サボンソウ (Saponaria officinalis, L. 1753)

サボンソウ(Saponaria officinalis)はヨーロッパとコーカサス原産のナデシコ科の、地下茎をもつ多年草です。対生する葉をつけた直立茎が密に群生し、夏から秋に桃色または白色の花が咲き、夕方に香ります。泡立つサポニンを豊富に含む根と種子が名の由来で、古くから羊毛や繊細な織物を洗う植物性の石けんに使われてきました。

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学名Saponaria officinalis
属Saponaria
目Caryophyllales

サボンソウ と Bouncing bet

基本情報
毒性
注意 : 人 と 馬 · 有毒 : 猫 と 犬
管理の難易度
低い
植物タイプ
葉の性質
落葉
寿命
多年草
原産国
フランス中央ヨーロッパコーカサス
自生環境
道端、斜面、河岸、荒れ地。やせて水はけがよく、やや石灰質の土壌
季節性
開花期
夏秋
生育
休眠
冬季休眠
生育速度
7/10
成熟までの期間
2年目から十分に開花し、地下茎により2–3年で群落が定着する
増やし方
株分け, 種子, 挿し木
気候と水やり
温度
耐寒性
耐風性
中程度。茎は比較的硬いが、肥沃すぎる土では倒れる
湿度
40–60 %
水やり
ごく少量
少なめ
普通
多め
非常に多い
耐乾性
はい
用土
土壌pH
土壌タイプ
水はけのよい土, 石灰質土, 軽い砂質土
塩類土壌
耐えられない
光と置き場所
日照条件

日なた

日なた。軽い半日陰にも耐える
屋外
日なたの花壇, 花壇
鉢
コンテナ
形態
高さ40–100 cm株張り30–60 cm
葉
緑
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 葉 1
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 葉 2
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 葉 3
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 葉 4
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 葉 5
花
ピンク白大きさ1.5–2.5 cm
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 花 1
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 花 2
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 花 3
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 花 4
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 花 5
果実
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 果実 1
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 果実 2
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 果実 3
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 果実 4
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 果実 5
樹形・草姿
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 樹形・草姿 1
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 樹形・草姿 2
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 樹形・草姿 3
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 樹形・草姿 4
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 樹形・草姿 5
樹皮
緑
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 樹皮 1
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 樹皮 2
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 樹皮 3
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 樹皮 4
サボンソウ (Saponaria officinalis):原産地と利用法 — 樹皮 5

世界の分布

自生域はヨーロッパからコーカサスに及び、園芸普及機関の資料ではスカンディナビアからスペインまで連続的な分布が報告されています。フランス本土(コルシカ島を含む)では在来種として攪乱地に生え、懸念される状態にはありません。北アメリカには古くに導入され、道沿いや空き地で広く帰化しています。

  • 原産3
  • 移入3
  • フランス本土(コルシカ島を含む)
  • 中央ヨーロッパ
  • コーカサス
  • イギリス
  • アメリカ合衆国
  • カナダ

六角形:植物が見られる地域。緑の点:原産分布域。1

基本情報

サボンソウ(Saponaria officinalis L., 1753)は、ナデシコ科サボンソウ属の高さ 40–100 cm の多年草です。フランス語ではsavonnièreとも呼ばれます。属名は石けんを意味するラテン語 sapo に由来し、根をもんで水の中でかき混ぜると細かな泡が出ます。これは特に根と種子に多いトリテルペン系サポニンによるものです。 1 8

サポニンの泡立つ性質から、フランス語では「石けんの草」「毛織物職人の草」に当たる別名もあります。後者は根の煎液で刈り取った羊毛の脂を落とした職人を指します。英名 bouncing bet は洗濯物に身をかがめる洗濯女を親しみを込めて表した名です。「石けんの植物」を意味するsoapwortにも同じイメージが見られます。 3 8

見分け方

高さ40–100 cmの丈夫な円柱形の茎が直立して群生します。ナデシコ科に特徴的な膨らんだ節は、赤みを帯びることがよくあります。対生する卵状披針形の葉には葉柄がなく、はっきりした縦の3本の葉脈があります。花がない時期にも役立つ特徴です。 2 4

茎の先に密に集まる花は、桃色または白色の5枚の花弁をもちます。各花弁の基部には小さな2枚の鱗片があり、筒状の萼の入口に冠状の構造をつくります。花径は 1.5–2.5 cm で、夕方になると香りが強まり、主に送粉者となるガ類を引き寄せます。 4 3

実は長楕円形の蒴果で、多数の小さな黒い種子を含みます。熟すと先端が四つの歯状に開き、種子を放出します。地中では、しばしば浅い位置を地下茎が横に伸び、一つの株が2–3年で連続した群落になります。 3

分類のポイント

本種をリンネが Saponaria officinalis L.として記載したのは 1753年で、Kewは今もこの名を受容しています。サボンソウ属はナデシコ科の約20種からなり、種小名officinalisをもたなくても、同じ泡立つ性質を備える種があります。 1 7

庭でよく栽培される次の姿は、独立した種ではなく園芸上の選抜品種です。

  • Saponaria officinalis 'Rosea Plena'、桃色の八重咲きです。
  • Saponaria officinalis 'Alba Plena'、白色の八重咲きです。
  • Saponaria officinalis 'Variegata'、葉にクリーム色の斑が入ります。

