スイカズラ (Lonicera japonica, )
スイカズラ(Lonicera japonica Thunb.)は、日本、朝鮮半島、中国東部に自生するスイカズラ科の半常緑つる植物です。強く香る白花が数日で乳黄色に変わり、英名golden-and-silver honeysuckleにもなっています。観賞用として導入された温帯の各地では、地域によって侵略的に広がっています。
続きを読むスイカズラ, ニンドウ, キンギンカ, Japanese honeysuckle と Jin yin hua






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Taken May 5, 2017 by Tela Botanica − Florent BECK (cc-by-sa)
Taken Jun 23, 2022 by Pl@ntNet (cc-by-sa)
Taken May 22, 2021 by Éric MARTINET (cc-by-sa)
Taken Dec 28, 2021 by Villena Rojas Marcelo (cc-by-sa)
Taken Jun 22, 2020 by Dieter Wagner (cc-by-sa)
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世界の分布
POWOは自生域を中国から日本、朝鮮半島を含む温帯東アジアとしています。観賞用として導入された温帯の各地で帰化し、原産地外では地域によって侵略的に広がっています。特にアメリカ合衆国南東部、ニュージーランド、オーストラリア東部で問題となっています。
基本情報
スイカズラ(Lonicera japonica Thunb., 1784)は、カール・ペーター・ツンベルクが記載したスイカズラ科のつる植物です。POWOはこの学名を受容し、中国から日本、朝鮮半島を含む温帯東アジアを自生域としています。 1 2
白い花が1〜2日で乳黄色になるため、同じ茎で2色が並びます。英名golden-and-silver honeysuckleは、この変化を表しています。一方、フランス語の販売名「中国のスイカズラ」は種全体ではなく、紫色のつぼみをもつChinensisという品種を指します。 3 8
見分け方
木質の茎が巻きつくつる植物で、冬の寒さにより半常緑から常緑になります。褐色の茎は古くなると樹皮が長い帯状にはがれ、若い枝には細かな毛があります。支えがないと地面をはい、接地した節から根を出します。 3 5
葉は対生し、卵形で通常は全縁ですが、春のごく若い枝では切れ込むこともあります。筒状で唇形の花は長さ2.5〜4 cmで、ガ類が活動する夕暮れに特に強く香ります。 3 5
直径約7 mmの丸い液果は葉腋に2個ずつつき、緑色から赤色を経て熟すと黒くなります。好条件では高さ5〜9 mに登り、2〜3年でトレリスを覆う、属内でも生育の速い種です。鉢や小さな支柱でも巻きつく性質は変わりませんが、到達する高さは支柱の大きさに応じます。 3
分類のポイント
低木とつる植物の両方を含むスイカズラ属の中で、本種ははっきりした登はん性を示す仲間です。過去にはLonicera japonica var. chinensis (P.Watson) BakerやLonicera japonica f. halliana (Dippel) H.Haraなどの変種・品種が記載され、現在は受容名にまとめられています。
Hallianaやフランスでの「中国のスイカズラ」という販売名は園芸上の選抜を指し、別種ではありません。同定の安定した基準はLonicera japonica Thunb.という学名です。 1 2
生息地と分布
日本、朝鮮半島、中国の低木の茂み、林縁、丘陵に自生し、多様な土壌で日なたから半日陰に生育します。根づいた株の耐えられる温度は−20〜38 °C、耐寒性の目安はUSDA 4〜10です。この適応力が原産地から遠い地域への広がりを助けています。 1 5
観賞用として原産地の外へ運ばれ、温帯の各地に帰化しました。アメリカ合衆国南東部では侵略性の強い外来種とされ、地下茎、地表をはう茎、鳥が運ぶ種子で広がります。ニュージーランドとオーストラリア東部でも同様の状況が報告されています。 6 3
庭では観賞植物でも、自然環境では侵略的になることがあります。このため、正式な指定地域以外でも毎年の剪定や自然に生えた実生の除去が勧められます。 6
生活環と開花
気候により5〜8月に開花します。白い花が1〜2日で乳黄色に変わる現象は英名の由来であり、ガ類に花の相対的な成熟段階を示します。 3 5
