モミジバフウ (Liquidambar styraciflua, L. 1753)

モミジバフウ(Liquidambar styraciflua)は、米国東部とメキシコ・中央アメリカの雲霧林を原産地とするフウ科の大きな落葉高木です。五つに裂けた星形の葉、深く裂ける樹皮、冬の間も枝に残る刺のある球形の実で見分けられます。

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学名Liquidambar styraciflua
属Liquidambar
目Saxifragales

モミジバフウ, アメリカフウ, アメリカソゴウコウノキ, American sweetgum, Sweetgum と Redgum

基本情報
毒性
人やペットに対する毒性はありません
管理の難易度
低い
植物タイプ
葉の性質
落葉
寿命
多年草
原産国
アメリカ合衆国メキシコグアテマラホンジュラスニカラグア
自生環境
北米では湿った平野や林縁、熱帯山地では中標高の雲霧林
季節性
開花期
春
収穫期
秋冬
生育
休眠
冬季休眠
生育速度
7/10
成熟までの期間
成木の樹冠をつくるまで20〜30年。成熟すると安定して開花・結実します
増やし方
種子, 接ぎ木
気候と水やり
温度
耐寒性
耐風性
良好。ただし翼状の枝は雪や着氷の重みで折れます
湿度
40–80 %
水やり
ごく少量
少なめ
普通
多め
非常に多い
耐乾性
はい
用土
土壌pH
土壌タイプ
深い土壌, 適度に湿った土から湿潤な土
塩類土壌
耐えられる
光と置き場所
日照条件

日なた

朝か夕方を中心に、1日数時間の直射日光に当てます。

紅葉を美しくするには日なたが適します
屋外
花壇, 地植え
形態
高さ1500–3000 cm株張り800–1500 cm
葉
緑黄オレンジ赤紫
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 葉 1
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 葉 2
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 葉 3
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 葉 4
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 葉 5
花
緑黄
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 花 1
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 花 2
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 花 3
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 花 4
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 花 5
果実
緑茶大きさ3–4 cm
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 果実 1
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 果実 2
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 果実 3
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 果実 4
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 果実 5
樹形・草姿
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 樹形・草姿 1
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 樹形・草姿 2
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 樹形・草姿 3
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 樹形・草姿 4
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 樹形・草姿 5
樹皮
緑
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 樹皮 1
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 樹皮 2
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 樹皮 3
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 樹皮 4
モミジバフウ (Liquidambar styraciflua):原産地と利用法 — 樹皮 5

世界の分布

米国東部から中南部の、コネティカットからテキサス、フロリダにかけての湿った平野に自生します。さらに南では、メキシコからグアテマラ、ホンジュラス、ニカラグアを経てベリーズまで、中標高の雲霧林に分布します。原産地外でも観賞樹として広く植えられ、ヨーロッパ、コロンビア、オーストラリアで一般的ですが、これらの地域で侵略的とはみなされていません。

  • 原産5
  • 米国
  • メキシコ
  • グアテマラ
  • ホンジュラス
  • ニカラグア

六角形:植物が見られる地域。緑の点:原産分布域。1

基本情報

モミジバフウ(Liquidambar styraciflua L., 1753)は、アメリカフウ、アメリカソゴウコウノキとも呼ばれる大きな落葉高木です。英名にはAmerican sweetgum、Sweetgum、Redgumがあります。フウ属の中ではアメリカ大陸に自生する唯一の種です。長くマンサク科に含められてきましたが、現在はフウ科(Altingiaceae)に分類されます。 1 4

属名Liquidambarは、ラテン語のliquidus(流動する)とアラビア語のal-'anbar(琥珀)を組み合わせたものです。リンネが1753年に、傷ついた樹皮からにじむ香りのよい樹脂にちなんで名づけました。それより約二世紀前の1517年には、征服者Juan de Grijalvaが、マヤの人々が乾いた草とこの樹脂を詰めた中空のアシを燃やし、香りを供物にしていたと記録しています。 10

見分け方

栽培木の高さは通常15〜20 mほどですが、野生では45 mに達した記録があります。幹の直径は平均60〜90 cmです。若木のピラミッド形の樹形は、枝が重みを増すにつれて卵形に変わります。 4 10

葉のつき方は互生で、よく似たカエデのような対生ではありません。葉は幅8〜13 cm、葉柄は6〜10 cmほどで、通常五つ、時に三つか七つの尖った裂片が星形に広がります。もむと、タンニンを含む葉からかすかな樹脂の香りがします。秋には黄、橙、赤、紫に色づき、一つの木で複数の色を見せることもあります。 4

淡褐色から灰色の樹皮には深い割れ目が入り、不規則な板状になります。北米でalligatorwoodという呼び名があるのも、このワニの皮を思わせる樹皮によります。若枝は二年目からコルク質の翼状の稜をつくり、雪や着氷が付着すると枝にかかる重さが増します。 4

分類のポイント

この木を照合する際の基準は、POWO/WCVPが受容する学名Liquidambar styraciflua L.です。文献や流通では、次のような異名や歴史的な変種名も使われています。

  • Liquidambar gummifera Salisb., nom. superfl.(余分な名称として扱われる異名)
  • Liquidambar macrophylla Oerst.(異名)
  • Liquidambar styraciflua var. mexicana Oerst.(歴史的な変種名)
  • Liquidambar styraciflua f. rotundiloba Rehder(歴史的な品種名)

