セッコウボク (Symphoricarpos albus, (L.) S.F.Blake 1914)

セッコウボク(Symphoricarpos albus)は北米原産のスイカズラ科の落葉低木で、根から吸枝を出して広がります。晩夏にハチが訪れる小さな桃色の鐘形花を咲かせ、その後にできる白い球形の実は冬の間も裸の枝に残り、見分ける手がかりになります。

続きを読む
学名Symphoricarpos albus
属Symphoricarpos
目Dipsacales

セッコウボク, Common snowberry と Schneebeere

基本情報
毒性
果実のサポニンは人に対して弱い毒性があります
管理の難易度
低い
植物タイプ
葉の性質
落葉
寿命
多年草
原産国
カナダアメリカ合衆国メキシコ
自生環境
湿った林床、河畔林と川岸、平地から中山帯の林縁と低木群落。欧州の帰化地では道路法面や生け垣にも生育
季節性
開花期
夏
収穫期
秋冬
生育
休眠
冬季休眠
生育速度
6/10
成熟までの期間
初花は2–4年後、成株となり十分に結実するのは3–5年後です
増やし方
挿し木, ひこばえ分け, 種子
気候と水やり
温度
耐寒性
耐風性
良好。柔軟な枝は折れるよりも曲がって風を受け流します
湿度
40–70 %
水やり
ごく少量
少なめ
普通
多め
非常に多い
耐乾性
はい
用土
土壌pH
土壌タイプ
石灰質土, 粘土、シルトまたは砂
塩類土壌
耐えられない
光と置き場所
日照条件

日なた

朝か夕方を中心に、1日数時間の直射日光に当てます。

日なたから半日陰。深い日陰にも耐えます
屋外
生け垣列, 花壇
鉢
大型コンテナ
形態
高さ100–300 cm株張り100–250 cm
葉
緑
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 葉 1
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 葉 2
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 葉 3
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 葉 4
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 葉 5
花
ピンク白大きさ0.4–0.6 cm
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 花 1
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 花 2
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 花 3
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 花 4
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 花 5
果実
白
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 果実 1
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 果実 2
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 果実 3
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 果実 4
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 果実 5
樹形・草姿
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 樹形・草姿 1
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 樹形・草姿 2
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 樹形・草姿 3
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 樹形・草姿 4
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 樹形・草姿 5
樹皮
茶緑
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 樹皮 1
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 樹皮 2
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 樹皮 3
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 樹皮 4
セッコウボク (Symphoricarpos albus):原産地と利用法 — 樹皮 5

世界の分布

Symphoricarpos albusの自生域は北米の温帯から亜寒帯の広い範囲です。西部ではアラスカとカナダからメキシコ北部のバハ・カリフォルニアまで、東部ではケベックからバージニアまで分布します。19世紀に観賞低木として西欧へ導入され、広く帰化しました。中欧の一部の国では庭外での拡大に注意が必要な低木とされています。

  • 原産3
  • 移入2
  • 侵略的1
  • カナダ
  • 米国
  • メキシコ
  • 英国
  • フランス
  • ハンガリー

六角形:植物が見られる地域。緑の点:原産分布域。1

基本情報

セッコウボク(Symphoricarpos albus (L.) S.F.Blake, 1914)は、スイカズラ科Symphoricarpos属の、吸枝を出す落葉低木です。属名はギリシャ語のsumphorein(集める)とkarpos(果実)に由来し、枝に沿って実が密集する姿を表しています。 1 3

地植えではふつう高さ1–3 m、幅1–2.5 mになり、細い褐色の枝は直立した後に弓なりに曲がります。根から出る吸枝で急速に広がるため、単独で植えた若木も、特に手を加えなくても短期間で密な茂みになります。 2 4

見分け方

対生する葉は卵形で縁は全縁、青緑色から灰色がかった緑色で、長さは数cmです。勢いのよいひこばえでは不規則な切れ込みや鋸歯が出ることがあり、縁が滑らかでないことだけでは本種を除外できません。 5 2

小さな桃色の鐘形花は葉腋に3–7個ずつ密集し、気候により6–9月に開花します。晩夏まで豊富な蜜をハチに供給し、受粉後は直径1–2 cmの白い球形の実になります。薄い皮は押すと乾いた音を立てて弾けますが、指に色がついたり痛みが出たりすることはありません。 2 4

冬の大半を通じて白い実が房状に裸の枝に残ります。他の低木がすでに実を落とした時期には、ひと目で見分ける手がかりになります。 4

分類のポイント

最初の記載は1753年のリンネによるVaccinium albumで、その後、Symphoria albus (L.) Raf.、Lonicera alba (L.) Druce、Xylosteon album (L.) Moldenkeなどの属に移されました。POWO/WCVPが現在採用するSymphoricarpos albus (L.) S.F.Blakeの学名が成立したのは、初記載から150年以上後の1914年です。 1 8