花後の実は緑色から青黒色へ熟し、晩夏にも緑の葉と対照をなします。鳥が実を食べて種子を広く運ぶため、植えられた庭の外でも新たな場所への定着が進みます。 3 6
園芸では半木質化した枝の挿し木や、地面に触れた茎の取り木で増やします。どちらも2〜4週間で根づき、低温層積処理を要する種まきより早く確実に発根しやすい方法です。 5 3
利用と注意点
中国でjin yin hua(金银花、金銀の花)と呼ばれる乾燥したつぼみは、熱、感染症、炎症に対する伝統的な生薬として何世紀も使われてきました。1995年から中国薬典に収載され、抗菌・抗ウイルス作用の研究も続いています。 7
生の花の甘い蜜を吸ったり、花を茶にしたりする民間利用もあり、乾燥つぼみの薬用とは区別されます。一方、葉、茎、特に実にはサポニンが含まれます。実を多量に食べると、特に子どもや好奇心の強い幼いペットで嘔吐や消化器症状を起こす場合があります。 5 3
温帯の庭では食用・薬用より、パーゴラや柵、目隠しの生け垣を飾る用途が中心です。旺盛な生育を抑えるため、毎年の剪定が前提になります。 3
品種・類似種・近縁種
主に流通する4品種のうち、Hallianaは白からバター色へ早く変わる花で人気があり、Aureoreticulataは金色の葉脈で区別できます。Purpureaは若葉が紫色を帯び、Chinensisは紫色のつぼみが特徴で、フランスでは「中国のスイカズラ」として売られます。いずれも同じスイカズラの選抜で、別種ではありません。 4 3
識別時には次の近縁種も確認します。
- Lonicera periclymenum(ニオイニンドウ)は、より桃色を帯びた花をつけ、原産地外でも広がりは比較的控えめです。
- Lonicera maackiiはつるではなく低木で、北アメリカでは同じく侵略的外来種です。
- Lonicera sempervirensは北アメリカのつる植物で、橙赤色の花は大きく変色しません。
共通名が重なる場合も、学名が同定の基準になります。登はん性、花色、侵略性を組み合わせると、この4種を区別しやすくなります。
主な参考文献
- Plants of the World Online / Kew, Lonicera japonica Thunb.(植物情報)
- International Plant Names Index, Lonicera japonica(植物情報)
- NC State Extension, Lonicera japonica - Japanese Honeysuckle(植物情報)
- Royal Horticultural Society, Lonicera japonica 'Halliana'(植物情報)
- Plants For A Future, Lonicera japonica(植物情報)
- Maine Natural Areas Program, Lonicera japonica 侵略的外来植物の解説
- PMC, 薬理学的総説:Lonicera japonica (Jin Yin Hua)
- Wikidata, Lonicera japonica(植物情報)
よくある質問
スイカズラはフランスで侵略的外来種として規制されていますか?
フランスでは侵略的外来種として規制されていませんが、旺盛に伸びるため毎年の剪定と実生の監視が必要です。アメリカ合衆国南東部、ニュージーランド、オーストラリア東部では侵略的外来種とされています。
花が白から黄色へ変わるのはなぜですか?
開花時は白く、1〜2日で乳黄色になります。ガ類による受粉と関係する変化で、同じ茎に2色の花が見られることが多く、golden-and-silver honeysuckleという英名につながっています。
実には毒がありますか?
葉、茎、実にサポニンが含まれます。実を多量に食べると、特に子どもで消化器症状を起こすことがあります。動物種ごとの情報は限られ、重篤な危険と断定するより誤食への注意が必要です。
伝統的にはどのように利用されてきましたか?
中国でjin yin huaと呼ばれる乾燥したつぼみは、熱や感染症に対する伝統的な生薬として長く用いられてきました。生の花の蜜を吸ったり、花を茶にしたりする利用もあります。
ニオイニンドウとはどう違いますか?
Lonicera periclymenumは花がより桃色を帯び、原産地外での広がりも比較的控えめです。スイカズラは白から黄色へ変わる花と、アジアの外で特に侵略的になる性質で区別できます。
温帯の庭に植えてもよいですか?
容易に育つことが、侵略的外来種に指定された地域では問題になります。栽培する庭では、毎年の剪定と実生の除去で周辺の自然環境への逸出を抑えます。
似ている植物
植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。






