ウスバスナゴショウ (Peperomia pellucida, )
ウスバスナゴショウ(Peperomia pellucida)は熱帯アメリカ原産のコショウ科の小さな一年草で、現在は熱帯各地に広がっています。光を通すような茎と葉が特徴で、栽培植物の湿った鉢土によく発芽します。雑草として扱われる一方、伝統的な食用植物でもあります。
続きを読むウスバスナゴショウ, Zèb kouwès, Koklaya, Man to man と Pepper elder
間接光の当たる場所か、日陰になる部屋に置きます。
半日陰から柔らかな光





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Taken Oct 1, 2009 by OTS - Oviedo-Brenes, Federico (cc-by-nc-sa)
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Taken Feb 4, 2013 by Tela Botanica − Chloe PIERRE (cc-by-sa)
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世界の分布
原産地は熱帯アメリカです。アフリカ、マダガスカル、東南アジア、オセアニアの熱帯・亜熱帯に広く帰化し、本来の分布域と導入地域の区別が難しくなっています。
基本情報
ウスバスナゴショウ(Peperomia pellucida (L.) Kunth, 1816)はサダソウ属の小さな一年草で、コショウ科に属します。リンネが1753年にPiper pellucidumとして記載した植物を、クントがPeperomia属へ移しました。 2 1
種小名pellucidaはラテン語で「透明な」を意味します。茎も葉も薄く、光をほとんど透かすように見えることにちなみます。 3
フランス領アンティルの呼び名herbe couresseには、樹液がヘビの咬傷に役立つという古い俗信が残っています。couresseは現地の無毒のヘビの名です。 9
見分け方
草姿は低くまとまり、通常の高さは10〜40 cmです。茎は毛がなく、多肉質で折れやすく、半透明に見えます。 3 7
互生する心形の葉は長さ0.6〜4 cm、幅0.5〜3 cmです。基部から5〜7本の葉脈が扇状に広がり、属の特徴を示します。 3
葉や茎をもむとマスタードの香りが生じます。似た姿の植物と区別する際に役立つ特徴です。 8
モンステラやフィロデンドロンなどを植えた湿った鉢土にも発芽します。単なる雑草と思われがちですが、伝統的に食用とされる独立した種です。
分類のポイント
受容される学名はPeperomia pellucida (L.) Kunthです。基礎異名Piper pellucidum L. 1753は、かつてコショウと同じPiper属に置かれ、1816年にクントが分類を改めた経緯を示します。 2 1
植物学的な変種は2つ認められます。広く分布する基本変種Peperomia pellucida var. pellucidaと、アルゼンチン北西部に限られる、より多肉質で多年性のPeperomia pellucida var. argentina Yunck. 1955です。 1
サダソウ属は1,000種以上を含み、その多くは厚い葉を観賞する室内植物として栽培されます。本種は一年草で、鉢物の観賞植物というより、自然に生える草として育つ点が異なります。 8
コショウ科で主要な属は、コショウを含む約2,000種のPiper属と、主に熱帯林床で着生または地生するPeperomia属です。両属の近縁関係は、コショウと本種の花穂が似ていることにも表れています。 1
生息地と分布
熱帯アメリカを起源に、西アフリカ、マダガスカル、東南アジア、オーストラリア北部など、熱帯・亜熱帯の大部分へ帰化しました。本来の分布と導入による分布の境界は、現在では見分けにくくなっています。 1 7
好む環境は湿った日陰で、水のしみ出す壁、歩道の割れ目、耕された庭、人家周辺の窒素に富む土に生えます。フランス領ではギアナとマルティニークに生育記録があります。 6
西オーストラリアでは導入種として扱われ、モンスーン気候下の水分の多いシルト質土壌に定着しています。 7
人の手でかく乱された場所を利用し、工事現場、割れた歩道、耕し直した畑、水浸しの道端にも生えます。この性質が、原生林から遠い熱帯の大都市にも進出する理由です。
生活環と繁殖
