トカドヘチマ (Luffa acutangula, (L.) Roxb. 1832)

トカドヘチマ(Luffa acutangula)はウリ科の一年生つる植物で、稜のある若い果実を野菜として収穫するために栽培されます。角張った茎と稜の目立つ果実によって、果実が滑らかな近縁種のヘチマと区別できます。品種によって果肉は甘味のあるものから非常に苦いものまであり、この差は料理での利用と家畜の中毒例の双方に関わります。

続きを読む
学名Luffa acutangula
属Luffa
目Cucurbitales

トカドヘチマ, Angled loofah, Ridge gourd, Chinese okra と Sing-kwa

基本情報
毒性
無毒 : 人 · 注意 : 猫, 犬 と 動物 · 要確認 : 馬
管理の難易度
中程度
葉の性質
落葉
寿命
一年草
原産国
インド
自生環境
標高500 mまでの熱帯・亜熱帯低地、菜園の棚や柵、温帯の温室
季節性
開花期
夏秋
収穫期
夏秋
生育
休眠
休眠しない
生育速度
9/10
成熟までの期間
最初の果実は約2か月、繊維はつる上で乾燥してから利用します
増やし方
種子, 保護環境での播種
気候と水やり
温度
耐寒性
耐風性
弱く、丈夫な支柱がないと茎が傷みやすくなります
湿度
50–80 %
水やり
ごく少量
少なめ
普通
多め
非常に多い
耐乾性
いいえ
用土
土壌pH
土壌タイプ
肥沃な土, 水はけのよい土
塩類土壌
耐えられない
光と置き場所
日照条件

日なた

一日を通して強い直射日光が当たる場所に置きます。

日当たりのよい南向きまたは西向きの場所
室内
サンルーム
屋外
菜園の畝, 日なたの花壇
鉢
大型コンテナ
形態
高さ150–500 cm株張り10–50 cm
葉
緑
トカドヘチマ (Luffa acutangula):原産地と利用法 — 葉 1
トカドヘチマ (Luffa acutangula):原産地と利用法 — 葉 2
トカドヘチマ (Luffa acutangula):原産地と利用法 — 葉 3
トカドヘチマ (Luffa acutangula):原産地と利用法 — 葉 4
トカドヘチマ (Luffa acutangula):原産地と利用法 — 葉 5
花
黄大きさ4–5 cm
トカドヘチマ (Luffa acutangula):原産地と利用法 — 花 1
トカドヘチマ (Luffa acutangula):原産地と利用法 — 花 2
トカドヘチマ (Luffa acutangula):原産地と利用法 — 花 3
トカドヘチマ (Luffa acutangula):原産地と利用法 — 花 4
トカドヘチマ (Luffa acutangula):原産地と利用法 — 花 5
果実
緑大きさ10–30 cm
トカドヘチマ (Luffa acutangula):原産地と利用法 — 果実 1
トカドヘチマ (Luffa acutangula):原産地と利用法 — 果実 2
トカドヘチマ (Luffa acutangula):原産地と利用法 — 果実 3
トカドヘチマ (Luffa acutangula):原産地と利用法 — 果実 4
トカドヘチマ (Luffa acutangula):原産地と利用法 — 果実 5
樹形・草姿
トカドヘチマ (Luffa acutangula):原産地と利用法 — 樹形・草姿 1
トカドヘチマ (Luffa acutangula):原産地と利用法 — 樹形・草姿 2
樹皮
緑

世界の分布

Luffa acutangulaはインド亜大陸原産で、現在も野生型が残っています。栽培はアジア、アフリカの湿潤な熱帯・亜熱帯全域へ、また一部のアメリカ大陸にも広がりました。現在は自生状態よりも栽培下で見られることがはるかに多い植物です。

  • 原産1
  • 移入1
  • インド
  • 米国

六角形:植物が見られる地域。緑の点:原産分布域。1

基本情報

トカドヘチマ(Luffa acutangula (L.) Roxb., 1832)はウリ科ヘチマ属の一年生つる植物で、モーリシャスではpétoleとも呼ばれます。種小名acutangulaは「鋭い角を持つ」という意味で、茎と果実に目立つ稜を表します。果実には縦に10本の稜があり、表面が滑らかな近縁種Luffa aegyptiacaと区別できます。 1 2

英名Chinese okraは、細長い果実の形をオクラになぞらえたものです。ただしオクラはアオイ科、トカドヘチマはウリ科で、植物学的には異なります。姿の似通いより、学名を手がかりに確認することが大切です。 5 4

見分け方

見分ける第一の手がかりは、はっきり角張ったつる性の茎です。各節に分岐する巻きひげを持ち、この角張る性質が種名にも表れています。淡色でざらつく葉はほぼ円形で、切れ込みは浅いものから中程度、幅は最大25 cmになります。地植えではつるが1.5~5 mに伸びます。 4 2

花は雌雄同株で、淡黄色の雄花は房状につき、単生する雌花は基部の子房がすでに膨らんでいます。野菜のウリ類ではやや珍しく、直径4~5 cmの花には香りがあり、夕方に開きます。夕方の送粉者に加え、翌朝にはハチも訪れます。 4 3

近縁種との識別には、茎や葉以上に果実が役立ちます。若い実は緑色のこん棒形で、鋭い縦の稜が10本あり、長さは通常30 cmに達します。つる上で熟すと褐色になって完全に乾き、ヘチマより粗い網状の繊維が現れます。 2 4

