エゴマ (Perilla frutescens, )
エゴマ(Perilla frutescens)は東アジア原産のシソ科の一年草です。同種にはシソと呼ばれる栽培型も含まれ、緑や紫の香りある葉を利用します。料理では食用になる一方、放牧家畜には有毒で、食文化上の利用と農業上の危険を区別する必要があります。
続きを読むエゴマ, シソ, Zisu, Tía tô, Deulkkae と Beefsteak plant






© 写真
Katja Schulz · cc0
Daniel Atha · cc0
(c) H. Wilson Montgomery, Jr., some rights reserved (CC BY-NC), uploaded by H. Wilson Montgomery, Jr. · cc-by-nc
Taken Sep 5, 2021 by Jade Rose (cc-by-sa)
Taken Oct 28, 1995 by Royal Botanic Garden Edinburgh - Anonymous (cc-by-nc)
Taken Aug 26, 2019 by Melissa Melissa Keneely (cc-by-sa)
Taken Jul 26, 2022 by Tristan Jaton-Maria (cc-by-sa)
Taken Sep 16, 2019 by Kerri (cc-by-sa)
© copyright of the Board of Trustees of the Royal Botanic Gardens, Kew.
世界の分布
自生域はヒマラヤ山麓からロシア極東へ広がり、インド、中国、朝鮮半島、日本を含みます。その後、原産域の外にも広く帰化しました。北アメリカでは、複数の地域で侵略的な雑草として扱われています。
基本情報
エゴマ(Perilla frutescens (L.) Britton, 1894)はシソ科の一年草で、シソと呼ばれる栽培型も同種に含みます。リンネが最初にOcimum frutescensとして記載し、19世紀末にブリトンがPerilla属へ移しました。 1 9
中国名zǐsū(紫蘇)は「紫のものが命をよみがえらせる」という意味ともされ、古い食中毒への薬用の物語に結びついています。ベトナムのtía tô、韓国のdeulkkae、日本のシソは、この種に属する植物を指し、東アジアで長く香味野菜として栽培されてきました。 7 8
見分け方
直立する草本で、高さは気候や栽培方法により40〜120 cmになります。シソ科に典型的な四角い茎をもち、対生する卵形の葉には鋸歯としわがあり、もむとバジル、ミント、アニスを思わせる強い香りが出ます。 3 4
日本料理には、穏やかな香りの青ジソと、赤紫色の赤ジソが使われます。後者の色が英語名Beefsteak plantの由来です。晩夏には先端に長さ5〜15 cmの白色から紫がかった花穂ができ、その後に小さな黒い種子が実ります。 4 8
葉身の幅はしばしば5〜10 cmです。縁の鋸歯が深く、特に縮れ葉の選抜型では表面が膨らんで見えます。この鋸歯と凹凸、香りが、葉がより滑らかでつやのある紫のバジルとの違いです。 3
分類のポイント
POWOではシソ科の受容名をPerilla frutescens (L.) Brittonとしています。よく挙げられる変種は、野生型に近いvar. frutescensと、しわのある葉をもちシソとして栽培されるvar. crispa (Thunb.) H.Deaneです。 1 2
歴史的な異名には次のものがあります。
- Ocimum frutescens L.(バジルの属に置かれた名)
- Perilla ocymoides L.(本種の旧学名)
- Mentha perilloides Lam.(ハッカ属に置かれた名)
- Melissa cretica Lour.(コウスイハッカ属に置かれた名)
これら4つの異名は、バジルのOcimum属、ハッカのMentha属、メリッサのMelissa属などへ分類されてきた経緯を示します。香りあるシソ科植物どうしの類似がうかがえます。 7
生息地と分布
ヒマラヤ山麓からロシア極東までが自生域で、インド、中国、朝鮮半島、日本を含みます。 1 2
アジアの原産域を越えて広く帰化しています。北アメリカでは道端、林縁、牧草地周辺に自然に生え、アメリカ中部と南東部の複数の地域で侵略的な雑草として扱われます。 3 4