トルコ原産の近縁種Liquidambar orientalisは、商業上の真正のストラックス樹脂を歴史的に供給してきました。昔から両種が混同されたため、storaxという名が二つの樹脂を指して使われました。アメリカ、アジア、地中海周辺に分布するフウ属五種のうち、L. styracifluaだけがアメリカ大陸原産です。 1

生息地と分布

北米側の自生域は米国東部から中南部で、コネティカットからテキサス、フロリダにかけての湿った平野に広がります。さらに南では、メキシコのヌエボ・レオンからグアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、エルサルバドル、ベリーズまで分布が現れます。こちらでは、湿潤で温和な熱帯山地気候の、中標高の雲霧林に生育します。 7 4

IUCNの評価では、モミジバフウは低懸念(LC)に分類されています。米国南東部で盛んに木材利用されている一方、広く連続した分布域を持つことが、この評価の根拠です。 5

観賞樹として原産地外にも広く植えられ、フランスを含むヨーロッパの公園や並木で普通に見られます。コロンビアやオーストラリアにも広まりましたが、これらの地域で侵略的な種とはみなされていません。 6

生活環と繁殖

春の開花では、同じ木に雄花と雌花がつく雌雄同株の性質が見られます。雄花は枝先に長さ5〜8 cmの花序をつくり、雌花は単独の球形の頭状花序になります。花は小さな緑色で花弁がなく、あまり目立ちません。 4

受粉後には、直径3〜4 cmの、刺のある球形の集合果ができます。二本の突起を持つ蒴果が40〜60個合わさってできる構造です。英語でgumballsと呼ばれるこの果序は冬の間も枝に残り、その後大量に地上へ落ちます。 4

翼のある種子は風で運ばれます。発芽には1〜5 °Cで30〜90日間の低温層積処理、または15〜20日間の浸水を行います。土壌条件がよい場合でも、若木が成木の樹冠をつくり、十分に結実するまでには20〜30年かかります。 10

利用と注意点

木材は赤褐色で、時に黒い筋が入り、米国南東部の商業上重要な広葉樹材の一つです。合板、家具、木箱、樽の材料に加え、アジア市場向けの箸にも使われます。磨くとよく仕上がる反面、乾燥の際に反りやすい性質があります。 4

樹皮を傷つけるとにじむ樹脂はリキダンバルやコパルム・バルサムと呼ばれ、切り込みを入れ、煮沸、圧搾して採取します。中国の伝統医療では咳や下痢に利用されてきました。近年は、抗ウイルス薬合成の前駆体となるシキミ酸の再生可能な供給源として、また果実抽出物の抗がん作用の可能性について研究されています。これらは研究上の可能性としての利用です。 8 9

人やペットに対する毒性はありません。植栽で注意したいのは物理的な危険です。落下した実の鋭い刺は足の下で転がり、芝生を傷めます。締め固まった土では、表層の根が歩道や建物の基礎を持ち上げることもあります。NC Stateは、植える前に18 mを超える空間を確保するよう勧めています。 4

品種・類似種・近縁種

RHSのAward of Garden Meritを受賞した園芸品種には、葉の切れ込みが深く、秋に橙、赤、紫に色づく'Worplesdon'、そして'Lane Roberts'や'Penwood'があります。丸い裂片を持つ不稔の'Rotundiloba'は、刺のある実をなくすために1930年代にノースカロライナで選抜されました。'Gumball'は高さが2 mを超えることが少ない矮性品種で、小さな庭にも向きます。 2 3

星形の葉はカエデ属(Acer)を思わせますが、互生か対生かを見れば区別できます。球形の実はアメリカスズカケノキ(Platanus occidentalis)の実にも似ています。ただし、成熟時に崩れるスズカケノキの柔らかな果実とは違い、モミジバフウの実は硬く鋭い刺を持ち、落下してからも長く形を保ちます。

主な参考文献

よくある質問

モミジバフウは猫や犬に有毒ですか?

いいえ。ペットに有毒な植物としては挙げられていません。主な危険は物理的なもので、落ちた実に鋭い刺があり、裸足で踏むと痛みます。

モミジバフウの刺のある実はなぜ長く落ち続けるのですか?

40〜60個の蒴果が合わさった実は、冬の間も枝に残り、その後まとめて落ちます。不稔の品種Rotundilobaは、この不便を避けるために選抜されました。

モミジバフウとカエデはどう見分けますか?

どちらも星形に見える葉を持ちますが、モミジバフウの葉は茎に互生し、カエデの葉は対になって対生します。この葉のつき方が確かな手掛かりになります。

根が基礎や歩道を傷めることはありますか?

土が締め固まった場所では、成長した表層の根が舗装や敷石を持ち上げることがあります。NC Stateは植える前に18 mを超える空間を確保するよう勧めています。

刺のある実をつけない品種はありますか?

あります。葉の裂片が丸いRotundilobaは不稔で、通常のモミジバフウに見られる刺のある球形の実をつけません。

モミジバフウの樹脂にはどんな用途がありますか?

歴史的には伝統医療やチューインガムの材料として使われました。現在は抗ウイルス薬合成の前駆体となるシキミ酸の供給源として研究されています。

モミジバフウはフランス原産ですか?

いいえ。原産地は米国東部と中央アメリカの雲霧林です。フランスでは公園や並木に植えられる観賞樹として存在します。

似ている植物

植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。