タイマツバナ (Monarda didyma, L. 1753)

タイマツバナ(Monarda didyma)は北米東部原産のシソ科の芳香性多年草です。直立する株の頂部に蜜の豊かな赤い筒状花をつけ、葉にはベルガモットを思わせる香りがあります。花壇や食用ハーブとして親しまれますが、うどんこ病にかかりやすい植物です。

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学名Monarda didyma
属Monarda
目Lamiales

タイマツバナ, ベルガモット, ビーバーム, モナルダ, Oswego tea と Bee balm

基本情報
毒性
無毒 : 人, 猫, 犬 と 馬
管理の難易度
低い
植物タイプ
宿根草 · 芳香性多年草
葉の性質
落葉
寿命
多年草
原産国
カナダアメリカ合衆国
自生環境
湿った林縁、小川の岸辺、涼しく湿り気のある林間の空地。肥沃な土を好みます。
季節性
開花期
夏
生育
休眠
冬季休眠
生育速度
7/10
成熟までの期間
種まきから2年目に開花します。
増やし方
株分け, 種子, 挿し木
気候と水やり
温度
耐寒性
耐風性
中程度。風を受ける高い茎には支柱を添えます。
湿度
50–70 %
水やり
ごく少量
少なめ
普通
多め
非常に多い
耐乾性
いいえ
用土
土壌pH
土壌タイプ
湿った土, 肥沃な土
塩類土壌
耐えられない
光と置き場所
日照条件

日なた

日なたから明るい半日陰。
屋外
花壇, 日なたの花壇
鉢
コンテナ
形態
高さ70–150 cm株張り30–90 cm
葉
緑
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 葉 1
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 葉 2
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 葉 3
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 葉 4
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 葉 5
花
赤
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 花 1
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 花 2
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 花 3
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 花 4
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 花 5
果実
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 果実 1
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 果実 2
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 果実 3
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 果実 4
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 果実 5
樹形・草姿
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 樹形・草姿 1
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 樹形・草姿 2
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 樹形・草姿 3
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 樹形・草姿 4
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 樹形・草姿 5
樹皮
緑
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 樹皮 1
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 樹皮 2
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 樹皮 3
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 樹皮 4
タイマツバナ (Monarda didyma):原産地と利用法 — 樹皮 5

世界の分布

自生域は北米東部で、カナダ南東部からアメリカ東部に及びます。観賞用や芳香植物として広く栽培され、アメリカ北西部やヨーロッパの一部などで局地的に帰化しています。こうした導入先と本来の自生域は区別する必要があります。

  • 原産2
  • カナダ南東部
  • アメリカ東部

六角形:植物が見られる地域。緑の点:原産分布域。1

基本情報

タイマツバナ(Monarda didyma L., 1753)はシソ科ヤグルマハッカ属の芳香性多年草です。英語ではOswego teaとも呼ばれます。属名は、16世紀に新大陸の植物に関する初期の著作を著したスペインの医師Nicolás Monardesにちなみます。 1 4

花壇では、赤い筒状花から蜜を供給する蜜源植物として親しまれています。ハチ、チョウ、原産地のハチドリが花を訪れます。葉をもむとベルガモットに似た香りが立ち、wild bergamotという英語名につながっています。育てやすく耐寒性が高い植物で、葉は食用になります。 2 6

見分け方

直立する株の高さは70〜150 cmです。シソ科らしい四角い茎に、卵形から披針形で鋸歯のある葉が対生します。葉をもむと強い芳香が感じられます。 3 6

見分ける決め手は、茎の先に密集する鮮赤色の筒状花です。赤みを帯びた苞が頭状の花序を囲み、毛羽立ったポンポンのような姿になります。この特徴的な花序に多くの送粉者が集まります。 4 2

地中では地下茎がゆっくり伸び、やがて群落をつくります。開花は夏で、フランスのような温帯では主に7〜8月です。咲き終わった花を摘むと花期を延ばせます。 5 3

分類のポイント

1753年にCarl von LinnéがMonarda didyma L.として記載しました。ヤグルマハッカ属には北米産の近縁種が複数あり、園芸文献には古い学名も見られます。主な異名は次のとおりです。

  • Monarda coccinea Michx.(異名)
  • Monarda kalmiana Pursh(異名)
  • Monarda oswegoensis W.P.C.Barton(異名)
  • Monarda purpurea Lam.(異名)
  • Monarda didyma var. angustifolia Torr.(異名)

同定の基準は受容されている学名Monarda didymaです。Cambridge ScarletやJacob Clineは園芸上の選抜品種を指し、独立した種や植物分類学上の変種ではありません。 1 7

