カレープラント (Helichrysum italicum, (Roth) G.Don 1830)

カレープラント(Helichrysum italicum (Roth) G.Don、1830年)は、地中海沿岸原産のキク科の芳香性亜低木です。細い銀灰色の葉をもみほぐすとカレーのような香りがし、散房状に集まる黄金色の頭花を咲かせます。精油の採取にも利用され、フランスの一部地域では野生個体が保護されています。

続きを読む
学名Helichrysum italicum
属Helichrysum
目Asterales

カレープラント, イモーテル, エバーラスティング, Curry plant と Italian strawflower

基本情報
毒性
注意 : 人(子どもを含む) · 無毒 : 猫, 犬 と 動物 · 要確認 : 馬
管理の難易度
低い
植物タイプ
芳香性亜低木 · 常緑低木
葉の性質
常緑
寿命
多年草
原産国
フランスイタリアスペインギリシャクロアチアキプロスモロッコポルトガル
自生環境
海岸のガリーグやマキ、石灰質・珪質の崖や岩場、日当たりのよい乾いた礫質土壌。
季節性
開花期
春夏
収穫期
夏
生育
休眠
休眠しない
生育速度
4/10
成熟までの期間
成株の姿と安定した開花まで2〜5年。
樹冠径
40–100 cm
増やし方
挿し木, 種子
気候と水やり
温度
耐寒性
耐風性
定着後は良好です。若い株は風から守ります。
湿度
20–45 %
水やり
ごく少量
少なめ
普通
多め
非常に多い
耐乾性
はい
用土
土壌pH
土壌タイプ
石灰質土, 水はけのよい土
塩類土壌
耐えられない
光と置き場所
日照条件

日なた

一日を通して強い直射日光が当たる場所に置きます。

室内
乾燥したサンルーム, 温室
屋外
日なたの花壇, 霜の当たらないロックガーデン, 地植え
鉢
テラコッタ鉢, 底穴のある鉢
形態
高さ20–60 cm株張り40–100 cm
葉
緑
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 葉 1
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 葉 2
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 葉 3
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 葉 4
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 葉 5
花
黄
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 花 1
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 花 2
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 花 3
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 花 4
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 花 5
果実
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 果実 1
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 果実 2
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 果実 3
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 果実 4
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 果実 5
樹形・草姿
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 樹形・草姿 1
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 樹形・草姿 2
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 樹形・草姿 3
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 樹形・草姿 4
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 樹形・草姿 5
樹皮
緑茶
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 樹皮 1
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 樹皮 2
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 樹皮 3
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 樹皮 4
カレープラント (Helichrysum italicum):原産地と利用法 — 樹皮 5

世界の分布

地中海盆地の固有種で、コルシカ島、サルデーニャ島、イタリア本土と島々、スペイン、バルカン半島、ギリシャ、キプロス、北アフリカに分布します。他地域では主に観賞や精油生産のため栽培され、広範な帰化は知られていません。

  • 原産8
  • フランス
  • イタリア
  • スペイン
  • ギリシャ
  • クロアチア
  • キプロス
  • モロッコ
  • ポルトガル

六角形:植物が見られる地域。緑の点:原産分布域。1

基本情報

カレープラント(Helichrysum italicum (Roth) G.Don、1830年)は、キク科ヘリクリサム属の亜低木です。学名の基となったのはRothが1790年に発表したGnaphalium italicumで、George Donが1830年にヘリクリサム属へ移しました。 1 2

属名Helichrysumは、頭花の黄金色の輝きからギリシャ語のhelios(太陽)とchrysos(金)に由来します。種小名italicumは、イタリアに広く見られることを表し、イタリアだけが原産地という意味ではありません。 7

カレーの香りは、もみほぐした葉の匂いを表します。香辛料と同じ料理用途を意味する名前ではありません。フランス語で「不滅」を意味するimmortelleは、頭花の乾いた苞が採取後も長く黄金色を保つことに由来します。 4 6

見分け方

常緑でコンパクトな亜低木となり、草丈20〜60 cm、幅40 cm〜1 mほどで、株元は木質化します。葉は細い線形で銀灰色を帯び、細かな毛が淡い色合いを生みます。 3 6

もんだ葉ははっきりしたカレー香を放ち、PFAFによれば雨の後に強まることもあります。銀色の姿だけを見比べるより、この香りが同定に役立ち、黄金色の頭花が現れる前から確かめられます。 4

原産地周辺の5〜8月には、小さな黄金色の頭花が茎の先に密な散房花序をつくります。各頭花を囲む苞は紙質で長く残り、乾燥しても色を保ちます。この性質がimmortelleという呼び名や、ドライフラワーとしての利用につながっています。 3 6

分類のポイント

ヘリクリサム属には500種以上が記録され、現在の分類資料ではキク科キク亜科のGnaphalieae連で最大の属とされます。Helichrysum italicumは、円筒形の頭花や基部が離れた小さな苞を備える種として位置づけられます。 7

