Bloodtwig dogwood (Cornus sanguinea, )
Cornus sanguinea(Cornus sanguinea)はヨーロッパ温帯と西アジア原産のミズキ科の落葉低木です。農地の生け垣や林縁に生え、石灰質の土に多く見られます。秋から冬に若枝が血のような赤色になるのが特徴で、学名と観賞用の利用もこの色に由来します。
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世界の分布
ヨーロッパ温帯と西アジアに自生し、南スカンディナビアとイギリスからコーカサス、レバノンまで分布します。自生域外にも観賞用として広く植えられ、亜種の局地的な帰化例がありますが、広域での侵略的な扱いは確認されていません。
基本情報
Cornus sanguinea (Cornus sanguinea L., 1753)は、ミズキ科ミズキ属の落葉低木です。種小名sanguineaは「血のような赤」を意味し、秋から冬にかけて若い枝が鮮やかな赤色を帯びる特徴を表します。日光を直接受ける若枝ほどよく色づき、冬の観賞用に植えられる理由にもなっています。 3 7
畑の生け垣や林縁では、高さ 1.5〜4 m の密な茂みになり、剪定せず長く育った株は5 mに達することもあります。花や切ったばかりの木には不快なにおいがあり、フランス語の別名にはこの性質を示すものもあります。花のない時期にも、切り口のにおいが同定の手がかりになります。 4 8
見分け方
葉は 対生 し、卵形から楕円形、長さは 4〜10 cm で短い葉柄があります。目立つ側脈が葉先に向かって弧を描き、先端へ直接届かないのはミズキ属の特徴で、似た葉の植物を見分ける助けになります。 4
小さな白花は 平らな散房花序 をつくり、原産地では5〜6月に開きます。花のにおいはしばしば悪臭と表現され、観賞性のある姿とは対照的ですが、識別にも役立ちます。 5 4
果実は直径 6〜8 mm ほどの球形の核果です。緑色から 紫黒色 に熟し、8〜9月には小さな房になります。秋の葉はしばしば赤紫色へ変わり、赤い枝とともに季節の終わりを彩ります。 3 4
分類のポイント
POWO/WCVPではCornus sanguinea L.を受容名としています。地域による亜種には、中央・東ヨーロッパのCornus sanguinea subsp. australis (C.A.Mey.) Jáv.、トルコとレバノンのCornus sanguinea subsp. cilicica (Wangerin) D.F.Chamb.があります。 1
過去には次の変種や品種階級の名も使われました。多くは葉や樹形の変化を表し、独立した園芸上の区分を示すものではありません。
- Cornus sanguinea var. variegata Weston(分類文献の学名)
- Cornus sanguinea f. viridissima Dieck(分類文献の学名)
- Cornus sanguinea var. atrosanguinea V.Gibbs(分類文献の学名)
これらは分類文献で用いられてきた学名です。
古い目録には Svida sanguinea という名も見られます。Svidaは現在ミズキ属に含められ、古い植物学文献以外ではあまり使われません。 1
生息地と分布
本種の自生域はヨーロッパ温帯と西アジアで、南スカンディナビアとイギリスからコーカサス、レバノンまで広がります。生け垣、林縁、石灰質土壌の低木林に生育し、場所によっては川沿いのハンノキ林にも見られます。 3 8
スイスでは保全上 低懸念 に分類され、丘陵帯から低山帯下部の日当たりのよい、湿り気のある中性〜塩基性土壌に生育します。自生域外では冬の枝色を楽しむ観賞用の植栽が中心です。リトアニアとラトビアでは亜種australisが帰化し、局地的に結実して高木状になるため拡大リスクが観察されていますが、ヨーロッパの他地域で種全体が侵略的外来種に指定されているとはされていません。 8 6
生活環と繁殖
花期は原産地で 5〜6月 です。各花序には多数の小さな両性花がつきます。ミズキ属を専門的に利用するヒメハナバチ属Andrenaの野生バチの一部は、生け垣のほかの多くの低木が開花する前のこの花に生活環を支えられています。 4
結実の時期は 8〜9月 です。ほかの生け垣の低木がまだ実をつけていない時期に、鳥が苦い果肉を食べて種子を散布します。消化管を通った核もすぐ発芽するとは限らず、播種では数か月の低温処理を行い、その後も発芽まで1年以上かかることがあります。 3
増殖には秋の休眠枝挿しが用いられ、播種より早く確実で、翌春にはよく発根します。株元から自然にひこばえも出し、無剪定の生け垣では密な低木林になります。広がりを抑えるには、毎年ひこばえを取り除きます。 3