生息地と分布

北米東部のカナダ南東部からアメリカ東部にかけて自生します。生育地は湿った林縁、小川の岸辺、涼しく湿り気のある林間の空地で、肥沃で乾きにくい土を好みます。 1 3

草地や林縁に育つ多くのシソ科植物と同様、明るい場所を好みますが、土が乾ききる環境には向きません。栽培では土の湿り気を保つことが大切で、乾燥しすぎると、うどんこ病にもかかりやすくなります。 6 2

観賞や芳香を目的に広く栽培され、自生域外にも帰化しています。アメリカ北西部やヨーロッパの一部がその例です。これらの導入先と、本来の北米の自生域は区別します。 7 5

生活環と繁殖

冬に休眠する多年草で、寒い季節には地上部が枯れ、春に株元から芽を出します。種から育てた場合は2年目から夏に開花し、定着した株は毎年花を咲かせます。 3 5

筒状花は、長い口吻をもつ昆虫や原産地のハチドリによる送粉に適しています。ハチドリのいないフランスのような温帯では主にミツバチ、マルハナバチ、チョウが訪れます。花後には花序に小さな乾いた痩果ができます。 4 6

増殖には、春に2〜3年ごとに行う株分けがよく使われます。中心の衰えた株を若返らせる効果もあります。春に暖かい環境で行う種まきや、初夏の茎の挿し木も可能です。園芸品種の実生は花色が親と同じになるとは限らないため、品種の特徴を保つには株分けが確実です。 2 5

利用と注意点

現在は主に観賞用と芳香植物として利用され、蜜の豊かな花と香る葉が大きな花壇に彩りを添えます。歴史的には葉がOswego teaという浸出茶に用いられ、輸入茶の不買運動後にアメリカの入植者にも取り入れられました。 4 5

タイマツバナは毒性のない植物とされます。ASPCAはBee balm(Monarda)を猫、犬、馬に毒性のない植物に挙げています。葉と花は食用になり、浸出茶や香味づけに利用されます。 8 6

栽培で特に気をつけたいのはうどんこ病です。乾燥や空気のこもる環境では、菌による白い粉状の付着物が葉を覆います。株間を取り、土の湿り気を保ち、株元に水を与えます。Jacob ClineやMarshall’s Delightなど耐病性があるとされる品種も選択肢になります。 6 2

品種・類似種・近縁種

流通する多彩な品種は、それぞれ別の種ではありません。Cambridge Scarletは定番の赤花品種です。Gardenview Scarlet、Jacob Cline、Marshall’s Delight、Raspberry Wineは花色や、多くの場合うどんこ病への耐性を目標に選抜されています。購入時は品種名、株の勢い、耐病性の表示を確かめるとよいでしょう。 2

混同しやすい植物には次のものがあります。

  • Monarda fistulosa、淡紫色の花をつけ、乾燥により強い種。
  • Monarda citriodora、ピンクの花とレモンのような香りをもつ種。
  • ヤグルマハッカ属の種間交雑による多くの園芸交配種。

鮮やかな赤い花、四角い茎、ベルガモットに似た香りの組み合わせが、タイマツバナとして販売される植物を確認する手がかりです。 3 1

主な参考文献

よくある質問

タイマツバナには毒がありますか?

ASPCAはMonardaを猫、犬、馬に毒性のない植物として掲載しています。葉は食用になり、伝統的にOswego teaというハーブティーに用いられます。

タイマツバナは食べられますか?

葉と花は食用になり、強い香りがあります。ハーブティー、香味づけ、料理の飾りに使われます。ベルガモットを思わせる香りが英語名wild bergamotの由来です。

葉が白くなるのはなぜですか?

白い粉状の付着物は、主な弱点であるうどんこ病です。乾燥や風通しの悪さで発生しやすくなります。株間を取り、土の湿り気を保ち、Jacob Clineなどの耐病性品種を選びます。

送粉者を呼ぶにはどう植えればよいですか?

鮮赤色の筒状花はハチやチョウ、原産地のハチドリに蜜を提供します。日当たりのよい花壇で土の湿り気を保つと、夏に送粉者が集まります。

Monarda fistulosaとの違いは何ですか?

タイマツバナは鮮赤色の花をつけ、湿り気のある土を好みます。Monarda fistulosaは淡紫色から藤色の花をつけ、乾燥により強い植物です。どちらも芳香があり、蜜を提供します。

株分けはいつ、どう行いますか?

2〜3年ごとに、株の中心が衰えてきたら春に株分けします。周辺の勢いのよい部分を肥沃で湿り気のある土に植え直すと、速やかに活着します。

広がりすぎる植物ですか?

地下茎で広がり、数年かけて群落をつくることがありますが、株分けで管理しやすい植物です。フランスでは侵略的植物に分類されていません。

似ている植物

植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。