認められる亜種はitalicum、microphyllum、serotinum、pseudolitoreum、siculum、tyrrhenicumの6つで、細かな地理的・形態的な違いで分けられます。Galbany、Sáez、Benedíらによる近年の再検討は、これらの分類群の境界を見直しました。 7 5

一般的な同定では、完全な学名が最も確かな手がかりです。商品ラベルでは亜種、栽培品種、単なる販売名が混在することが多いため、それぞれを区別して読みます。 1

生息地と分布

地中海盆地の固有種で、コルシカ島、サルデーニャ島、イタリア本土と島々、スペイン、バルカン半島、ギリシャ、キプロス、北アフリカに分布します。日光と温暖さを好み、定着すると乾燥に耐え、風化岩に由来する石灰質や珪質の土に育ちます。 6 1

自生域以外では、主に観賞や精油の生産に栽培されます。RHSの耐寒性区分はH4で、最低気温の目安は−10〜−5 °Cです。この性質から、英国や北米の水はけのよい乾いた庭でも広く栽培されます。 3 4

フランスのプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域では、1994年の保護命令が野生個体群を対象としています。対象は自然の中での採取で、園芸店で販売される株とは区別されます。 6

栽培と生活環

育てる場所は日当たりがよく、水はけの非常によい土を選びます。石灰質土や壌土、中性〜アルカリ性が適します。RHSは最初の数年間は風を避ける場所を勧め、PFAFは定着後の耐風性を評価しています。 3 4

PFAFが主な失敗要因として挙げるのは過剰な水分で、特に水のたまる土や、海岸の影響を直接受ける立地が問題となります。対照的に、根づいた後は乾燥によく耐えます。 4

繁殖には、記録された2つの方法があります。温帯の2〜3月に20 °Cで播種すると、2〜3週間で発芽します。6〜7月の半熟枝挿しは約4週間で発根し、その後は霜を避けて越冬させます。RHSは春の剪定をグループ10とし、葉のない古い木質部まで切り込まないよう勧めています。 4 3

利用・毒性・精油

主な利用は精油の蒸留です。生花1トンから得られる精油は約2 kgです。精油には酢酸ネリルやイタリジオン類が濃縮され、これらの成分群はヘリクリシンという呼称でまとめられることがあります。 6 7

伝統的なアロマテラピーでは、打撲や炎症性の痛み、軽い循環器系の不調に精油が使われてきました。ただし、伝統や香料利用に基づく用途であり、有効性が確認された医療手順ではありません。子ども、妊娠中・授乳中の方には使用が勧められません。 6

葉は香味づけに使われることがありますが、PFAFは、カレープラントという名前に反して調理した料理に香りが移りにくいとしています。乾燥した頭花は主に長持ちする装飾に利用されます。生の株について家庭動物への既知の毒性は記録されていませんが、濃縮精油には注意が必要です。 4

品種・類似種・近縁種

育成者権で保護される品種「Korma」は、ほぼ白い葉と特に強いカレー香が特徴です。英国の苗木業者は、この種の他の銀葉系選抜品種よりもよく紹介しています。 3

庭で似て見える植物が2つあります。同属のHelichrysum stoechasは銀灰色の葉と黄金色の花が共通しますが、株の姿や頭花に細かな違いがあります。もう一つの地中海性亜低木Santolina chamaecyparissusは灰色の葉をもちますが、頭花はボタン状で、カレープラントに特徴的な紙質の苞がありません。 5 1

観察では、葉をもんだときのカレー香と、色を保って残る苞の2点が特に役立ちます。銀色の葉だけよりも確かな手がかりで、Helichrysum stoechasやSantolina chamaecyparissusとの判断に迷う場合は、完全な学名と特徴を照合します。

主な参考文献

よくある質問

カレープラントは猫や犬に有毒ですか?

生の株に毒性の記録はありません。ただし、濃縮精油には注意が必要です。動物や子どもの手の届かない場所に保管します。

カレープラントは料理に使えますか?

葉が香味づけに使われることはありますが、PFAFは調理した料理に香りが移りにくいとしています。名前はもんだ葉の香りに由来し、カレーという香辛料と同じ用途ではありません。

イモーテルという名前の由来は何ですか?

頭花の紙質の苞が乾燥後も長く黄金色を保つためです。ドライフラワーや長持ちする花飾りに利用されます。

カレープラントは保護植物ですか?

フランスの一部地域では保護されています。特にプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域では、保護命令によって野生個体の採取が制限されています。

Helichrysum italicumに似た植物はありますか?

同属の近縁種Helichrysum stoechasや、よく似た灰色の葉をもちながら頭花の形が大きく異なるSantolina chamaecyparissusと混同されやすい植物です。

庭では水をたくさん与えますか?

いいえ。PFAFとRHSでは、定着後は乾燥に強い一方、水浸しの土や海岸の影響を直接受ける環境には弱いとされています。

似ている植物

植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。