分類のポイント

リンネがCucumis acutangulusとして記載した後、スコットランドの植物学者William Roxburghが1832年にヘチマ属へ移しました。命名者表記の(L.) Roxb.の括弧は、この変更を示します。受容名に関連して、次の品種・変種などの分類名が見られます。

  • Luffa acutangula f. amara (Roxb.) W.J.de Wilde & Duyfjes(品種名)
  • Luffa acutangula var. amara (Roxb.) C.B.Clarke(変種名)
  • Luffa acutangula var. forskalii (Schweinf. ex Harms) Heiser & E.E.Schill.(変種名)
  • Luffa acutangula var. subangulata (Miq.) Cogn.(変種名)

大きさや色の違い以上に知っておきたいのが、amaraという苦味型です。インドの野生祖先に近く、苦味の少ない果肉のために栽培される現代の野菜用系統と対照的です。いずれも基本となる学名を共有し、別の植物種として区別されるものではありません。 1

生息地と分布

原産のインド亜大陸には、今も野生集団が残っています。栽培はその後、標高約500 mまでの熱帯・亜熱帯低地へ広がり、ベトナム、エジプト、中国、日本、フィリピンなどで行われています。 3 4

霜に耐えられず、一晩でも0 °C未満になるとつるが枯れるため、屋外栽培には暖かく日当たりのよい条件が必要です。開花期の過湿は、主な菌類病であるうどんこ病やべと病を助長します。温帯では温室やサンルーム、あるいは柵沿いの十分に日が当たり風を避けられる場所が求められます。 2 4

生活環と繁殖

結実するには、他のウリ科植物と同様に昆虫による受粉が必要です。雄花は房状に開き、香りのある雌花は夕方に単独で開きます。雌花に送粉者が訪れなければ、若い果実は黄色くなり、育つ前に落ちます。 4 3

増やす方法は種まきのみです。種子を冷たい水に一晩浸し、21~24 °Cの暖かい条件でまくと、4~7日で発芽します。15 °C未満では発芽が止まります。順調に育つと、播種から約2か月で最初の食用果実ができ、2~3か月の収穫期間中に15~20果をつけます。 3

収穫では日数だけでなく、果実の成熟段階も大切です。開花から12~15日、重さ約300~400 gで収穫した若い実は、柔らかく繊維が少ない状態です。長く残すと硬くなり、野菜としての利用に向かなくなります。 3

利用と注意点

主な用途は食用です。長さ10~15 cmほどの若い果実を、スープ、カレー、炒め物などにズッキーニのように使います。品種によって甘味のあるものから強い苦味のあるものまであります。若いつる先、葉、花のつぼみも調理され、種子は炒って軽食に用いられます。 3 4

毒性上の注意は、野生変種amaraに近い苦味型でとくに重要です。細胞毒性のあるククルビタシンBを多く含みます。ブラジルでは、果実を食べた牛と羊の流産や、管理されない駆虫目的の果実利用後に約20頭の子牛が死亡した例が報告されています。 6 7

実験用げっ歯類では、植物抽出物は2,000 mg/kgまで死亡を生じませんでしたが、妊娠ラットでは胎児の体重が減少しました。伝統的な薬用利用があることは、特に妊娠中の完全な安全性を意味しません。 7

品種・類似種・近縁種

厳密な意味で名前の定まった園芸品種はなく、多様性の中心は苦味の強さと果実の稜の目立ち方です。野菜用に選抜された苦味の少ない型と、野生祖先により近く通常の食用には向かないamara型が対照をなします。 1

似た姿で混同されやすい植物には、次のものがあります。

  • Luffa aegyptiacaは茎が丸く、果実は滑らかです。トカドヘチマの角張った茎や果実と対照的です。
  • Momordica charantiaの若い果実は、規則的な稜ではなく、いぼ状の凹凸のある皮を持ちます。

多くの野菜のウリ類に共通する緑色だけよりも、茎の5本の稜、果実の10本の稜、品種間の味の違いが識別に役立ちます。料理での用途を考える前に、こうした特徴からトカドヘチマであることを確かめられます。 2 5

主な参考文献

よくある質問

トカドヘチマとヘチマはどう違いますか?

トカドヘチマは茎が角張り、果実には鋭い縦の稜が10本あります。ヘチマ(Luffa aegyptiaca)は茎が丸く、果実は滑らかです。栽培法と調理法はよく似ています。

トカドヘチマに毒性はありますか?

若い果実は食用になりますが、野生変種amaraに近い型は苦く、ククルビタシンBを含みます。果実を食べた家畜で流産や死亡が報告されているため、飼育動物には注意が必要です。

果実はどの段階でも食べられますか?

野菜として調理するのは、長さ10~15 cmほどの若い果実です。熟すと繊維質で苦くなり、繊維の採取や食用以外の用途に用いられます。

甘い実と苦い実があるのはなぜですか?

味は栽培する品種に大きく左右されます。インドの野生祖先に近い型はククルビタシンの多い苦い果肉をつくり、現代の野菜用系統は苦味の少ない果肉を目指して選抜されています。

どのような場所で栽培しますか?

十分な日照と、棚や柵などの丈夫な支持物が必要です。涼しい気候では、明るい温室での栽培の方がよい結果を得られます。

トカドヘチマの原産地はどこですか?

インド亜大陸原産で、現在も野生集団が残っています。その後、栽培は熱帯アジア全域からアフリカ、さらに世界の他の温暖な地域へ広がりました。

学名acutangulaは何を意味しますか?

ラテン語で「鋭い角を持つ」という意味です。5本の稜のある茎と、10本の稜が目立つ果実を表し、滑らかな近縁種との明瞭な違いを示しています。

似ている植物

植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。