キダチトウガラシ (Capsicum frutescens, L. 1753)

キダチトウガラシ(Capsicum frutescens)は、おそらくボリビアとブラジル中西部を原産とするナス科の亜低木です。現在は熱帯全域で栽培され、温帯の温室でも育てられます。多くの栽培トウガラシとは異なり、小さな果実が垂れ下がらず空に向かって立つため、近縁種との識別に役立ちます。ルイジアナ州の辛いソースの原料となる栽培品種Tabascoで特に知られています。

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学名Capsicum frutescens
属Capsicum
目Solanales

キダチトウガラシ, タバスコペッパー, Bird pepper, Tabasco pepper と Piri-piri

基本情報
毒性
有毒とはされませんが、通常の使用でもカプサイシンによる刺激があります
管理の難易度
低い
植物タイプ
葉の性質
常緑
寿命
多年草
原産国
ボリビアブラジルメキシコ
自生環境
低地熱帯の荒れ地や林縁。現在は主に栽培され、真の野生状態ではめったに観察されません
季節性
開花期
夏
収穫期
夏秋
生育
休眠
休眠しない
生育速度
6/10
成熟までの期間
植え替え後約3か月で結実し、暖かい1季で生活環を終えます
増やし方
種子
気候と水やり
温度
耐寒性
耐風性
弱く茎が折れやすいため、強風を避けます
湿度
40–70 %
水やり
ごく少量
少なめ
普通
多め
非常に多い
耐乾性
いいえ
用土
土壌pH
土壌タイプ
肥沃な培養土, 水はけのよい土
塩類土壌
耐えられない
光と置き場所
日照条件

日なた

朝か夕方を中心に、1日数時間の直射日光に当てます。

日なたを好みますが、軽い半日陰にも耐えます
室内
サンルーム, 明るい部屋
窓からの距離
室内に取り込んだ株は南向きの窓から約40 cm
屋外
菜園の畝, 日なたの花壇
鉢
テラコッタ鉢, 底穴のある鉢
形態
高さ50–200 cm株張り50–100 cm
葉
緑
花
白クリーム
果実
緑黄オレンジ赤大きさ1–2 cm
樹皮
緑茶

世界の分布

Capsicum frutescensの推定原産地はボリビアとブラジル中西部です。早い時期にメキシコ南部と熱帯アメリカ全域へ広がり、その後、植民地交易を通じてアフリカと東南アジアへ導入されました。現在はこれらの地域で広く栽培されています。

  • 原産3
  • ボリビア
  • ブラジル
  • メキシコ

六角形:植物が見られる地域。緑の点:原産分布域。1

基本情報

キダチトウガラシ(Capsicum frutescens L., 1753)は、ナス科トウガラシ属の亜低木です。タバスコペッパー、Bird pepper、Tabasco pepperなどの名でも販売されます。リンネが1753年に記載した本種は、常緑の葉を茂らせ、栽培時の高さは通常1〜2 mを超えません。 1 2

種小名frutescensは「低木になる」を意味し、その木質化する草姿を表します。茎の基部は年齢とともに木質化し、生活環を通じて草本のままである一般的な一年生トウガラシと異なります。遺伝的には、熱帯アメリカで栽培されるもう一つの代表的な辛いトウガラシCapsicum chinenseに近い種です。 5

見分け方

空に向かって上向きに立つ果実が、キダチトウガラシの最も確かな目印です。成熟しても小さな液果は上を向き、多くのCapsicum annuumのトウガラシやピーマンが茎から垂れ下がるのと異なります。 5 4

花は白色から緑白色で、葉腋に2〜4個ずつまとまって開きます。Capsicum annuumでは葉腋に1個ずつ咲く点が異なります。円錐形から楕円体の果実は長さ1〜2 cm、直径3〜7 mmで、緑から淡黄色、橙色を経て鮮紅色になります。 4 2

キダチトウガラシの葉は披針形から卵形で、縁に鋸歯はなく、長さは10〜20 cmです。葉をつける茎には角があり、ジグザグに伸び、基部近くが木質化します。 4

分類のポイント

Capsicum frutescens L.は、POWOで受容されている学名です。古い文献には、次のような植物学上の異名も登場します。 1

  • Capsicum minimum Roxb.:古い文献に見られる異名です。
  • Capsicum indicum Dierb.:古い文献に見られる異名です。
  • Capsicum conoides Roem. & Schult.:古い文献に見られる異名です。
  • Capsicum micranthum Link:古い文献に見られる異名です。

流通名は学名よりも混乱を招きやすい点に注意が必要です。Plants For A FutureはCapsicum frutescensの通称としてカイエンペッパーを挙げていますが、種苗店でCayenneとして販売される栽培品種は多くの場合Capsicum annuumです。この混同を避けるには、学名を確認するのが確実です。 3

