炎を起こすことがあります。PFAFには若葉のサラダ利用の歴史が記されていますが、未確定の毒性への留保があり、継続的な食用は勧められません。 6 3

似た植物との違い

幅広い卵形の葉を持つEchium plantagineumが、同属で最もよく比較される種です。オーストラリアではPaterson's Curseと呼ばれます。本種の細い披針形葉と異なり、花色も青から紫、桃色へ移り、青紫色を保つ本種との識別点になります。 5

Echium plantagineumも馬に有毒なピロリジジンアルカロイドを含みます。そのため両種の見分けは、植物の同定だけでなく牧草地の管理にも役立ちます。 5 8

ルリジサやヒレハリソウなど、青い花を咲かせるほかのムラサキ科植物も、毛のある姿や同系統の有毒成分を共有しますが、外見は異なります。本種の花穂の形と鮮明な青紫色は、これら庭の植物と区別するための有力な手がかりです。 1

主な参考文献

よくある質問

シベナガムラサキに毒はありますか?

特に家畜に有毒です。ASPCAとMerck Veterinary Manualは、繰り返し、または大量の摂取による馬や牛の肝障害を記録しています。硬い毛は人に接触皮膚炎を起こすこともあります。

Echiumの語源は何ですか?

ギリシャ語でクサリヘビを意味するechisに由来します。角ばった果実がヘビの頭に似ており、根は民間療法でヘビの咬傷に使われましたが、現代的な有効性の裏づけはありません。

花が咲く前のロゼットはどう見分けますか?

秋から見られることの多いロゼットには、硬い毛を持つ披針形の根生葉があります。翌春に茎が伸びる前の識別に役立ちます。

侵略的な植物ですか?

ヨーロッパでは自生ですが、ほかの地域に広く帰化しています。ワシントン州ではクラスBの有害雑草で、まだ定着していない区域では防除義務があります。

同属の植物との見分け方は?

Echium plantagineumは葉がより幅広い卵形で、花色が青から紫、桃色へ変化します。本種は細い披針形葉を持ち、青紫色の花が識別点です。

送粉昆虫に役立ちますか?

RHSは開花期に送粉昆虫を強く引きつける植物としています。豊富な蜜を求めてミツバチやマルハナバチが訪れます。

葉は食べられますか?

PFAFには若葉を細かく切り、少量サラダに加えた古い利用の記録があります。ただし未確定の毒性への留保が添えられており、日常的な食用は勧められません。

似ている植物

植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。