サスカトゥーンベリー (Amelanchier alnifolia, )
サスカトゥーンベリー(Amelanchier alnifolia)は、アラスカからアメリカ合衆国中北部に至る北米北西部原産のバラ科の落葉低木です。春に5枚の花弁を持つ白い花を咲かせ、夏には野生動物にも採集する人にも好まれる、青紫色の小さな肉質のリンゴ状果をつけます。葉の上半分に鋸歯があり、ハンノキの葉に似ることが種小名の由来です。
続きを読むサスカトゥーンベリー, Saskatoon, Juneberry, Western serviceberry, Pigeon berry と Erlenblättrige Felsenbirne




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世界の分布
自生域はアラスカとユーコンからカナダ西部を経て、アメリカ合衆国北西部と中北部まで広がります。園芸ではこの範囲を大きく超え、温帯ヨーロッパなどでも栽培されていますが、フランスで侵略的に帰化したことを示す記録はありません。
基本情報
サスカトゥーンベリー(Amelanchier alnifolia (Nutt.) Nutt. ex M.Roem.、1847)は、リンゴやサンザシに近縁なバラ科の落葉低木です。種小名のalnifoliaは、ラテン語のハンノキと葉を表す語根を組み合わせたものです。鋸歯のある葉は、ほかの北米産ザイフリボク属よりもハンノキの葉をよく思わせます。 1 7
英名のSaskatoonは、果実を意味するクリー語のmisâskwatōminaに由来します。サスカチュワン州サスカトゥーン市の名も果実から取られたもので、その逆ではありません。地域や収穫時期にちなんで、英語ではJuneberryやWestern serviceberryとも呼ばれます。 7
見分け方
痩せた土や乾いた土では、高さ1~4 mの低木にとどまります。深く肥沃な土では8 mに達し、小高木の姿になります。 2 3
卵形から円形の葉は長さ2~5 cmで、鋸歯は主に葉身の上半分にあります。葉の縁全体に細かな鋸歯を持つ同属の植物と区別する手がかりです。 7
春の白花には細い花弁が5枚あり、大きさは2~3 cmです。展葉と同時か少し前に、短く直立する総状花序にまとまって咲きます。 2
肉質の小さなリンゴ状果は5~15 mmで、初夏に熟すにつれて赤色から濃い青紫色に変わります。甘い果肉はブルーベリーに似た味わいで、この属に特有のアーモンドのような風味もあります。 3 7
分類のポイント
現在の組み合わせ、Amelanchier alnifolia (Nutt.) Nutt. ex M.Roem.は1847年に成立しました。基礎異名はThomas Nuttallが1818年に別の属で発表したものです。ラベルを読み分ける際の主な名前は次のとおりです。
- Aronia alnifolia Nutt.、1818:基礎異名です。
- Pyrus alnifolia (Nutt.) Lindl.、1821:中間の組み合わせです。
- 受容された3変種は、Amelanchier alnifolia var. alnifolia、var. pumila (Nutt.) C.K.Schneid.、var. semiintegrifolia (Hook.) C.L.Hitchc.です。
基本変種は分布域の北東部に、pumilaはロッキー山脈とシエラネバダ山脈に、semiintegrifoliaは太平洋沿岸に分布します。安定した同定の拠りどころは、受容名Amelanchier alnifoliaです。 1 7
生息地と分布
アラスカとユーコンからカナダ西部を経て、アメリカ合衆国の北西部と中北部までが自生域で、亜寒帯から温帯にまたがります。 1 5
森林の縁、低木の茂み、河岸などの、適度に湿り、水はけのよい土に生育します。山地ではカリフォルニア北部の標高2600 m、ロッキー山脈の3400 mまで見られます。 3 7
原産地の外では、イギリスやフランスで主に観賞用と果樹用に植えられます。中央ヨーロッパの一部では庭から逸出することがありますが、フランス本土で侵略的に帰化した記録はありません。 2
生活環と繁殖
早春の開花は晩霜にさらされやすく、一部地域では5月まで霜の可能性があります。開花中の霜は、開いた花の多くを損ない、その年の収穫量を減らします。 7
ミツバチによる受粉後、数週間で果実が熟します。栽培規模に応じて手摘みまたは機械で収穫されます。果樹園では列間を4~6 m、株間を0.5~1 mとし、同じ株が30年以上にわたり収量を保ちます。 7
