オオアカバナ (Epilobium hirsutum, L. 1753)

オオアカバナ(Epilobium hirsutum)はアカバナ科の多年生草本です。ヨーロッパ温帯、北アフリカ、西アジアに分布し、窒素の豊富な川岸や溝、湿った草地で、横に走る地下茎によって密な群落を作ります。7〜9月には先端がくぼむ4枚の花弁を持つ大きな紅紫色の花を開き、その後、細長い蒴果から毛のついた種子を風に乗せて放ちます。

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学名Epilobium hirsutum
属Epilobium
目Myrtales

オオアカバナ, Great willowherb と Codlins and cream

基本情報
毒性
アカバナ属ではペットに対する毒性がないとされています
管理の難易度
低い
植物タイプ
宿根草 · 根茎性多年草 · 野草 · 送粉者を呼ぶ植物 · 薬用
葉の性質
落葉
寿命
多年草
原産国
フランスイギリススペインスウェーデンモロッコ
自生環境
川や水路の岸、溝、沼、窒素の豊富な湿った草地。海岸近くから標高2,500 mまで
季節性
開花期
夏
生育
休眠
冬季休眠
生育速度
8/10
成熟までの期間
1年目から開花し、地下茎で2〜3年のうちに密な群落になる
増やし方
種子, 株分け
気候と水やり
温度
耐寒性
耐風性
強い。茎は丈夫だが、大雨の後に水浸しの土で倒れることがある
湿度
60–90 %
水やり
ごく少量
少なめ
普通
多め
非常に多い
耐乾性
いいえ
用土
土壌pH
土壌タイプ
肥沃な土, 湿潤土
塩類土壌
耐えられない
光と置き場所
日照条件

日なた

朝か夕方を中心に、1日数時間の直射日光に当てます。

日なたから明るい半日陰
屋外
川岸, 水路脇, 湿性草地
形態
高さ100–250 cm株張り100–150 cm
葉
緑
花
ピンク紫
果実
茶
樹形・草姿
オオアカバナ (Epilobium hirsutum):原産地と利用法 — 樹形・草姿 1
樹皮
緑

世界の分布

ヨーロッパ温帯からスウェーデン南部、北アフリカ、西アジアが原産域です。北アメリカやオーストラリアにも広く帰化し、地域によっては湿った土で旺盛に広がる雑草として扱われます。

  • 原産5
  • 移入1
  • 侵略的1
  • フランス
  • イギリス
  • スペイン
  • スウェーデン
  • モロッコ
  • オーストラリア
  • アメリカ合衆国

六角形:植物が見られる地域。緑の点:原産分布域。1

基本情報

オオアカバナ (Epilobium hirsutum L., 1753)は、ヨーロッパ温帯の湿った川岸に群生するアカバナ科の多年草です。窒素の豊富な土では、毛の多い茎がしばしば2 mを超えます。属名Epilobiumはギリシャ語のepi(上)とlobos(莢)に由来し、花が長い下位子房の上に載る姿を表します。この子房が後に細長い蒴果になります。種小名hirsutumは、茎や葉を覆う密な毛や腺毛を指し、花がなくても触れた感触が識別の手がかりになります。 1 6

1753年にリンネが記載した植物で、英語では Great willowherb と呼ばれます。フランス語の複数の呼び名も、毛の多さや大きな花に着目したものです。長く同じ属に分類されていたChamerion angustifoliumとは別の植物です。 6 2

見分け方

直立する丈夫な茎は上部でよく枝分かれし、通常は 1.5〜2.5 m に達します。上限に近い高さになるのは非常に肥沃な土の場合です。細い毛と腺毛が密生してざらつくため、開花していない時期にも感触から見分けられます。 2 7

対生する披針形の葉は長さ 2〜12 cm で、縁に鋸歯があります。葉柄はなく、基部が茎を軽く抱きます。葉柄を欠くことと対生することの組み合わせが、互生葉を持つ水辺の大型草本との識別に役立ちます。 2 7

上部の葉腋につく花は幅 2〜3 cm ほどで、 鮮やかな紅紫色 の花弁4枚は先端がくぼみます。細い濃色の脈が入り、中心部は淡色です。8本の雄しべが花柱を囲み、その先には4裂する白い柱頭があり、アカバナ属の特徴を示します。 7 5

分類のポイント

19世紀から20世紀初めに記載された多くの変種や品種は、現在では異名として扱われ、POWO/WCVPの受容名はEpilobium hirsutum L.です。次の名もその中に含まれます。

  • Epilobium hirsutum var. villosum Mert. & W.D.J.Koch(変種名)
  • Epilobium hirsutum subsp. parviflorum Ehrh.(亜種名)
  • Epilobium hirsutum var. glabriusculum Mert. & W.D.J.Koch(変種名)
  • Epilobium hirsutum f. alboroseum D.C.McClint.(品種名)
  • Epilobium hirsutum var. tomentosum (Vent.) Boiss.(変種名)