認められている変種は2つあります。Symphoricarpos albus var. albusは亜寒帯アラスカから米国中北部に分布し、Symphoricarpos albus var. laevigatus (Fernald) S.F.Blakeは太平洋岸の型で、やや大きな実をつけます。後者は長くSymphoricarpos rivularisという独立種として扱われていました。 1

生息地と分布

北米の温帯から亜寒帯の広い範囲に自生します。西部はアラスカとカナダからメキシコ北部のバハ・カリフォルニアまで、東部はケベックからバージニアまでです。湿った林床、河畔林、川岸、平地から中山帯の林縁や低木群落に生育します。 2 5

観賞低木として西欧に持ち込まれたのは19世紀です。その後広く帰化し、とりわけ英国では生け垣、法面、林縁に広がりました。吸枝で急速に増えるため、中欧の一部の国では庭外での拡大が監視されています。 2

生活環と繁殖

夏の6–9月の開花では、豊かな蜜がハチを引き寄せます。受粉した花は9–11月に成熟する実となり、冬の間も枝に残ります。実を食べる鳥によって種子が運ばれます。 2 4

繁殖の中心は栄養繁殖で、横に伸びる根から吸枝が出て発根し、種子を経ずに密な群落をつくります。低温湿層処理後の播種も可能ですが、発芽は遅く不揃いです。夏に半木質化した枝を挿し木すると、より早く確実に増やせます。根づいた吸枝を冬に成株から切り分ければ、挿し木の工程や特別な器具なしで、そのまま地植えにできます。 3

利用と注意点

観賞用として、生け垣や花壇に使われます。また、吸枝を出す根系を生かし、川岸や法面の安定化にも利用されます。 5 3

果実に含まれるサポニンを人が摂取すると、嘔吐や下痢が起こります。白い丸い実にひかれる子どもは特に注意が必要ですが、重症度は低く、猫や犬での顕著な毒性は確認されていません。 5 3

北米の複数の先住民族は、果実のサポニンを伝統的にせっけんとして用い、枝を矢の軸に利用していました。現在は限定的な用途で、主に歴史的な民族植物学の記録に残っています。 7

自然界での姿には、園芸上の評判と異なる面があります。園芸店ではしばしばシカに食べられにくいとされますが、北米の自生地ではシカ、野生ヒツジ、家畜が好んで食べます。この違いは動物が葉を本当に嫌うというより、庭では他の餌が得られることを主に反映しています。 6 4

品種・類似種・近縁種

流通する園芸交雑系統には、Symphoricarpos albusが交配に関わる「White Hedge」や「Mother of Pearl」などがあります。樹形や実がよく似ていても、厳密にはSymphoricarpos albusそのものではありません。 2

同属で特に混同しやすいのはSymphoricarpos orbiculatusです。コーラルベリーと呼ばれ、紫から赤みを帯びた、明らかに小さい実で結実期に区別できます。白い実はヤドリギ(Viscum album)にも似ていますが、ヤドリギは宿主の枝上で半寄生して茂り、セッコウボクのように地面に根を下ろすことはありません。 7

主な参考文献

よくある質問

セッコウボクには毒がありますか?

果実にはサポニンが含まれ、人が食べると嘔吐や下痢を起こす弱い毒性があります。猫や犬については、顕著な毒性は確認されていません。

実を押すと弾けるのはなぜですか?

空気と果肉を含んだ実の薄い皮は押すと簡単に破れ、乾いた音を立てます。ドイツでは子どものこの遊びから、Knallerbsenという呼び名が生まれました。

セッコウボクとSymphoricarpos orbiculatusはどう見分けますか?

最も確かな目印は実の色です。Symphoricarpos albusは白く、コーラルベリーと呼ばれるSymphoricarpos orbiculatusは紫から赤みを帯び、より小さな実をつけます。

セッコウボクは広がりすぎますか?

根から吸枝を出して素早く広がり、密な低木群落をつくります。19世紀から西欧で帰化しており、中欧の一部の国では庭外での拡大が監視されています。

どんな日当たりと土が適していますか?

日なたから半日陰と普通の土が適し、痩せ地や石灰質の土でも育ちます。深い日陰にも耐えますが、開花と結実は少なくなります。

ヤドリギとセッコウボクの白い実は同じものですか?

いいえ。どちらも白い実をつけますが、ヤドリギは宿主の木の枝上で半寄生して茂ります。セッコウボクは地面に根を下ろす独立した低木です。

セッコウボクの手入れは大変ですか?

いいえ。土をあまり選ばず、活着後は乾燥にも耐える、手間の少ない低木です。定期的な作業は、主に冬の終わりに傷んだ枝などを整理する剪定です。

似ている植物

植物の毒性について不明な点がある場合は、植物学または獣医学の専門家にご相談ください。