実生での繁殖はゆっくりで、発芽には低温層積処理を必要とし、18か月かかる場合もあります。実用上は、株元から出るひこばえの株分けのほうが早く実をつける苗になります。 3
利用と注意点
よく熟した果実は、生のまま、乾燥させて、またはジャムにして食べます。カナダのプレーリーの先住民は、乾燥肉、脂肪、果実を混ぜる伝統食ペミカンに古くから加えてきました。 7
栄養成分としては、サスカトゥーンの実には食物繊維、リボフラビン、ビオチン、鉄、マンガンが含まれ、ブルーベリーに近い構成です。 7
中毒の危険があるのは熟した果実ではなく、青酸配糖体を含む葉と種子です。しおれた葉や砕いた種子を大量に食べると家畜やウマが中毒を起こすおそれがあり、特に放牧時に記録されています。 4
アグロフォレストリーでは、田園の生け垣として風を弱め、傾斜地の土を安定させる働きも利用されます。侵食防止や河岸の再生への利用が挙げられています。 5
品種・類似種・近縁種
カナダで選抜された「Smoky」と「Northline」は、甘い果実と高い生産性から商業栽培の中心となっています。どちらもAmelanchier alnifoliaの品種であり、別種ではありません。 7
似ている植物との主な違いは次のとおりです。
- Amelanchier canadensisやAmelanchier laevisなど、春に白花を咲かせるほかの北米産ザイフリボク属は、より高木状になり、大陸東部に広がります。
- サンザシ属(Crataegus)は同じ時期に咲きますが、とげと、サスカトゥーンベリーにはない硬い核を持つ乾いた果実があります。
- 野生のリンゴ類やナシ類は同じバラ科の近縁植物ですが、果実がはるかに大きくなります。 4 3
とげのあるサンザシ類やほかのザイフリボク属との区別には、2つの特徴を合わせて見ると確実です。房状につく5~15 mmの小さな肉質のリンゴ状果と、上半分だけに鋸歯を持つ葉がその組み合わせです。
主な参考文献
- Plants of the World Online / Kew, Amelanchier alnifolia (Nutt.) Nutt. ex M.Roem.
- Royal Horticultural Society, Amelanchier alnifolia 詳細
- Plants For A Future, Amelanchier alnifolia
- North Carolina Extension Gardener Plant Toolbox, Amelanchier alnifolia
- USDA GRIN Taxonomy, Amelanchier alnifolia
- USDA PLANTS Database, Amelanchier alnifolia 概要
- Wikipedia EN, Amelanchier alnifolia
よくある質問
サスカトゥーンベリーの実は食べられますか?
はい。サスカトゥーンと呼ばれる熟した果実は、生食、乾燥、ジャムに利用できます。カナダのプレーリーの先住民は、乾燥肉、脂肪、果実を混ぜる伝統食ペミカンに古くから加えてきました。
動物にとって有毒ですか?
熟した果実に既知の危険はありません。葉と種子には青酸配糖体が含まれ、しおれた葉や砕いた種子を大量に摂取すると、特に放牧中の家畜やウマが中毒を起こすおそれがあります。
サスカトゥーンという名前の由来は?
果実を指すクリー語のmisâskwatōminaに由来します。サスカチュワン州のサスカトゥーン市も果実から名づけられたのであり、その逆ではありません。
ほかの北米産ザイフリボク属との違いは?
Amelanchier canadensisとAmelanchier laevisは大陸東部に広がり、より直立した高木状になります。サスカトゥーンベリーはひこばえを多く出し、主に北米西部と中北部に分布します。
どんな土と日当たりが適していますか?
水はけのよい粘土質から砂質の土で、pHが中性から弱アルカリ性、かつ日なたの場所が、開花と収穫に最適です。半日陰にも耐えますが、実の量は減ります。
収穫できるまで何年かかりますか?
初めての開花は多くの場合3~4年ごろですが、商業栽培での本格的な収量に達するのは5~6年後です。適切に管理された株は、その後30年以上にわたり実をつけます。
冬にサスカトゥーンベリーを見分けるには?
ひこばえで株立ちになり、滑らかな灰色の枝にとげがなく、芽は細長く尖っています。同じ季節に開花するサンザシ類との区別には、とげがないことが手がかりです。
似ている植物
植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。