分類上の安定した基準は、受容名 Saponaria officinalis です。こうした園芸品種でも、基本種の所属する科や地下茎で広がる性質は変わりません。 2

生息地と分布

自生する範囲はヨーロッパからコーカサスに及び、英語圏の園芸普及機関ではスカンディナビアからスペインまで連続的な分布が報告されています。フランス本土(コルシカ島を含む)では、道端、斜面、河岸、荒れ地などの攪乱された場所の、やせて水はけがよく、やや石灰質の土に生えます。開けた場所の厳しい冬に耐え、特別な防寒をしなくても −15 °C まで耐えます。 3 8

北アメリカへの導入は古く、道沿いや空き地に広く帰化しています。現地では普通の雑草とみなされ、ヨーロッパにおける一般的な在来種という位置づけとは異なります。 4

生活環と繁殖

春に気温が 15 °C を超えると、地下茎から新しい茎が伸びます。花期は 7–9月で、温暖な気候では10月に及ぶこともあります。受粉した花はそれぞれ蒴果となって多数の小さな種子を放出しますが、群落が季節を越えて残り広がる主な手段は、横に伸びる地下茎です。 2 4

園芸では春または秋の地下茎の株分けが主な増殖法です。土を湿らせておけば活着しやすく、確実な方法になります。基本種で行う播種には低温湿潤処理が必要で、処理後は約4週間で発芽します。 3 4

伝統的な繊維洗浄には、2–3年育った地下茎が、利用に適したサポニン濃度を備えます。熱湯に浸すと、繊細な繊維にも穏やかな泡立つ液が得られます。 8

利用と注意点

古くから植物性の石けんとして利用され、煎液で刈り取ったばかりの羊毛の脂を落とし、繊細な織物を色を損なわずに洗っていました。現在も繊維の修復で、傷みやすい古いタペストリーや織物を、地下茎の煎液で穏やかに洗う利用が続いています。 8

全草にトリテルペン系サポニンが含まれ、特に根と種子に集中しています。人が食べると吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状を起こしますが、通常の外用では重篤な問題はありません。ASPCAは猫と犬に有毒な植物に分類し、大量に食べた馬にも同程度のリスクがあります。 4 6

庭での主な難点は、その旺盛さです。肥沃で湿った土では地下茎で急速に広がり、伸びた茎が倒れがちになります。やせて水はけのよい土なら、開花を損なわずに拡大を抑えられます。そのため十分に施肥した花壇より、ロックガーデンや斜面に勧められます。まとまった株を保つには 2–3年ごとに株分けします。 5

品種・類似種・近縁種

八重咲きは別種ではありません。'Rosea Plena' と 'Rubra Plena' は桃色から赤色の八重咲きで、不稔のため発芽可能な種子をつくりません。'Variegata' はクリーム色の覆輪が特徴です。これらの選抜品種は株分けのみで増やします。 2

同じ斜面や乾いた草地で見かける、桃色の花が似たナデシコ科の植物と混同されがちです。

  • Dianthus barbatus、萼が短く、花弁の縁が房状で、サボンソウの冠状鱗片をもちません。
  • Silene dioica、花がより小さく、萼が袋状に膨らみます。
  • Lychnis flos-cuculi、花弁が細いひも状に深く裂けます。

庭のナデシコと区別するには、5枚の花弁と2枚の冠状鱗片を確認します。後者は Dianthus barbatus にはありません。Dianthus barbatus、Silene dioica、Lychnis flos-cuculi に対しては、長い筒状の萼と花弁の付け根の小さな鱗片が最も確かな手掛かりで、もんだ根の独特の石けんを思わせるにおいも参考になります。 4 2

主な参考文献

よくある質問

サボンソウには毒性がありますか?

全草にサポニンがあり、特に根と種子に多く含まれます。人が食べると消化器症状を起こします。ASPCAは猫と犬に有毒とし、馬にも同程度のリスクがあります。

石けんの草と呼ばれるのはなぜですか?

根や葉をもんで水中でかき混ぜると、サポニンによる細かな泡が出ます。この泡立つ性質は、工業製の石けんを使わずに刈り取った羊毛の脂を落としたり、繊細な布を洗ったりするために長く利用されました。

一重のサボンソウとRosea Plenaはどう違いますか?

基本種は花弁5枚の一重咲きで、種子をつくれます。Rosea Plenaなどの八重咲きは不稔の園芸選抜品種で、地下茎の株分けのみで増やします。

サボンソウは庭で広がりすぎますか?

適した土では地下茎が速く広がり、肥沃で湿った花壇では繁茂しすぎることがあります。やせて水はけのよい土と定期的な株分けで、広がりを抑えられます。

現在もサボンソウで布を洗えますか?

はい。2–3年育った地下茎を熱湯に浸して得る煎液は、一般的な石けんには弱すぎる古いタペストリーや織物を穏やかに洗うため、繊維の修復で今も使われています。

サボンソウと庭のナデシコはどう見分けますか?

Dianthus barbatusは萼が短く、花弁の縁が房状で、サボンソウの花弁の付け根にある小さな2枚の鱗片がありません。Saponaria officinalisの長い筒状の萼が、最も頼りになる特徴です。

サボンソウは野生ではどこに生えますか?

自生域はヨーロッパからコーカサスです。フランスでは道端、斜面、河岸の、やせたやや石灰質の土に生えます。北アメリカでも広く帰化しています。

似ている植物

植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。