庭では肥沃で水はけのよい土と、pH 5.5〜6.5程度の弱酸性を好みます。日なたが適し、軽い半日陰にも耐えます。温帯では霜が終わってからまく暖期の一年草で、最初の寒さで枯れます。温暖地での侵略性とは分けて考える必要があります。 5 3
生活環と繁殖
一年のうちに発芽、速い茎葉の成長、花穂の形成、冬前の結実まで進みます。新しい種子の発芽適温は18〜23℃で、暖かい時期に十分育った株が、しばしば晩夏から開花します。 7 5
種子は一季を過ぎると保存中に発芽力が落ちやすく、土に埋めるより光の当たる表面にまくとよく発芽します。定着後はこぼれ種で殖えやすく、アジアでの自生的な生育や、他地域での侵略性につながります。 5 4
花が咲く前に先端を摘むと、葉を収穫できる期間が延びます。数株だけ種子をつけさせれば翌年のこぼれ種を期待できます。柔らかい葉を採る区画と、種子を残す区画に分けて管理できます。 5
利用と注意点
葉、若芽、種子は、日本、韓国、ベトナムの料理で生または加熱して食べます。薬味や漬物にするほか、種子からα-リノレン酸に富む油を搾ります。 5 8
食用の一方で、家畜には有毒です。全草、特に花穂にペリラケトンなどのケトン類が含まれ、牛、他の反芻動物、馬に急性の肺障害を起こします。呼吸窮迫に似た症状が生じ、数時間で死亡する場合もあります。生草だけでなく、混入した干し草にも危険があります。 6 5
品種・類似種・近縁種
種苗店の緑葉、紫葉、縮れ葉のシソは、別の種ではありません。Perilla frutescens var. crispa内の園芸選抜型で、料理に求める色や香りで選びます。 1
よく似た植物として、次のものが挙げられます。
- 紫葉のOcimum basilicumとMentha spp.もシソ科の四角い茎をもちます。前者は葉がより滑らかで緑のバジルに似た香りがあり、後者は鋸歯のある葉と明瞭なミントの香りが特徴です。
- Perilla frutescens var. hirtellaは日本と朝鮮半島の山地の野生型で、栽培されず、自生地以外ではまれです。 8
通称だけより二名法の学名が確かな同定に役立ちますが、採取した場所も同じくらい大切です。料理用の鉢植えと牧草地脇の野生株では危険の意味が異なり、特にこぼれ種の株が混じる干し草を家畜に与える場合は、この違いに注意が必要です。 3 6
主な参考文献
- Plants of the World Online / Kew, Perilla frutescens (L.) Britton
- GBIF Backbone Taxonomy, Perilla frutescens
- NC State Extension, Perilla frutescens (Beefsteak Plant)
- Missouri Botanical Garden, Perilla frutescens (Beefsteak Plant)
- Plants For A Future, Perilla frutescens (Shiso)
- Alabama Cooperative Extension System, Perilla Mint、家畜への毒性
- Wikipédia FR, Perilla frutescens
- Wikipedia EN, Perilla frutescens
- Wikidata, Perilla frutescens
よくある質問
エゴマやシソは有毒ですか?
料理に使う葉や種子は東アジアで一般に食べられます。ただし全草は牛、他の反芻動物、馬に有毒です。特に花穂に多いペリラケトンなどが原因となります。
青ジソと赤ジソの違いは何ですか?
青ジソは香りが比較的穏やかで、主に生の薬味にします。赤ジソは漬物や梅干しの色づけと香りづけに使い、両者は同じ栽培変種に属します。
紫のバジルとはどう見分けますか?
どちらもシソ科らしい四角い茎をもちますが、本種は葉のしわが強く、ミントやアニスを思わせる香りです。紫のバジルの香りは緑のバジルに近くなります。
エゴマは侵略的に広がりますか?
北アメリカの一部ではそうです。荒れ地や牧草地の縁に帰化し、アメリカ中部と南東部の複数の州で雑草として扱われています。
種まきはいつ行いますか?
春、霜の心配がなくなってから、18〜23℃の暖かい環境で土の表面にまきます。条件がそろえば1〜2週間で発芽します。
似ている植物
植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。