フランスにはアカバナ属が数十種あり、遠目にはよく似たものが少なくありません。全体の輪郭だけで判断するより、花の大きさと茎の毛を確かめる方が確実です。 1 6

生息地と分布

スウェーデン南部までのヨーロッパ温帯、北アフリカ、西アジアに自生します。川や水路の岸、溝、沼、窒素の豊富な草地など、湿った環境に生え、山地では海岸近くから標高 2,500 m まで見られます。 5 1

原産域外では北アメリカやオーストラリアに広く帰化しています。横に伸びる地下茎で速く広がるため、監視対象となる地域があります。アメリカ北部の一部の州では植物体や種子の販売が制限されており、群落の定着後に有効な除草剤による防除が難しいことも背景にあります。 3

フランスでは湿地の在来種で、特別に侵略的な植物とは位置づけられていません。原産域外で注意される地下茎による広がりも、原産域では規制を伴わない生育の一部です。この扱いの違いは、植物の生物学的性質が変わるためではなく、その地域に元から生育するかどうかによります。 6

生活環と繁殖

ヨーロッパ温帯では 7〜9月 に開花し、気候に応じて7〜8月に盛期を迎えます。受粉した花は細長い蒴果となり、成熟すると4片に裂けます。中には絹糸状の毛を持つごく小さな種子が多数あり、風に乗って遠くへ運ばれます。 5 2

地下では 横に走る地下茎 が発達し、2〜3年で密な群落を作ります。豊富な種子と栄養繁殖を併用するため、定着した1株から川岸全体へ速く広がることができます。 3

夏の花にはハナアブ、ハチ、そのほかの訪花昆虫が集まり、幅広い昆虫が受粉に関わります。葉は、ヨーロッパで普通に見られる大型の蛾Deilephila elpenorの幼虫の食物にもなります。 5

利用と注意点

水辺の植栽では、観賞と生態的な役割が主な用途です。自然の川岸では柔らかい土を安定させ、季節の遅い時期まで訪花昆虫の食物を供給します。雨水を受ける庭や池のほとりでは、特に地下茎の広がりを抑える管理が必要です。 3 2

伝統的にはアカバナ属の乾燥葉を煎じて飲み、ロシアの kaporie tea も茶の代用品として利用されます。オオアカバナの抽出条件を調整したエキスには、オエノテインBやミリシトリンなどのフラボノイドが多く含まれます。実験室では 抗炎症作用 や化学療法の補助としての可能性が示されましたが、これらの結果を裏づけるヒトの臨床試験はまだありません。 8 5

ASPCAでは、オオアカバナを含むアカバナ属は猫、犬、馬に 無毒 とされています。一方、詳細のはっきりしない薬用利用後にけいれんが起きたとする、古い孤立した報告があります。近年の確認がないため、確立した事実とせず、慎重に解釈する必要があります。 4 5

品種・類似種・近縁種

野生の姿で扱われることの多い植物で、安定した園芸品種はわずかです。淡い花色の roseum や 'Caerphilly Castle' が、水辺の植物を扱う専門のナーセリーで時折流通しますが、栽培上の性質は十分に標準化されていません。 2

特に混同しやすい植物には次のものがあります。

  • Epilobium parviflorum:茎は同様に有毛ですが、花は 6〜10 mm と小さく、オオアカバナの2〜3 cmとは異なります。
  • Chamerion angustifolium:茎頂の密な花序と、鋸歯のない互生葉で見分けます。
  • そのほかの小型のアカバナ属:花がしばしば淡紅色でも、オオアカバナのような密な毛を欠きます。

野外で比較する際には、花の大きさと毛の密度が最も信頼できる手がかりです。茎の高さは土の肥沃さで大きく変わるため、それだけで判断するよりも確実です。 9

主な参考文献

よくある質問

オオアカバナは猫や犬に有毒ですか?

いいえ。ASPCAでは、オオアカバナを含むアカバナ属は、猫、犬、馬に無毒の植物として掲載されています。

Epilobium parviflorumとは何が違いますか?

両種とも茎に毛がありますが、Epilobium parviflorumの花は約6〜10 mmと小さく、オオアカバナの花は2〜3 cmです。

英名のCodlins and creamは何を意味しますか?

もんだ葉の焼きリンゴに似た香りと、花の淡いピンク色やクリーム色に由来する地方名です。認められた食用利用を示す名ではありません。

オオアカバナは侵略的な植物ですか?

フランスでは湿地に自生する在来種で、侵略的外来種とは扱われません。原産域外、特にアメリカ北部では、地下茎で旺盛に広がるため、地域によって監視されています。

オオアカバナのハーブティーは飲めますか?

アカバナ属の乾燥葉は伝統的に茶として使われ、ロシアではkaporie teaと呼ばれます。薬用利用後のけいれんを伝える古い孤立した報告があり、近年の確認がないため、慎重に考える必要があります。

オオアカバナはどこに自生しますか?

ヨーロッパ温帯からスウェーデン南部、北アフリカ、西アジアの湿った場所や水浸しの土に生えます。海岸近くから標高2,500 mまで見られます。

Chamerion angustifoliumとはどう見分けますか?

かつてアカバナ属に含まれたChamerion angustifoliumは、茎の先に長く集まる花と、鋸歯のない互生葉が特徴です。オオアカバナは葉腋に花をつけ、葉は対生します。

似ている植物

植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。