Salad rocket (Eruca vesicaria, )
Eruca vesicariaは、地中海沿岸原産のアブラナ科の一年生葉菜です。古代ギリシャやローマの時代から栽培され、切れ込みのある葉とコショウのような辛味が好まれてきました。菜園では種まきから数週間で若葉を収穫できます。
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世界の分布
Eruca vesicariaの原産地は、スペイン南部、モロッコからアルジェリアにかけての地中海沿岸です。葉菜として広く栽培され、原産地を越えて西アジアや多くの温帯地域へ広がり、帰化もしています。栽培地や帰化地と、本来の自生域とは区別する必要があります。
基本情報
Eruca vesicaria(Eruca vesicaria (L.) Cav.)は、アブラナ科のEruca属に属する一年生の葉菜です。地中海沿岸に由来し、切れ込みのある若葉を生で食べます。コショウを思わせるはっきりした辛味が特徴です。 1 5
古代ギリシャやローマの時代から栽培されてきた、菜園でも特に収穫の速い葉菜です。春や秋に種をまくと、数週間で葉を摘めるようになります。英語のsalad rocket、arugulaとフランス語のroquetteは、同じ語源につながる呼び名です。 4 2
見分け方
収穫する若い段階では、柔らかい葉が地面近くに集まる低いロゼットになります。根出葉は羽状に深く切れ込み、左右に4〜10個の裂片と大きな頂裂片があります。揉むとコショウのような香りを放ち、菜園で葉を摘む頃の草丈は通常20〜30 cmです。 7 2
気温が高くなるととう立ちし、花茎は100 cmまで伸びます。花は4枚の花弁からなり、クリーム色から白色で、紫色や暗赤色の脈が入ります。花の大きさは2.5 cm未満です。受粉後には、先端に扁平なくちばし状の部分を持つ細長い長角果ができ、カラシナ類の仲間らしい姿になります。 5 7
ほかの穏やかな味の若葉野菜との違いは、コショウのような辛味にも表れます。この辛味は気温が高いほど、また葉が古くなるほど強まります。 4 5
分類のポイント
参照する分類体系での受容名はEruca vesicaria (L.) Cav.です。菜園で育てる型は、一般に亜種subsp. sativaに結びつけられ、Eruca sativa Mill.も栽培植物の異名として広く流通しています。主な学名には次のものがあります。
- Eruca sativa Mill.(栽培植物に使われる異名)
- Eruca vesicaria subsp. sativa (Mill.) Thell.(亜種名)
- Eruca vesicaria var. sativa (Mill.) Thell.(変種名)
- Eruca arvensis (L.) Noulet(異名)
- Eruca ruchetta Spach(異名)
- Eruca oleracea J.St.-Hil.(異名)
この扱いで照合の基準となるのはEruca vesicariaです。Sky RocketやAstroといった園芸名は、栽培亜種から選抜された葉菜の品種であり、別々の植物種を指すものではありません。 1 3
生息地と分布
スペイン南部、モロッコからアルジェリアにかけての地中海沿岸が原産地で、荒れ地、道端、耕作地に生育します。涼しい季節に適し、春や秋によく育つ一方、夏の暑さは苦手です。 1 4
葉菜としての栽培に伴って原産地から遠くへ運ばれ、西アジア、インドをはじめ、多くの温帯地域で栽培や帰化が見られます。こうした栽培地と、本来の地中海沿岸の自生域とは区別する必要があります。 5 7
庭では幅広い土質に適応しますが、肥沃で適湿な土が適しています。生育期間が短く、耐寒性の範囲もUSDA 2〜11と広いため、さまざまな気候で栽培される葉菜です。 7 2
生活環と繁殖
種から生育を始め、その年に種子を残す生長の速い一年草です。播種後5〜10日で発芽してロゼットを作り、最初の葉は4〜6週間で収穫できます。完全に成熟するまでの目安は40〜50日で、その後は高温や長日によりとう立ちが進みます。 7 4
開花は葉の収穫期の終わりを告げます。茎が伸び、脈のあるクリーム色の花にハチなどの花粉媒介者が訪れ、その後、長角果が熟して小さな種子を放出します。種子は油に富み、古代から香辛料にも利用されてきました。 5 6
