パパイア (Carica papaya, )
パパイア(Carica papaya)はメキシコ南部と中央アメリカに由来するパパイア科の大型草本です。木のように見えますが、半ば木質化した一本の茎に深く切れ込む掌状葉をつけます。雄株、雌株、両性花をつける株があり、果実にはパパインが含まれます。
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Taken Jun 27, 2021 by Guerrero Quitorán Juan Manuel Jesús (cc-by-sa)
Taken Apr 13, 2021 by Gonzalo (cc-by-sa)
Taken Sep 10, 2015 by Tela Botanica − Anziz AHMED ABDOU (cc-by-sa)
Taken Apr 17, 2019 by OTS - R. Aguilar (cc-by-nc-sa)
Taken Jun 25, 2019 by medino antonio (cc-by-sa)
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世界の分布
正確な原産域は不明ですが、メキシコ南部からベネズエラにかけてとする見方が一般的です。コロンブス以前から栽培され、16世紀初めにカリブ海域へ、続いてスペインの交易を通じてフィリピン、アジア、熱帯アフリカに広まりました。
基本情報
パパイア(Carica papaya L., 1753)は木に似ていますが、パパイア科の大型の半木質草本です。枝分かれしない一本の茎を伸ばし、好適な熱帯気候では高さ6〜9 mに達します。 3 7
茎や葉を傷つけると、白い乳液が豊富に出ます。含まれるパパインは料理以外にも医薬品や食品加工で使われる酵素です。パパイアは霜に遭うと枯れるため、温帯での栽培は寒さが制約になります。生存できる耐寒性の目安はUSDA 9〜12です。 6 4
見分け方
灰緑色で枝分かれしない中空の茎と、その頂部に集まる大きな葉が目印です。葉身は幅30〜60 cmで、披針形の5〜9裂片に深く切れ込みます。長い中空の葉柄が茎の周囲にらせん状につきます。 7
クリーム色の5枚の花弁を持つ花には、株によって3種類があります。雄花は長さ1.5〜1.8 mの円錐花序に垂れ下がり、雌花は単独か少数でつきます。一部の園芸品種は両性花をつけ、一株で結実できます。 3 7
熟果は卵形から洋ナシ形で、通常は長さ15〜30 cmですが、野生型の一部では50 cmの例も報告されています。果肉は完熟すると黄、橙、サーモン色となり、中央の空洞にはしわのある黒い種子が並びます。種子は一つずつゼリー状の層に包まれています。 3 7
分類のポイント
リンネが1753年に発表したCarica papayaは、パパイア科パパイア属の基準種で、同属で最も広く栽培される種です。この属には約20種が認められるとされます。POWOとIPNIでは、この種の階級に競合する異タイプ異名は示されておらず、学名は安定しています。 1 2
混同の原因になりやすいのは学名の異名よりも通称です。オーストラリア英語のpawpawはパパイアですが、北米で同じ語はバンレイシ科の落葉樹Asimina trilobaを指します。姿や分類上の系統が異なる植物です。 3
生息地と分布
真の野生集団が明確に確認されていないため、正確な起源は不明です。野生型の植物学的記載よりはるか前、コロンブス以前から栽培されていました。原産地はメキシコ南部からベネズエラにかけてと考えられます。高温多湿な低地の荒れ地、林内の空き地、林縁に育ちます。 1 5
カリブ海域に達したのは16世紀初めです。その後スペインの航海者が1550年ごろにフィリピンへ運び、そこからわずか数十年のうちにインド、東南アジア、熱帯アフリカへ広がりました。 3 7
生活環と繁殖
種子は3〜5週間で発芽し、周囲の仮種皮を除くと期間を短縮できます。生長は速く、初年に1.8〜3 m伸び、早ければ播種後6か月で開花します。 3 6
受精と結実は株の性に左右されます。雄花のみの株は結実せず、雌株または両性花をつける株が必要です。Soloのように雌花と両性花が同程度の割合で現れ、雄株なしで結実する品種もあります。雄株や両性花をつける株でも、頂部を切ると雌花が生じる場合があり、性表現の可塑性が知られています。 3
果実の成熟には気候に応じて開花後6〜11か月かかります。商業果樹園では3〜4年で収量が低下するため、この間隔で植え替えることが多くなります。 3
利用と注意点
完熟した果実は生食され、特段の問題がない食用部位として最もよく知られています。未熟果は熱帯各地で加熱して野菜にし、コショウのような風味の種子を調味料に使うこともあります。 3 6
一方、生の乳液には刺激性があります。タンパク質分解酵素のパパインとキモパパインを含み、量は後者、活性は前者のほうが高いとされます。古い葉や種子にはカルパインなどのアルカロイドも含まれ、心臓や呼吸へのジギタリンに似た作用は加熱で失われます。樹液や花粉でアレルギー反応を起こす人もおり、その場合は完熟果の摂取も避ける必要があります。 3 3
品種・類似種・近縁種
商業品種の違いは主に果実の大きさと繁殖特性です。ハワイのSoloは雄株なしで0.5〜1 kgの小ぶりな果実をつけます。1955年選抜のDwarf Soloは株もさらに小型です。オーストラリアのHybrid n° 5と南アフリカのHoney Goldは、厚い果肉を持つ大きな果実と、より遅い成熟が特徴です。 3
パパイア自体を別の植物と見誤るより、名前の使い分けで混乱することがあります。Asimina trilobaとのpawpawという呼び名の重複に加え、フランス語では果実をpapaye、植物全体をpapayerと呼ぶように、言語によって果実と植物を別の語で表す場合があります。 3
主な参考文献
- Plants of the World Online / Kew, Carica papaya L.
- International Plant Names Index, Carica papaya L.
- Julia F. Morton, Fruits of Warm Climates, Papaya (Purdue NewCROP)
- Missouri Botanical Garden, Plant Finder, Carica papaya
- USDA GRIN Taxonomy, Carica papaya L.
- Plants For A Future, Carica papaya
- Monaco Nature Encyclopedia, Carica papaya
よくある質問
パパイアは樹木ですか?
植物学的には大型の半木質の草本です。一本の茎を持ち、小さな木のように見えますが、木材の本来の二次成長はありません。
パパイアは猫や犬に有毒ですか?
完熟果は有毒ではありません。乳液と未熟果には刺激性の酵素やアルカロイドがあるため、動物も子どもも多量の摂取には注意が必要です。
果実がつかない株があるのはなぜですか?
雄花だけをつける株は結実しません。雌株か両性花のある株が必要です。ただしSoloのように雌花と両性花を組み合わせる品種では雄株を必要としません。
pawpawはパパイアと同じですか?
オーストラリア英語ではパパイアを指しますが、北米では全く別の植物Asimina trilobaを指します。両者は植物分類上の近縁種ではありません。
結実までどれくらいかかりますか?
気候によりますが、開花から成熟まで通常6〜11か月です。初めての開花は播種後6か月ほどで始まることがあります。
パパイアの原産地はどこですか?
正確には不明ですが、メキシコ南部と中央アメリカとする見方が一般的です。16世紀以降、熱帯各地に広まりました。
青いパパイアは食べられますか?
熱帯の多くの料理で、加熱して野菜として使われます。生では刺激性の乳液が出るため、多量に食べるのは避けます。
似ている植物
植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。





