ブラックコホシュ (Actaea racemosa, )
ブラックコホシュ(Actaea racemosa L.、1753)は、北アメリカ東部を原産とするキンポウゲ科の多年草です。切れ込みのある葉の上に白い花穂を長く伸ばし、名前の由来となった黒く節くれだった根茎を地下にもちます。森林の湿り気のある林床で育ちます。
続きを読むブラックコホシュ, アメリカショウマ, Black cohosh, Black snakeroot, Black bugbane と Fairy candles
間接光の当たる場所か、日陰になる部屋に置きます。
半日陰〜日陰。朝の日差しが少し当たると開花しやすくなります





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Taken Jun 29, 2020 by Ha Anna (cc-by-sa)
Taken Sep 22, 2021 by Irmgard Groß (cc-by-sa)
Taken Aug 24, 2022 by E Schmidt (cc-by-sa)
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世界の分布
北アメリカ東部に自生し、オンタリオ州とケベック州南部からジョージア州、西はミズーリ州やアーカンソー州に及びます。POWOにはこの範囲外で目立った帰化の記録はなく、その他の地域では日陰の庭や抽出物の生産用に栽培されます。
基本情報
ブラックコホシュ(Actaea racemosa L.、1753)は、キンポウゲ科のActaea属に属する多年草です。英語のblack cohoshという名でも流通します。長くCimicifuga属に置かれていましたが、系統関係の見直しによりActaea属にまとめられました。 5 6
黒という名が示すのは、白い花と対照的な暗色で節くれだった根茎です。旧属名Cimicifugaは、ラテン語のcimex(カメムシ)とfugare(追い払う)に由来します。伝統的な虫よけ利用は、英名black bugbaneにも残っています。 7
花の色を確かめると、名前から生じる誤解を避けられます。花穂は全体が白〜クリーム色で、花弁を欠き、細い雄しべが多数集まって見えます。黒い花が咲く植物ではありません。 5
見分け方
直立する草の株は高さ1.2〜2.1 m、幅0.6〜1.2 mになります。よく育った株では花茎が伸びると2 mを超えることもあり、葉の茂みとその上に立つ花穂の高さの差が目立ちます。 2 7
濃緑色の葉は2〜3回三出する複葉で、小葉の縁に鋸歯があります。アスチルベの葉を大きくしたような姿です。30〜60 cmの長い花穂は葉より高く伸び、北米の自生地では6〜8月、緯度によっては9月まで見られます。 7 5
一つ一つの花はごく小さく、花弁をもたず白い雄しべの束のようです。花穂からは薬品を思わせる不快とされるにおいがあり、開花時の識別の手がかりになります。その後には、ほかの仲間の肉質の実とは異なる乾いた袋果ができます。 7
分類と学名
キュー植物園のPlants of the World Onlineが受容する学名は、1753年に発表されたActaea racemosa L.です。キンポウゲ科に属し、かつて広く用いられたCimicifuga racemosa (L.) Nutt.は、ITISでは受容されない異名に位置づけられています。 1 6
種子や苗を選ぶ際には、古い文献や販売名に現れる次の学名も役立ちます。
- Cimicifuga racemosa (L.) Nutt.:旧属名に基づく異名。
- Macrotys racemosa (L.) Raf.:古い文献に見られる異名。
- Actaea monogyna Walter:かつて用いられた異名。
Actaea属には、Actaea pachypodaやActaea rubraなど肉質の実をつける種も含まれます。同じ属でも果実の形は異なるため、購入時は一般名だけで判断せず、完全な学名を確認すると取り違えを避けやすくなります。 1
自生地と分布
オンタリオ州やメーン州からジョージア州、西はミズーリ州とアーカンソー州にかけて、北アメリカ東部に自生域が広がります。 3 7
腐植が多く適度に湿った落葉樹林の林床、樹木に覆われた斜面や谷、岩の多い林に生育します。ミズーリ州のオザーク地方にも見られ、長時間の強い直射日光を避けられる森林環境と結びついています。 2 3
北米の自生域を離れると、主に日陰の庭や抽出物を得るための栽培で見られます。POWOには、自生域の外で目立った帰化が起きているとの記録はありません。 1
生活環と繁殖
地下で年々太く広がる根茎が、ゆっくり育つ根茎性多年草の生活を支えます。若い間は数シーズンにわたり花茎が出ないことがあり、実生から花が多くなるには通常3〜4年を要します。 7
乾いた袋果の中にある小さな種子は発芽が遅く、採取後には発芽能力を失いやすい性質があります。数か月にわたる低温処理を2回行うと、発芽率の改善が期待できます。 3
栽培では春または秋に行う十分育った株の株分けが、最も確実な増殖方法とされます。長い低温処理や不揃いな発芽を伴う実生より早く開花株が得られます。若い根茎が広がるだけで花をつけない場合もあり、育つまでの時間を見込む必要があります。 3
利用と注意点
主な用途は薬用です。乾燥した根茎は、更年期の不調、月経痛、筋肉や骨格の痛みに伝統的に用いられてきた製剤の原料になります。伝統的な利用の歴史と、有効性の評価は分けて捉える必要があります。 5
米国のNCCIHは、ほてりに対する抽出物の有効性について一貫しない結果を報告しています。また、ブラックコホシュと表示された製品の摂取後に、時に重いまれな肝障害が報告されていますが、因果関係は確立していません。表示と異なる植物を含んだ市販品も確認されています。 4
猫や犬が食べた場合の毒性は記載されていません。記録上の注意は主に人の内服に関わり、特に妊娠中と授乳中には使用が勧められていません。 4
品種と似た植物
ブラックコホシュ自体には広く普及した観賞用園芸品種がない一方、近縁のActaea simplexには、濃い紫色の葉をもつBrunetteやHillside Black Beautyなどがあります。売り場で混同されがちですが、葉色や開花時期が異なります。 7
北米産のActaea pachypodaは、先端に黒い点のある白い実をつけ、食べると重い中毒を起こします。Actaea rubraの赤い実も危険です。これらと違い、Actaea racemosaの果実は肉質にならず、乾いた袋果になります。
三種を区別する際は、果実の形が最も確かな目印になります。乾いた袋果をつけるブラックコホシュと、色鮮やかな肉質果をつける仲間では、食べた場合の毒性について記録された危険度も大きく異なります。
主な参考文献
よくある質問
猫や犬に毒性はありますか?
猫や犬が食べた場合の毒性は記載されていません。人では市販の内服用抽出物でまれに肝障害が報告されていますが、NCCIHによれば因果関係は明確ではありません。
白い花なのに、なぜブラックと呼ばれますか?
黒に近い、節くれだった暗色の根茎に由来します。花穂は白〜クリーム色で、花弁ではなく多数の雄しべが目立ちます。
花が咲くまで何年かかりますか?
実生では花が多くなるまで通常3〜4年かかります。十分育った株を株分けすると、より早く開花を楽しめます。
どのような日当たりが適しますか?
半日陰〜日陰で、土が常に適度に湿る場所が適します。朝に数時間日が当たると、葉焼けを起こしにくく、開花も促されます。
似た仲間との見分け方は?
Actaea pachypodaとActaea rubraは白または赤の肉質の実をつけますが、ブラックコホシュの果実は乾いた袋果です。
Cimicifuga racemosaという学名は現在も使われますか?
古い文献で見られる異名です。ITISでは受容名とされず、基準となる学名はActaea racemosa L.です。
似ている植物
植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。