栽培での繁殖は種まきで行います。約15 cmの間隔で列を作り、浅く直まきします。涼しい季節に2週間おきにまけば、収穫期間を延ばせます。ロゼットの中心を残して葉を切ると再生するため、とう立ちするまで繰り返し収穫できます。 3 7
利用と注意点
若葉を生のサラダに使う食用が主な用途で、地中海の料理に特徴的なコショウのような風味を添えます。花、若い長角果、種子も食べられ、種子は香辛料として使われてきました。涼しい時期の若葉は穏やかな味ですが、とう立ち後は辛味や苦味が強くなります。 5 7
安全性の面では、特に問題となる毒性のない食用植物です。ASPCAはarugulaを猫、犬、馬に対して無毒と分類しています。料理に使う量では既知の危険はありません。辛味はアブラナ科に共通するグルコシノレート類によるもので、この植物の風味を特徴づけています。 8 4
品種・類似種・近縁種
流通する品種は独立した種ではありません。subsp. sativaは野生型より葉が豊かで味の穏やかな栽培型を指し、Sky Rocket、Astro、Victoriaは生育の勢い、早生性、葉の揃いなどで選ばれた品種です。種まき前には、種子の鮮度と適した播種時期を確認します。 3
よく似た植物には次のものがあります。
- Diplotaxis tenuifoliaは多年草で、葉がより細く、辛味も強い近縁の葉菜です。
- Diplotaxis muralisは荒れ地に生える、同じアブラナ科の別種です。
- クレスやカラシナなど、ほかのアブラナ科の若葉がベビーリーフに混ぜられることもあります。
羽状に切れ込む葉のロゼット、揉んだ葉のコショウのような香り、暗色の脈を持つクリーム色の花を組み合わせると、販売されている葉菜がEruca vesicariaかを確かめる手掛かりになります。 4 1
主な参考文献
- Kew, Eruca vesicaria(分類情報)
- 英国王立園芸協会, Eruca vesicaria(葉菜)
- 英国王立園芸協会, Eruca vesicaria subsp. sativa(栽培型)
- ミズーリ植物園, Eruca vesicaria subsp. sativa(植物情報)
- ブリタニカ百科事典, arugula(葉菜)
- Plants For A Future, Eruca vesicaria subsp. sativa(植物情報)
- NC State Extension, Eruca vesicaria(植物情報)
- ASPCA, Arugula(Eruca vesicaria)の無毒植物情報
よくある質問
猫や犬に有毒ですか?
特に問題となる毒性はありません。ASPCAはarugulaを猫、犬、馬に無毒と分類しています。料理で使う量では、既知の危険のない食用植物です。
葉の辛味が強くなるのはなぜですか?
高温や乾燥、葉の老化によって辛味が強まります。若葉を収穫し、土を適湿に保ち、穏やかな季節に種をまくと、味が穏やかになります。
Eruca vesicariaとEruca sativaはどう違いますか?
栽培される葉菜に使われる二つの名前です。参照する分類データベースではEruca vesicariaを受容名とし、菜園の栽培型はEruca vesicaria subsp. sativaとして扱われることが多く、Eruca sativaも一般的な異名として使われます。
種まきから何日で収穫できますか?
生長の速い葉菜で、通常は種まきから4〜6週間で最初の葉を収穫できます。季節によりますが、成熟までの目安は40〜50日です。
ベランダの鉢でも栽培できますか?
深さ20 cm以上の容器、肥沃で適湿な培養土、明るい場所があれば栽培できます。時期をずらして種をまくと、テラスや窓辺でも収穫を続けやすくなります。
種をまく時期はいつですか?
春から秋が目安ですが、とう立ちしやすい真夏は避けます。2週間おきに種をまくと、柔らかな葉を長く収穫できます。
刈り取った後も葉が出ますか?
ロゼットの中心を残せば再生します。外側の葉から切り取り、土を適湿に保つことで、とう立ちするまで何度か収穫できます。
似ている植物
植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。