温度と湿度がそろうと、発芽、開花、種子形成までを数週間で終える短命な一年草です。 3
花弁のない微小な花が、長さ2〜6 cmの直立した穂に並びます。これはコショウ科に特徴的な花序です。 3
成熟した穂には、直径わずか1 mmほどの黒い果実が多数つきます。落ちた種子は湿った用土で発芽するため、草を抜いた鉢にも数週間で再び現れます。 3
利用と注意点
ASPCAはPeperomia属を猫と犬に無毒と分類しています。ウスバスナゴショウでも有毒成分は特定されていません。 4
マウスの毒性試験では、単回5,000 mg/kgの投与、および500 mg/kgを28日間投与した条件で、死亡や肝障害は認められませんでした。この結果は、伝統的な食用利用の安全性を支持しています。 5
熱帯の複数の地域では、全草を生のサラダや加熱した葉物野菜として利用します。フランス領ギアナでは新鮮な状態で食べられます。 8
アンティルの伝統医療では、煎じ液が咳や尿路の炎症に用いられてきました。動物試験では抗炎症・鎮痛作用が報告されていますが、医療上の助言に代わるものではありません。 8 5
抽出物にはポリフェノール、フラボノイドのアピゲニンとアカセチン、タンニン、サポニンが含まれます。総フェノール量は1 g当たり没食子酸換算273 mgと測定されています。 5
変種と近縁種
名前のついた園芸品種はなく、苗圃で選抜されてきた植物ではありません。認められるのは基本変種とPeperomia pellucida var. argentinaという植物学的な2変種です。 1
特に間違えやすいPilea microphyllaは、同じ湿った鉢に生えるイラクサ科の植物です。葉は数mmと小さく、本種の1〜4 cmの葉とは異なり、もんでもマスタードの香りがしません。 3
園芸店で売られるP. obtusifoliaやP. rotundifoliaなどのサダソウ属は、厚く多肉質な葉をもつ多年草です。その鉢に自発的に入り込む一年草の本種とは、園芸上の性格が異なります。
主な参考文献
- Plants of the World Online / Kew, Peperomia pellucida (L.) Kunth
- International Plant Names Index, Peperomia pellucida (L.) Kunth
- Flora of North America / efloras.org, Peperomia pellucida
- ASPCA, Trailing Peperomia 毒性情報
- PMC, Peperomia pellucida 成分、抗酸化特性と安全な利用
- INPN / MNHN, Peperomia pellucida (L.) Kunth, 1816
- FloraBase Western Australia, Peperomia pellucida 植物情報
- Wiktrop, Peperomia pellucida (L.) Kunth
- Base de données lexicographiques panfrancophone, herbe couresseの語彙情報
よくある質問
ウスバスナゴショウは食べられますか?
はい。熱帯の複数の地域では全草を生のサラダや加熱した葉物野菜として食べます。フランス領ギアナでは新鮮な状態で食用にします。
猫や犬に有毒ですか?
ASPCAはPeperomia属を猫と犬に無毒としています。この種についても、利用できる安全性研究では有毒成分は特定されていません。
植木鉢に自然に生えるのはなぜですか?
微小な種子が容易に散布され、湿った用土に触れると発芽します。そのため、まいていなくても熱帯性観葉植物の鉢によく現れます。
Pilea microphyllaとはどう見分けますか?
ウスバスナゴショウの葉は心形で1〜4 cmあり、もむとマスタードの香りがします。Pilea microphyllaは葉が数mmで、地面を覆うように生え、香りはありません。
フランス語名herbe couresseの由来は何ですか?
アンティル諸島の古い俗信で、樹液がヘビの毒から身を守ると考えられたことに由来します。couresseは同地域の無毒のヘビを指します。
寒さに耐えますか?
いいえ。寒さに弱い熱帯植物で、10〜12℃を下回ると衰え、凍結には耐えられません。
似ている植物
植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。