生息地と分布

ボリビアとブラジル中西部が推定原産地です。そこから栽培化される前に、野生状態で中央アメリカやメキシコ南部へ広がったと考えられています。 4 1

IUCNレッドリストでのキダチトウガラシの評価は低危険種(LC)です。真に野生の個体群は次第に少なくなっていますが、分布域が広く世界各地で栽培されていることが、この評価につながっています。 7

植民地交易によって原産地から遠く離れた料理にも定着しました。エチオピアでは19世紀からbarbaréの名で栽培され、インドやフィリピンでも伝統的な調味料に取り入れられています。マスカリン諸島のレユニオンでは、順化した本種がpiment martinやpiment zozioと呼ばれます。 5 9

生活環と繁殖

自家結実性を持つキダチトウガラシの花は昆虫に送粉され、温帯では主に夏の終わりの8〜9月に咲きます。結実は植え替えのおよそ3か月後に続きます。 4

本来は多年生ですが、実用的な収穫期間は通常2年ほどで、1年目に最も多くの果実をつけます。温帯では一晩の霜でも枯れるため、鉢植えを室内に取り込むか、一年草として毎年まき直します。 4 3

繁殖は種まきのみで行い、20 °Cでは3〜4週間で発芽します。本種について信頼できる挿し木法は記載されていません。菜園では近くの品種と交雑することが多く、非常に辛い果実から採った種子でも、親株と同じ辛さになるとは限りません。 3

利用と注意点

調味料としてのキダチトウガラシは、生の果実、乾燥品、粉末、発酵させたソースなどの形で利用されます。ルイジアナ州で選抜されたTabascoは、McIlhenny社の有名な辛いソースの名の由来で、辛さは30,000〜50,000スコヴィル値です。 6 5

辛味を生む主成分のカプサイシンは、園芸資料によれば果実乾燥重量の0.1〜1.5 %を占めます。伝統的な利用では消化を促すためにも使われ、外用では非常に薄めて皮膚を赤くさせ、局所の血行を促す用途がありました。 3

よくある混同ですが、ASPCAではCapsicum frutescensを猫・犬・馬に対して有毒とはしていません。接触や大量摂取で口・目・皮膚を刺激するのはカプサイシンです。ASPCAのornamental pepperという項目は、ソラニンによる毒性を持つ別の植物Solanum pseudocapsicumを指しています。 4 8

キダチトウガラシの汁は、皮膚に水疱を生じさせることがあります。特に辛い果実を収穫するときは、手袋の着用が勧められます。 3

品種・類似種・近縁種

地域ごとに選抜された品種として、ルイジアナ州のTabasco、アフリカ南部とポルトガル語圏のPiri-piri、ブラジルのmalagueta、フィリピンのsiling labuyoが知られます。これらはすべてCapsicum frutescensの地域的な選抜系統であり、独立した植物種ではありません。 5 4

混同しやすいのは、遺伝的に近く、より多くの花がまとまることが多いハバネロのCapsicum chinenseと、果実の大半が下垂するCapsicum annuumです。さらに注意したいのは、丸い赤色の実をつける観賞植物のタマサンゴ(Solanum pseudocapsicum)との取り違えです。唐辛子を連想させる呼び名や果実の姿があっても別の植物で、食べると実際に中毒を起こします。 4 8

主な参考文献

よくある質問

キダチトウガラシはカイエンペッパーと同じですか?

必ずしも同じではありません。Plants For A FutureはCapsicum frutescensの通称にカイエンペッパーを挙げていますが、種苗店で扱うCayenneという栽培品種は多くの場合Capsicum annuumです。確かな基準は学名です。

キダチトウガラシは猫や犬に有毒ですか?

ASPCAでは有毒とされていません。接触や大量摂取ではカプサイシンが口・目・皮膚を刺激しますが、全身性の中毒を起こすとの記載はありません。

キダチトウガラシの果実はなぜ上を向くのですか?

鳥による種子散布に関わる生態から受け継がれた、本種の特徴です。葉の下に隠れた果実よりも、上向きに露出する果実のほうが鳥に見つかりやすくなります。

キダチトウガラシとハバネロはどう違いますか?

遺伝的に近い種ですが、ハバネロが属するCapsicum chinenseでは花がより多くまとまることが多く、果実の香りも強いのが特徴です。キダチトウガラシは常に上向きにつく小さな果実で見分けられます。

タバスコは独立した種ですか?

いいえ。Tabascoは19世紀にルイジアナ州で同名の辛いソースを作るために選抜されたCapsicum frutescensの栽培品種で、独立した植物種ではありません。

温帯でもキダチトウガラシを鉢植えで育てられますか?

冬は霜の当たらない室内に取り込むか、一年草として育てれば可能です。南向きの窓辺や明るいサンルームに置いた水はけのよい鉢が、暖かさを必要とする性質に適しています。

鳥はなぜカプサイシンに反応せずトウガラシを食べられるのですか?

鳥には、哺乳類で灼熱感を引き起こすカプサイシンに感受性のある受容体がありません。このため果実を丸ごと食べ、種子を傷つけずに散布できます。

似ている植物

植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。