利用と注意点
柔らかく赤みのある若枝は、フランスのペルシュ、ブルゴーニュ、アルザスなどで かご編み に使われてきました。結束材や小かごとしての利用は局地的に残っています。硬く緻密な木材は、木釘、紡錘、道具の柄にも加工されました。 6
生の果実には 弱い毒性 があります。十数個の核果を食べると、個人の感受性によって消化器症状、ときには心臓や腎臓の障害が起こり得ます。葉の微細なT字毛には炭酸カルシウムが含まれ、繰り返し触れると皮膚を刺激することがあります。主に室内や鉢植えの植物を扱うASPCAの一覧には本種は掲載されていません。 9 3
種子を圧搾して得る油は、精製後には食用となります。かつては石けん製造や、農村の電化以前の照明にも使われましたが、その用途は大規模栽培の植物油に置き換えられました。 3
品種・類似種・近縁種
園芸品種の 'Midwinter Fire' は、その年の枝の基部が橙色、先端が鮮紅色になる二色の枝色が特徴です。'Winter Flame'も似ていますが黄色みが強く、同じほどの対比にはなりません。どちらも定期的に強く切り戻し、よく色づく若枝を更新します。 5
識別で迷いやすい植物には次のものがあります。
- Cornus masは赤く細長い食用果実をつけ、本種の黒く丸い核果とは異なります。
- Sambucus nigraは複葉で、果実は垂れる房につき、平らな散房状にはなりません。
- Rhamnus catharticaは互生する葉と、ときに刺のある枝をもち、どちらも本種には見られない特徴です。
ひこばえを出す樹形、冬の赤い枝、弧を描く葉脈をもつ対生葉を組み合わせると、花や果実のない時期でもCornus sanguineaを確認しやすくなります。 4
主な参考文献
- Plants of the World Online / Kew, Cornus sanguinea L.
- Royal Horticultural Society, Cornus sanguinea
- Plants For A Future, Cornus sanguinea
- North Carolina Extension Gardener Plant Toolbox, Cornus sanguinea
- Missouri Botanical Garden Plant Finder, Cornus sanguinea
- Tela Botanica eFlore / BDTFX, Cornus sanguinea
- Trees and Shrubs Online (International Dendrology Society), Cornus sanguinea
- Info Flora, Cornus sanguinea
- Toxiplante, Cornus sanguineaの解説
よくある質問
毒性はありますか?
弱い毒性があります。生の実のアウクビンやタンニンは大量摂取で消化器症状を起こします。葉も繰り返し触れると皮膚を刺激します。主に室内植物を扱うASPCAの一覧には掲載されていません。
Cornus masとはどう違いますか?
Cornus masは晩冬に黄花を咲かせ、赤く細長い食用の実をつけます。Cornus sanguineaは春に白花を咲かせ、紫黒色の核果がまとまってつきます。赤く細長い実にはなりません。
冬に枝が赤くなるのはなぜですか?
若枝の樹皮に含まれるアントシアニン色素によります。初期の寒さに当たったあとや、直接日光を受ける枝でよく現れます。定期的な剪定で色づく若枝を更新できます。
侵略的な植物ですか?
ヨーロッパでは在来植物で、侵略的とはされていません。リトアニアとラトビアで帰化した亜種は局地的に監視されますが、ほかの地域に広がる侵略的な扱いは確認されていません。
枝の伝統的な用途は何ですか?
柔らかく赤みを帯びた枝は、フランスのペルシュ、ブルゴーニュ、アルザスなどでかご編みに使われました。結束材や小かごへの利用は局地的に残ります。
枝色を保つ剪定はいつ行いますか?
冬の色を楽しんだあとの春です。毎年古い枝の一部を切るか、2〜3年ごとに強く切り戻すと、よく色づく若枝の発生を促せます。
Cornus albaとはどう違いますか?
アジア原産のCornus albaは白色〜青みを帯びた実と、しばしばサンゴ紅色の枝をもちます。ヨーロッパ原産のCornus sanguineaは紫黒色の実と暗い赤褐色寄りの枝で区別できます。
似ている植物
植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。



